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カルボン酸とアミンを用いたアミド縮合物の製造方法 実績あり

国内特許コード P03A001785
整理番号 A051P156
掲載日 2003年10月1日
出願番号 特願2000-087495
公開番号 特開2001-270939
登録番号 特許第4056194号
出願日 平成12年3月27日(2000.3.27)
公開日 平成13年10月2日(2001.10.2)
登録日 平成19年12月21日(2007.12.21)
発明者
  • 石原 一彰
  • 山本 尚
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 カルボン酸とアミンを用いたアミド縮合物の製造方法 実績あり
発明の概要 【課題】 加熱による直接重縮合反応により、多価カルボン酸と多価アミンから、高収率でかつ黒色への変色を伴う等の副反応を併発することなく、反応後の精製が容易なポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、特に直接重縮合反応で合成することが困難とされる芳香族ポリアミド(アラミド)、芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミドの製造方法を提供すること。
【解決手段】 芳香族ジカルボン酸、芳香族テトラカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸と芳香族ジアミンを、N-メチル-4-ピリジニウムホウ酸ヨウ化物とナトリウムテトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートを重縮合触媒とし、N-ブチルピロリジノン等の極性溶媒又は該極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒の存在下に重縮合反応させ、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドを高収率で得る。
従来技術、競合技術の概要


ポリアミド主鎖にアミド結合を有し、耐摩擦性、弾性、耐薬品性、染色性に優れており繊維材料として大量に使用され、また、機械的性質、耐摩耗性、耐熱性、耐油性に優れ、摩擦係数が小さいため、種々の機械部品や電機部品に使われる他、フィルムとしても使用されている。ポリイミドは主鎖にイミド結合を有する最も耐熱性に優れたプラスチックの一つであり、航空機、輸送機器、電気・電子機器などにおいて信頼性が重要視される部品に使用されている。ポリアミドイミドは主鎖にアミド及びイミド結合を有し、加工性や耐磨耗性に優れ、各種成形材料や電気絶縁用ワニスとして用いられている。これらポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの製造法としては、例えば以下に示すように、様々な方法が提案されている。



特開昭49-106597号公報には、珪素、ゲルマニウム、錫及び鉛の各化合物の少なくとも1種を重縮合触媒として、芳香族ジアミン及び芳香族ジカルボン酸ジエステルを、あるいは芳香族アミノカルボン酸エステルを無溶媒下に加熱して重縮合反応を行う高分子量芳香族ポリアミドの製法が記載されている。



特開昭59-8728号公報には、芳香族アミノカルボン酸および/または芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとの混合物を極性溶媒中に於いて脱水触媒の存在下に約160℃以上の温度で加熱重縮合反応せしめる芳香族ポリアミドの製造法が記載されている。



特開昭61-14219号公報には、多価カルボン酸類から選ばれた1種又はそれ以上とジイソシアネート類の1種又はそれ以上とをアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれた1種又はそれ以上の触媒存在下に反応させるポリアミド及び/又はポリアミド酸の製造において、実質的にスルホレン及び/又はイソプロピルスルフォラニルエーテルを含有しないスルホランを溶媒として使用する高重合度化の容易なポリアミド及び/又はポリアミド酸の安定な製造法が記載されている。



特開平8-333450号公報には、特定の芳香族ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物の反応によりポリイミドを得る際に、水溶性エーテル化合物、水溶性アルコール化合物、水溶性アミド化合物、水溶性ケトン化合物、水から選ばれる2種以上の混合溶媒中で反応を行いポリイミド前駆体とした後、熱的又は化学的にイミド化する、残溶媒が少なく寸法安定性が良好なポリイミドの製造方法が記載されている。



特開平8-302015号公報には、特定の分子量を有し、かつ特定の構造単位からなる、広い沸点範囲の有機溶剤に溶解し、その溶解度も高く、成形加工性に優れ、軟化温度を有しながら耐熱性に優れた、ワニス、成形品等に有用なポリイミドが記載されている。



特開平8-239470号公報には、特定の芳香族ジアミンと特定の芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させることにより、低い表面自由エネルギーと高いガラス転移温度を有し、撥水撥油性でかつ耐熱性のポリイミド樹脂の製造方法が記載されている。



特開昭57-133126号公報には、三塩基性酸無水物およびジイソシアネート化合物を第3級アミン触媒の存在下で重縮合反応させるに際し、反応をスルホラン溶媒中で行うポリアミドイミドの製造方法が記載されている。



特開昭62-297329号公報には、芳香族トリカルボン酸および/または芳香族トリカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとを脱水触媒および溶媒の存在下に加熱重縮合反応せしめて芳香族ポリアミドイミドを製造する方法において、溶媒としてニトロベンゼン、o-ニトロトルエン及びベンゾニトリルから成る群より選ばれた化合物を用いる芳香族ポリアミドイミドの製造方法が記載されている。



他方、本発明者らは、3,4,5-トリフルオロフェニルホウ酸や3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸等の電子求引基をもつアリールホウ酸が、カルボン酸とアミンのアミド縮合反応において触媒となることを報告している(J.Org.Chem.1996,61,4196-4197)。

産業上の利用分野


本発明は、アミド縮合物、特にポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミドからなる縮合重合物の製造方法に係り、さらに詳しくは、N-アルキルピリジニウムホウ酸塩、又はN-アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩とからなるアミド縮合触媒を用いて、多価アミンと多価カルボン酸の混合物等を溶媒中で反応させるポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等のアミド縮合物の製造方法や、N-アルキルピリジニウムホウ酸塩、又はN-アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩を有効成分とするアミド縮合用触媒や、新規なN-アルキルピリジニウムホウ酸塩化合物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カルボン酸とアミン、カルボン酸とアミンとアミノカルボン酸、又はアミノカルボン酸を、縮合触媒及び溶媒の存在下に反応させるアミド縮合物の製造方法において、縮合触媒として一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩を用いることを特徴とするアミド縮合物の製造方法。
【化1】


(式中、RはC1~4のアルキル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)

【請求項2】
カルボン酸とアミン、カルボン酸とアミンとアミノカルボン酸、又はアミノカルボン酸を、縮合触媒及び溶媒の存在下に反応させるアミド縮合物の製造方法において、縮合触媒として一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩、又はそれらの反応物を用いることを特徴とするアミド縮合物の製造方法。
【化2】


(式中、RはC1~4のアルキル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)

【請求項3】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩が、N-メチルピリジニウムホウ酸塩であることを特徴とする請求項1又は2記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項4】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩が、N-メチル-4-ピリジニウムホウ酸ヨウ化物であることを特徴とする請求項記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項5】
テトラアリールホウ酸塩が、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩であることを特徴とする請求項2~のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項6】
テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸のアルカリ金属塩又は銀塩であることを特徴とする請求項記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項7】
カルボン酸とアミンとがそれぞれ多価カルボン酸と多価アミンであり、縮合物が縮合重合物であることを特徴とする請求項1~のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項8】
縮合重合物が、ポリアミド、ポリイミド又はポリアミドイミドであることを特徴とする請求項記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項9】
多価カルボン酸と多価アミンが、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれかの組合せからなり、縮合重合物がポリアミドであることを特徴とする請求項7又は8記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項10】
芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれかの組合せが、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンであることを特徴とする請求項記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項11】
芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとが、テレフタル酸とp-フェニレンジアミンであることを特徴とする請求項10記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項12】
芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、又は脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンのいずれかの組合せが、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンであることを特徴とする請求項記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項13】
脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとが、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンであることを特徴とする請求項12記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項14】
多価カルボン酸と多価アミンが、芳香族テトラカルボン酸と脂肪族ジアミンからなり、縮合重合物がポリイミドであることを特徴とする請求項7又は8記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項15】
多価カルボン酸と多価アミンが、芳香族トリカルボン酸と芳香族ジアミンからなり、縮合重合物がポリアミドイミドであることを特徴とする請求項7又は8記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項16】
溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項1~15のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項17】
溶媒が、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒であることを特徴とする請求項1~15のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項18】
極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒として、極性溶媒が30~50重量%混合されている混合溶媒を用いることを特徴とする請求項17記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項19】
極性溶媒が、N-メチルピロリジノン、N-ブチルピロリジノン、クレゾールから選ばれる1又は2以上の溶媒であることを特徴とする請求項16~18のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項20】
非極性溶媒が、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタメチルベンゼン、m-ターフェニルから選ばれる1又は2以上の溶媒であることを特徴とする請求項17~19のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項21】
反応が、脱酸素雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1~20のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項22】
反応が、アルゴン雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1~21のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項23】
反応が、200~300℃で行われることを特徴とする請求項1~22のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項24】
反応が、150~200℃で行われることを特徴とする請求項1~22のいずれか記載のアミド縮合物の製造方法。

【請求項25】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩を有効成分として含有することを特徴とするアミド縮合用触媒。
【化3】


(式中、RはC1~4のアルキル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)

【請求項26】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩とテトラアリールホウ酸塩、又はそれらの反応物を有効成分として含有することを特徴とするアミド縮合用触媒。
【化4】


(式中、RはC1~4のアルキル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)

【請求項27】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩が、N-メチルピリジニウムホウ酸塩であることを特徴とする請求項25又は26記載のアミド縮合用触媒。

【請求項28】
一般式(I)で表されるN-アルキルピリジニウムホウ酸塩が、N-メチル-4-ピリジニウムホウ酸ヨウ化物であることを特徴とする請求項27記載のアミド縮合用触媒。

【請求項29】
テトラアリールホウ酸塩が、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩であることを特徴とする請求項26~28のいずれか記載のアミド縮合用触媒。

【請求項30】
テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸塩が、テトラキス(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸のアルカリ金属塩又は銀塩であることを特徴とする請求項29記載のアミド縮合用触媒。

【請求項31】
一般式(I)で表されることを特徴とするN-アルキルピリジニウムホウ酸塩。
【化5】


(式中、RはC1~4のアルキル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。)

【請求項32】
一般式(I)中におけるRがメチル基であることを特徴とする請求項31記載のN-アルキルピリジニウムホウ酸塩。

【請求項33】
式(II)で表されることを特徴とするN-メチル-4-ピリジニウムホウ酸ヨウ化物。
【化6】


国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[C05-06]
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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