TOP > 国内特許検索 > 基体表面に一方向に配向したα-ヘリックス構造を有する定配序ペプチド集合体薄膜

基体表面に一方向に配向したα-ヘリックス構造を有する定配序ペプチド集合体薄膜

国内特許コード P03A002090
整理番号 A121P116
掲載日 2003年10月1日
出願番号 特願2001-308428
公開番号 特開2003-113260
登録番号 特許第3834695号
出願日 平成13年10月4日(2001.10.4)
公開日 平成15年4月18日(2003.4.18)
登録日 平成18年8月4日(2006.8.4)
発明者
  • 樋口 真弘
  • 田口 和宏
  • 古賀 智之
  • 木下 隆利
出願人
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 基体表面に一方向に配向したα-ヘリックス構造を有する定配序ペプチド集合体薄膜
発明の概要 ポリペプチドの一次構造およびマクロダイポールの配向が制御されたポリペプチド鎖を持つ分子集合体からなる定配序分子集合体薄膜の提供。基体表面に形成した自己組織化単分子膜を構成するアミノ酸固相重合可能な末端を有する分子末端にアミノ酸を逐次重合させることにより得られる重合度10以上のポリペプチド鎖、特に配向したα-ヘリックス構造を有するポリペプチド鎖を持つ自己組織化単分子膜よりなる定配序分子集合体薄膜
従来技術、競合技術の概要
α-ヘリックス構造を有するポリペプチドは、その分子軸方向に大きなマクロダイポール有することから非線形光学材料への応用に関し注目され(文献1:Whitesell,J.K.;Chang.H.K,Mol.Cryst.Liq,Cryst.Sci.Technol.,Sect A 1994,240.251、)、同分子が面内配位した液晶材料(文献2-1:Watanabe.J.;Takahashi,Y.Macromolecules 1991,24,3423,2-2:Subramanian.R.;Wittebort,R.J,;DuPre,D.B.,J.Chem.Phys 1982.77,4694)や、その二次構造転移を利用した刺激応答材料(文献3-1;Kinoshita,T,;Sato.M.;Takizawa,A.,Tsujita,Y.,J.Am.Chem.Soc.1986,108,6399,3-2;Pieroni,O.;Houben,J,K,;Fissi,A.;Constantino,P.;Ciardelli,F.,J,Am.Chem.Soc.1980,102,5913)への応用研究がされてきた。また、特定個所にエネルギードナーとアクセプターを配した定配序ポリペプチドでは、分子軸方向に沿った効率的なエネルギー移動(文献4-1;Kuragaki,M.;Sisido,M.,J.Phys.Chem. 1996,100,16019;4-2;Sisido,M.;Tanaka,R.;Inai,Y.;Imanishi,Y.,J.Am.Chem.Soc.1989,111,6790)が報告されている。
【0003】
これらの機能をより効率よく利用するためには、α-ヘリックス分子を膜面に対し垂直に配向させる技術の確立が望まれる。これまでにポリペプチド集積体の構築法に関して種々報告されてきた。
例えば、界面に垂直配向させたポリペプチドをLB法により基板上に累積させる手法(文献5-1;Kishihara, K.; Kinoshita, T.; Mori. T.; Okahata, M., Chem. Lett. 1998, 951; 5-2;Doi, T.; Kinoshita, T.; Tsujita, Y.; Yoshimizu, H., Bull. Chem. Soc. Jpn. 2001, 74, 421 )や、基板上に形成した自己組織化単分子膜とポリペプチド末端の相互作用により基板上に吸着固定化(文献6-1;Miura,Y.;Kimura,S.;Imanishi,Y.;Umemura,J.Langmuir 1999,15,1155,6-2;Miura,Y.;Kimura,S.;Imanishi,Y.;Umemura,J.Langmuir 1998,14,2761)する手法が報告されている。
しかしながら、これらの手法により得られるポリペプチド集積体は、その力学的安定性という観点から満足できる状態にない。また、末端にチオールを有するポリペプチドを用いた金表面での自己組織化単分子膜の構築があるが、この手法では、金表面への吸着の際にペプチド分子の持つ軸方向の大きなダイポールモーメントによって分子が互いに入れ子のような状態となりポリペプチドの分子配向がランダムとなるためにマクロダイポールが相殺されて組織化(ランダム配列構造)されることが報告されており(文献7-1;Worley,C,G;Linton,R.W;Samulski,E.T,Langmuir 1995,11,3805,7-2;Niwa,M.;Murata,T.;Kitamatsu,M.,Matsumoto,M.;Higashi,N.,J.Mater.Chem.1999,9,343,7-3;Niwa,M.;Morikawa,M.,Higashi,N., Langmuir 1999,15,5088))マクロダイポールの配向制御という観点から、満足状態にない。更に開始剤を固定した基板上でのアミノ酸NCA(N-カルボキシ アミノ酸無水物)のグラフト重合(文献8-1;Whitesell,J.K.;Chang,H.K.,Science 1993,261,73.,8-2;Whitesell,J.K.;Chang,H.K.;Whitesell,C.S.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1994,33,873)が報告されているが、ポリペプチドの一次構造、すなわち、特定部位に官能基を導入するという、すなわち、位置特異性を持つという観点からは満足できる状態にない。
【0004】
一方、シロキシ基を有する分子はガラス表面に、またチオール基を有する分子は金などの金属膜表面に配位結合などにより結合し、該分子の自己組織化により単分子膜を形成することが知られている。その際前記シロキシ基、チオール基などを有する分子として他端にカルボキシル基、ヒドロキシル基〔文献11:Cary Miller,Pierre Cuendet,and Michael Gratzel, J.Phys.Chem.95,877-886,(1991)〕を有する化合物を用い、前記自己組織化により形成した単分子膜の前記カルボキシル基などにチトクロームなどを結合させて生物学的な電子移動などの観察に利用する可能性を発表している〔文献12:Shihus Song,Rose A.Clark,and Edmond F.Bowden,Michael J.Tarlov,J.Phys.Chem.97,6564-6574,(1993)〕。 ただ、前記末端カルボキシル基にアミノ酸を重合させることに言及する記載はない。
産業上の利用分野
本発明は、非線形光学素子やベクトル的な物質・電子移動機能を有する情報伝達素子を構築するための、一定方向に配向したポリペプチド鎖を有する定配序分子集積薄膜に関する。
定配序分子集積薄膜とは、分子の配置、配置された位置での分子の立体的配位が均一性および安定性をもって形成された単分子厚の膜、ナノレベルの膜を意味する。
特許請求の範囲 【請求項1】基体表面に形成した自己組織化単分子膜を構成するアミノ酸固相重合可能な末端を有する分子末端にアミノ酸を逐次重合させることにより得られる重合度10以上のポリペプチド鎖を持つ分子集積体よりなる定配序分子集合体薄膜。
【請求項2】ポリペプチド鎖が主としてα-ヘリックス構造を持つことを特徴とする請求項1に記載の定配序分子集合体薄膜。
【請求項3】基体表面上に自己組織化単分子膜を形成するアミノ酸の逐次重合が可能な分子が一方の末端にアミノ基あるいはカルボキシル基を有し、他端に基体表面と結合を形成する基を有する化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の定配序分子集合体薄膜。
【請求項4】基体表面に形成した自己組織化単分子膜がアミノ酸固相重合可能な末端を有する分子とアミノ酸固相重合可能な末端を有しない分子との混合自己組織化単分子膜であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の定配序分子集合体薄膜。
【請求項5】ポリペプチド鎖の特定部位に各種官能基が導入可能であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の定配序分子集合体薄膜。
【請求項6】ポリペプチド側鎖にイオン透過路となる親水性基あるいは、電子移動のためのドナー及びアクセプターとなる金属錯体が導入されていることを特徴とする請求項5に記載の各定配序分子集合体薄膜。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

14950_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 分子複合系の構築と機能 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close