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光子検出器とそれを用いた量子通信装置及び量子計算機

国内特許コード P03A003211
整理番号 E062P01
掲載日 2003年12月22日
出願番号 特願2002-037859
公開番号 特開2003-243691
登録番号 特許第4132860号
出願日 平成14年2月15日(2002.2.15)
公開日 平成15年8月29日(2003.8.29)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
発明者
  • 富田 章久
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 日本電気株式会社
発明の名称 光子検出器とそれを用いた量子通信装置及び量子計算機
発明の概要 【課題】 アバランシェフォトダイオードにパルス状のバイアス電圧を印加したときに生じるスパイク電圧を除去する、小型化が可能で、かつ制御が容易な手段を用いて低ダークカウント、高効率の光子検出器とそれを用いた量子通信装置及び量子計算機を提供する。
【解決手段】 アバランシェフォトダイオード11,12にブレークダウン電圧以上の逆方向バイアス電圧をパルス状に印加し、このバイアス電圧が印加されている時間内に入射した光子を検出する素子において、2つのアバランシェフォトダイオード11,12に同時にバイアス電圧を印加し、このアバランシェフォトダイオード11,12の出力電圧の差を信号出力とする。よって、2つのアバランシェフォトダイオード11,12にパルス状にバイアス電圧を印加することによって生じるスパイク電圧は、アバランシェフォトダイオード11,12の出力電圧の差を信号出力とすることで打ち消される。
従来技術、競合技術の概要


近年、量子計算機は、量子力学の原理を利用したアルゴリズムにより、従来の計算機では現実的な時間内に計算することが不可能な問題を解くことができるということが示され、暗号解読、情報検索、シミュレーションなどの計算機利用技術に大きな影響を与えることが期待されている。また、量子暗号のような「物理暗号」は、物理法則が暗号の安全性を保証するため、計算機の能力の限界に依存しない究極の安全性保証が可能になる。このような量子計算機や量子暗号は、将来の情報産業における技術的基盤の一つとなることが期待できる。



そこで、量子計算機や、量子暗号をはじめとする量子通信を実現するための情報媒体として、光子を利用することが検討されている。光子は、環境の影響を受け難いため、量子計算・量子通信に必要な量子相関を長時間、長距離に渡って保存することができる。しかし、光子を利用するためには光子を高効率で検出する光子検出器が必要である。同時に、光子が入射していないのに信号を出力してしまうダークカウントが大きいと、誤りが大きくなり利用できない。



このように光子検出器は、高効率の検出と低ダークカウントという2つの要求を満たす必要がある。



近年、アバランシェフォトダイオードを用いて、ブレークダウン電圧以上のバイアス電圧を印加することによって高効率の光子検出が行われてきた。特に、可視光の光子に対してはシリコンを材料とするアバランシェフォトダイオードによって、高効率、低ダークカウントの光子検出器が実現されている。ところが、ファイバの損失が低く、通信に適した波長帯である1.3μmや1.55μmの光を検出するInGaAsやInPを材料とするアバランシェフォトダイオードでは、キャリアの熱励起によるダークカウントが大きいため、バイアス電圧をパルス状に印加し、バイアス電圧の時間内に入射した光子の吸収で生じたキャリアのみを検出することにより、キャリアの熱励起の影響を抑えてダークカウントを小さくすることが行われている。

産業上の利用分野


本発明は、光子検出器とそれを用いた量子通信装置及び量子計算機に係り、特に、主要な構成要素である光子検出器に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
アバランシェフォトダイオードにブレークダウン電圧以上の逆方向バイアス電圧をパルス状に印加し、該バイアス電圧が印加されている時間内に入射した光子を検出する素子において、2つのアバランシェフォトダイオードの一方のアバランシェフォトダイオードには正のバイアス電圧を、もう一方のアバランシェフォトダイオードには負のバイアス電圧を印加するように直流電源を接続し、該アバランシェフォトダイオードの出力の差を信号出力とすることを特徴とする光子検出器。

【請求項2】
信号出力が正の閾値電圧を持ち、該閾値電圧以上の信号が入力されたときパルスを出力する第1の弁別器と、負の閾値電圧を持ち、該閾値電圧以下の信号が入力されたときパルスを出力する第2の弁別器によって前記2つのアバランシェフォトダイオードのうちいずれのアバランシェフォトダイオードに前記光子が入射したかを判別することを特徴とする請求項1記載の光子検出器。

【請求項3】
前記光子を偏光分離器に入射し、該偏光分離器の2つの出力をそれぞれ前記2つのアバランシェフォトダイオードの入力として入射した前記光子の偏光状態を判別することを特徴とする請求項2記載の光子検出器。

【請求項4】
前記光子をビームスプリッターに入射し、該ビームスプリッターの2つの出力をそれぞれ前記2つのアバランシェフォトダイオードの入力として入射した前記光子の干渉状態を判別することを特徴とする請求項2記載の光子検出器。

【請求項5】
前記2つのアバランシェフォトダイオードのうちの1つが通常のダイオードに置き換えられていることを特徴とする請求項1記載の光子検出器。

【請求項6】
2つのパルス電圧のうち少なくとも一方の印加時刻と印加電圧を調整する装置を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光子検出器。

【請求項7】
前記光子の検出に請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光子検出器を用いることを特徴とする量子通信装置。

【請求項8】
前記光子の検出に請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光子検出器を用いることを特徴とする量子計算機。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002037859thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 今井量子計算機構プロジェクト 領域
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