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電磁波源検出方法および絶縁劣化診断方法と装置 コモンズ

国内特許コード P03A002057
整理番号 Y01-P147
掲載日 2003年10月1日
出願番号 特願2001-226255
公開番号 特開2003-043094
登録番号 特許第4015384号
出願日 平成13年7月26日(2001.7.26)
公開日 平成15年2月13日(2003.2.13)
登録日 平成19年9月21日(2007.9.21)
発明者
  • 川田 昌武
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 電磁波源検出方法および絶縁劣化診断方法と装置 コモンズ
発明の概要 【課題】 狭いスペース内で、絶縁物の劣化による部分放電箇所あるいは電磁波源の位置を的確に特定できるコンパクトな手段を提供することにある。
【解決手段】 UHF帯を含む超広帯域の電波干渉計システムにより、絶縁材料で被覆あるいは保護された電力機器・設備等の絶縁劣化箇所を診断する。絶縁劣化箇所で生じる部分放電から放射される電磁波信号を、UHF帯の複数のアンテナで受信し、電磁波源の方位を解析することにより,絶縁劣化箇所を特定する。UHF帯アンテナを使用できるため、アンテナ自体が小さくなり、かつ、アンテナ間の基線長も短くなることから、小型化が可能となる。
従来技術、競合技術の概要


電力機器・設備の絶縁材料が劣化して部分放電(Partial Discharge:PD)を生じると広帯域電磁波が放射されることが、参考文献1~13に示す論文で報告されている。例えば、本発明者らは、参考文献1~3において、ガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear: GIS)のSF6 ガス中において生じるPDは、VHF(Very High Frequency, 30-300MHz)帯と、UHF(Ultra High Frequency、 300-3000MHz)帯の広帯域電磁波を放射することから、VHF帯電磁波に着目して、電磁波空間位相差法により放電源位置を特定し、またウェーブレット変換(Wavelet Transform) を用いた時間周波数解析により、放電進展状態を示す電荷量とダイナミックスペクトラム(Dynamic Spectrum)との関係を明らかにし、劣化が進展するのに伴い低周波成分が出現することを報告した。
この他、参考文献4~8では、UHF帯電磁波センシングによるGIS絶縁診断技術が報告され、また参考文献9,10では、VHF帯電磁波センシングによる配電用碍子絶縁診断技術が、そして参考文献11~13では、SHF帯(GHz帯) 電磁波センシングによる発電機固定子コイルの絶縁診断技術が、国内外の様々な研究機関や企業等により報告されている。



近年、大都市では、用地の有効活用と地中送電設備との整合性のため、あるいは都市の美観等の点から、高層ビルの地下に超高圧変電所が実現している。このような地下変電所では、スペースが極めて限られているため,PD位置特定のために電磁波センシング技術を導入する場合、センシングシステム自体をいかに小型化するかが課題となる。また、配電線碍子のPD位置を特定においても、測定時の道路交通への影響を考慮すると、システムの小型化は重要な課題となる。



ところで,電磁波センシング手法として用いられる電波干渉計は、主に電波天文学等の分野で発展した技術であり、超長基線電波干渉計(Very Long Baseline Interferometory :VLBI)やスペースVLBIとして進化し、現在では、電波天文学分野での応用のみならず、測地応用も行われている。電波干渉計の他の応用例としては、衛星追尾用電波干渉計や、UHF帯狭帯域(327MHz ,電波天文の保護バンド) 電波干渉計、及びVHF帯広帯域電波干渉計による雷放電可視化等が実現されている。なお、VHF帯広帯域電波干渉計による雷放電可視化は,参考文献14に示される。
<参考文献>
1.川田昌武:電力機器の診断技術に関する研究,大阪大学大学院学位論文
(工学研究科),1998年
2.川田昌武,河崎善一郎,松浦虔士,川崎誠:「電磁波空間位相差法を用いた非接触部分放電検出法」,電学論B,115 巻10号,pp.1168-1173,1995 年10月
3.川田昌武,和田将一,河崎善一郎,松浦虔士,川崎誠:「SF6 ガス中における部分放電現象のウェーブレット変換を用いた時間周波数解析」,電学論B,117 巻3 号,pp.338-345,1997 年3 月
4.M.D.Judd, O.Farish, B.F.Hampton “The Excitation of UHF Signa1s by Partial Discharges in GIS ”,IEEE Trans.on Die1ectrics and Electrical Insulation,Vol.3,No.2,pp.213-228,April 1996
5.前川洋,土井雅史,川本俊治:「ガス絶縁開閉装置における部分放電源の特定」,電学論B,120巻8/9号,PP.1106-1111,2000年8 /9 月
6.加藤達郎,遠藤奎将:「UHF法によるGlS絶縁異常診断システムの開発」,電学論B,119 巻4 号,pp.458-463,1999年4 月
7.今川浩,江本邦夫,村瀬洋,小山博,若林誠二,榊原高明,萩原英一:「部分放電信号のGlS内伝播特性に関する周波数依存性の検討」,電学論B,119 巻10号,pp.1073-1079,1999 年10月
8.蔦田広幸,長田典子,宮下信,亀井光仁,井上悟,高嶋和夫,宇佐美照夫:「GIS内部電磁波の第一波波高値と累積波形指標を用いた部分放電識別」,電学論B,120 巻3 号、pp. 333-339,2000年3 月
9.鈴木雄一,川田昌武,河崎善一郎,松浦虔士,川崎誠:「位置標定における重畳最適化法を用いた部分放電源空間標定」,電学論B,118 巻2 号,pp.157-163,1998年2 月
10.Ampol Tungkanawanich, Zen -Ichiro Kawaaki,Kenji Matsuura :“Location of Multiple PD Sources on Distribution Lines by Measuring Emitted Pulse -Train Electromagnetic Waves ”,電学論B,120 巻11号,pp.1431-1436,2000 年11月
11.川田昌武,河崎善一郎,松浦虔士,武蔵谷敏男,音羽克則,黒木悟,森山隆:「GHz帯電磁波空間位相差法を用いた発電機固定子コイルの非接触部分放電検出システムの開発」,電学論B,117 巻2 号,pp.224-232,1996 年2 月
12.川田昌武,河崎善一郎,松浦虔士,武蔵谷敏男,黒木悟,大澤輝也,田中宏毅:「発電機固定子コイルの絶縁破壊現象に伴うGHz帯放射電磁波測定による絶縁劣化診断法」,電学論B,118 巻3 号,pp.274 -281,1998 年3 月
13.川田昌武,河崎善一郎,松浦虔士,黒木悟,大澤輝也,田中宏:「GHz帯電磁空間位相差法を用いた火力タービン発電機の運転中における部分放電検出」,電学論B,118 巻11号,pp.1243- 1248 ,1998年11月
14.特開2001-4731 号公報(出願番号:特願平11-170666 ,発明の名称:広帯域干渉計)

産業上の利用分野


本発明は、環境中の不要な電磁波源や、電力設備における絶縁物の劣化で生じる放電箇所などを、離れた場所からコンパクトな手段で検出できる電磁波源検出方法に関する。



本発明は、さらに電力ケーブルや変電・配電設備など、高電圧部分を絶縁物で被覆あるいは支持されている機器、設備における絶縁劣化の診断に有用な絶縁劣化診断方法および装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のUHF帯アンテナと、各UHF帯アンテナが受信した電磁波の位相差を検出する位相差算出部と、検出された位相差から電磁波の到来角を算出する到来角算出部とを有する電波干渉計システムにより電磁波源位置を特定する電磁波源検出方法において、
到来する電磁波を上記電波干渉計システムの複数のUHF帯アンテナにより広帯域に受信し、複数のUHF帯アンテナがそれぞれ受信した広帯域の電磁波信号間の位相差を上記位相差算出部により検出し、検出した広帯域の電磁波信号間の位相差に基づいて上記到来角算出部によりUHF帯を含む広帯域の電磁波の到来角を算出し、その到来角算出の際、UHF帯を含む広帯域内の低周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を粗く概算し、同時に該広帯域内の高周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を精密に求めて、それらの結果を併せて電磁波源位置を特定することを特徴とする電磁波源検出方法。

【請求項2】
UHF帯を含む広帯域はUHF帯とVHF帯からなり、低周波成分はVHF帯であり、高周波成分はUHF帯であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波源検出方法。

【請求項3】
複数のUHF帯アンテナによりそれぞれ受信された電磁波信号間で相互パワースペクトラムを求めて、周波数成分を特定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波源検出方法。

【請求項4】
複数のUHF帯アンテナと、各UHF帯アンテナが受信した電磁波の位相差を検出する位相差算出部と、検出された位相差から電磁波の到来角を算出する到来角算出部とを有する電波干渉計システムにより、絶縁材料で被覆あるいは保護された電力機器・設備等の絶縁劣化箇所を診断する絶縁劣化診断方法において,
上記絶縁劣化箇所で生じる部分放電から放射される電磁波を上記電波干渉計システムの複数のUHF帯アンテナにより広帯域に受信し、複数のUHF帯アンテナがそれぞれ受信した広帯域の電磁波信号間の位相差を上記位相差算出部により検出し、検出した広帯域の電磁波信号間の位相差に基づいて上記到来角算出部によりUHF帯を含む広帯域の電磁波の到来角を算出し、その到来角算出の際、UHF帯を含む広帯域内の低周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を粗く概算し、同時に該広帯域内の高周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を精密に求めて、それらの結果を併せて絶縁劣化箇所の電磁波源位置を特定することを特徴とする絶縁劣化診断方法。

【請求項5】
UHF帯を含む広帯域はUHF帯とVHF帯からなり、低周波成分はVHF帯であり、高周波成分はUHF帯であることを特徴とする請求項4に記載の絶縁劣化診断方法。

【請求項6】
複数のUHF帯アンテナによりそれぞれ受信された電磁波信号間で相互パワースペクトラムを求めて、周波数成分を特定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の絶縁劣化診断方法。

【請求項7】
無放電時での電磁波到来角分布と相互パワースペクトラムを背景雑音として予め取得しておき、絶縁劣化診断時に算出した電磁波到来角と相互パワースペクトラムと比較して、有効データのみを取り出すようにしたことを特徴とする請求項6に記載の絶縁劣化診断方法。

【請求項8】
複数のUHF帯アンテナと、各UHF帯アンテナが受信した電磁波の位相差を検出する位相差算出部と、検出された位相差から電磁波の到来角を算出する到来角算出部とを有する電波干渉計システムを備え、絶縁材料で被覆あるいは保護された電力機器・設備等の絶縁劣化箇所を診断する絶縁劣化診断装置において,
上記電波干渉計システムは、絶縁劣化箇所で生じる部分放電から放射される電磁波を上記複数のUHF帯アンテナにより広帯域に受信し、該複数のUHF帯アンテナがそれぞれ受信した広帯域の電磁波信号間の位相差を上記位相差算出部により検出し、検出した広帯域の電磁波信号間の位相差に基づいて上記到来角算出部によりUHF帯を含む広帯域の電磁波の到来角を算出するものであり、該到来角算出部は、UHF帯を含む広帯域内の低周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を粗く概算し、同時に該広帯域内の高周波成分の電磁波信号間の位相差により到来角を精密に求めて、それらの結果を併せて絶縁劣化箇所の電磁波源位置を特定することを特徴とする絶縁劣化診断装置。

【請求項9】
UHF帯を含む広帯域はUHF帯とVHF帯からなり、低周波成分はVHF帯であり、高周波成分はUHF帯であることを特徴とする請求項8に記載の絶縁劣化診断装置。

【請求項10】
複数のUHF帯アンテナによりそれぞれ受信された電磁波信号間で相互パワースペクトラムを求めて、周波数成分を特定する相互パワースペクトラム算出部を設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の絶縁劣化診断装置。

【請求項11】
無放電時での電磁波到来角分布と相互パワースペクトラムを背景雑音として予め取得しておき、絶縁劣化診断時に算出した電磁波到来角と相互パワースペクトラムと比較して、有効データのみを取り出すようにしたことを特徴とする請求項10に記載の絶縁劣化診断装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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