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内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体及びそれを構成要素とする構造体並びにこれらの調製方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P03P000799
整理番号 K055P02
掲載日 2003年10月21日
出願番号 特願2002-052395
公開番号 特開2003-251599
登録番号 特許第4096330号
出願日 平成14年2月27日(2002.2.27)
公開日 平成15年9月9日(2003.9.9)
登録日 平成20年3月21日(2008.3.21)
発明者
  • 鳥本 司
  • 大谷 文章
  • 岩崎 健太郎
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体及びそれを構成要素とする構造体並びにこれらの調製方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】 内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体、及び、そのコア・シェル構造体を構成要素とする構造体、並びに、その調製方法を提供する。
【解決手段】 ナノ微粒子からなるコア2と、コア2を覆うシェル4とから成り、コア2とシェル4で形成する空隙3が制御されているコア・シェル構造体である。光溶解する半導体、金属、または高分子からなる粒子2を形成し、この粒子2に光溶解しない金属、金属酸化物または高分子でなるシェル4を被覆してコア・シェル構造体5を形成し、コア・シェル構造体に光溶解液中で波長を制御して光照射し、サイズ選択光エッチング法によりコア・シェル構造体内部に制御された空隙3を形成する。
従来技術、競合技術の概要


多孔質材料は、触媒、吸着剤、界面活性剤等に広く利用されている。
多孔質材料は、一定形状の細孔を有した物質であり、細孔の径が2nm以下の多孔質材料はミクロ多孔体と呼ばれ、細孔の径が2~50nmの多孔質材料はメソ多孔体と呼ばれている。ミクロ多孔体は、例えば、ゼオライトが良く知られている。ゼオライトは、SiあるいはAl等の金属原子が酸素を介して結合した結晶体であり、一定形状の細孔を有しており、この細孔を利用して、例えば、重質油をガソリンに分解する接触分解触媒として、また、分岐アルカンは通さずに直鎖アルカンのみを通す分子ふるい吸着剤として利用されている。



さらに近年、より大きな空隙を有する多孔体、すなわち、メソ多孔体が、触媒機能の向上と、新しい機能実現のために提案され、シリカなどの金属酸化物からなるメソ多孔体の調製が盛んに研究されている。メソポーラスシリカに代表されるメソ多孔体は、これまで、界面活性剤のミセルや、無機あるいは有機ナノ粒子などの自己組織化有機分子集合体を鋳型として、このまわりに金属酸化物薄膜を形成させた後、鋳型を除去することにより調製されている。鋳型として用いる材料の大きさ、及び、その配列構造を制御することによってメソ多孔体の細孔構造を制御することができ、細孔がランダムに分散したメソ多孔体、細孔が規則的に配列したメソ多孔体、あるいは球状細孔が3次元規則配列したメソ多孔体など、数多く実現されている。
メソ多孔体は、原子レベルの規則性はないものの、メソスケールの空隙が規則的に配列したこれまでにみられない新しいタイプの結晶であり、今後、吸着・分離材(特定の分子を空隙に吸着し、分離する働きを持つ材料)や、触媒、界面活性剤などの工業材料として活用が期待される。また、空隙にさまざまな原子や分子の集合体を導入するなどして、新しいエレクトロニクスデバイス材料としての利用も可能にするなど、さまざまな分野での利用が大いに期待されている。



ところで、ナノ粒子とナノ粒子を包摂する細孔との間に形成される空隙の大きさは、触媒反応・材料合成などの化学反応空間、物質吸着あるいは物質包接場を特徴づける量として極めて重要である。
すなわち、制御された空隙をナノ粒子近傍に有する構造体、及びこの構造体を構成要素とする構造体は、従来の触媒に比べて極めて高効率な触媒となり得ること、触媒反応にあずかる化学種の選択性を付与できること、従来触媒が存在しなかった化学反応の触媒となり得ること、あるいは、ナノデバイスに必要なナノ物質を調製する土台として使用できることが予測できる。
例えば、酸化チタン等の光触媒は、光触媒表面で触媒反応が生起されるので、光触媒をナノ粒子に加工して表面積を増大させ、高効率の光触媒を実現しようとする研究が数多くなされている。しかしながらナノ粒子は、ファンデルワールス力によって凝集してしまうので、触媒反応にあずかる化学種が触媒ナノ粒子に吸着することができず、期待通りの効果が実現できない。すなわち、ナノ粒子近傍に制御された空隙が存在しないために高効率の光触媒を実現できない。
ナノ粒子近傍に空隙を設けることができれば、触媒反応にあずかる化学種が触媒ナノ粒子に吸着することができ、高効率の光触媒を実現できる。また、ナノ粒子近傍の空隙の寸法を制御する、すなわち制御された空隙をナノ粒子近傍に形成すれば、吸着できる分子種を制御できるから、触媒反応にあずかる化学種の選択性を付与できる。また、制御された空隙をナノ粒子近傍に有する構造体を構成要素とする構造体は、構造体の形状に基づく特定の分子種を配列させることができるから、従来触媒が存在しなかった化学反応の触媒となりえ、また、ナノデバイスに必要なナノ物質を調製する土台として使用できる。



従来、制御された空間をナノ粒子近傍に有する多孔質材料は、メソ多孔体と金属あるいは半導体のナノ粒子とを複合させたものである。
メソ多孔体内にナノ粒子を形成させる従来の方法は、メソ多孔体にナノ粒子の原料となる反応ガスを導入して反応・分解させ、メソ多孔体の細孔内にナノ粒子を成長させるものである。
しかしながら、この方法で作製したナノ粒子・メソ多孔体複合体では、ナノ粒子の粒径がメソ多孔体内の場所によって異なり、それ故、粒径を制御することは極めて困難である。このため、制御されたナノ空間をナノ粒子近傍に有する多孔質材料を調製するのは、従来技術によっては極めて困難である。



すなわち、制御されたナノ空間をナノ粒子近傍に有する構造体、及び、この構造体を構成単位とした構造体は、その有用性が予測されるにもかかわらず、従来の方法では調製することが困難であった。

産業上の利用分野


この発明は、触媒、電子デバイス材料等に用いるコア・シェル構造体に関し、さらに詳しくは内部に制御された空間を有するコア・シェル構造体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノ微粒子からなるコアと、該コアを空隙を介して覆う数ナノメーターから数十ナノメーターの径を有し、かつ多数のマイクロ孔を有するシェルと、から成り、
上記空隙が、上記コアの粒径を制御することにより、1nmから数十nmの大きさに制御されており、
上記コアは、光溶解する固体から成り、
上記固体は、光吸収端を有する金属、金属酸化物、半導体または高分子から成り、光溶解液中で特定の波長の照射光を照射することで溶解し、上記光吸収端が該照射光の波長より短くなると溶解が停止することで、上記コアの粒径が制御されていることを特徴とする、内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体。

【請求項2】
前記シェルは、光溶解しない物質からなることを特徴とする、請求項に記載の内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体。

【請求項3】
前記コアは金属カルコゲナイド半導体微粒子であり、前記シェルは珪素・酸素結合を骨格に持つ膜であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体。

【請求項4】
前記金属カルコゲナイド半導体微粒子がCdS(硫化カドミウム)であり、前記珪素・酸素結合を骨格に持つ膜がSiOx (シリコン酸化物,0<x)であることを特徴とする、請求項に記載の内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体。

【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載の内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体を構成要素とすることを特徴とする、内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体を構成要素とする構造体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002052395thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 光と制御 領域
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