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グラム陰性桿菌の16SrRNAメチラーゼの遺伝子

国内特許コード P03A003219
整理番号 Y01-P398
掲載日 2003年12月22日
出願番号 特願2002-051023
公開番号 特開2003-250554
登録番号 特許第3793796号
出願日 平成14年2月27日(2002.2.27)
公開日 平成15年9月9日(2003.9.9)
登録日 平成18年4月21日(2006.4.21)
発明者
  • 荒川 宜親
  • 横山 佳子
出願人
  • 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団
発明の名称 グラム陰性桿菌の16SrRNAメチラーゼの遺伝子
発明の概要 広範囲のアミノ配糖体に対して高度耐性を獲得した緑膿菌の新規な耐性機構を付与する16S rRNAメチラーゼをコードしている遺伝子及びアミノ酸配列の情報を確保することにより、医療機関における細菌検査の業務において耐性菌の識別を容易にする手段を提供する。緑膿菌において、アミノ配糖体に対する耐性を付与する遺伝子をクローニングし、塩基配列を決定した後、ホモロジー検索の結果から、特定の配列を有する本遺伝子が新規の酵素(16S rRNAメチラーゼ)をコードしていることを解明した。
従来技術、競合技術の概要
アミノ配糖体系抗生物質は抗菌スペクトルがグラム陽性菌、陰性菌、結核菌と広範囲におよぶ。特にカナマイシン系アミノ配糖体は緑膿菌を含むグラム陰性桿菌に対して強力な抗菌力を示し、臨床上重要な抗生物質である。
細菌のアミノ配糖体に対する耐性機構として、薬剤を修飾することにより不活化する酵素(修飾酵素)が知られている。修飾酵素にはアミノ配糖体のアミノ基を修飾するアセチル化酵素及び水酸基を修飾するリン酸化酵素ならびにアデニリル化酵素、さらにアセチル化とリン酸化を同時に行う二機能酵素が報告されている(Shawら、Microbiol. Rev.、第57巻、第138-163頁、1993年;Aminoglycoside Resistance Study Groups、Trends Microbiol.、第2巻、第347-353頁、1994年;Daviesら、Trends Microbiol.、第5巻、第234-240頁、1997年)。細菌がこれらの修飾酵素を産生することにより1~数種類のアミノ配糖体に対して耐性化する(Kondoら、J. Infect. Chemother.、第5巻、第1-9頁、1999年)。
【0003】
日本で開発されたアミノ配糖体系抗生物質であるアルベカシンは修飾酵素による耐性化機構を回避することを想定して創製されており、耐性菌が出現しにくい抗生物質といわれており、グラム陽性菌からグラム陰性菌に至るまで幅広い抗菌活性を示すことを特徴とする。日本では、現在、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症の治療薬として認可され、用いられている。
アルベカシンに対する耐性菌出現についてはMRSAに関しての報告があり、最小発育阻止濃度が12.5~25μg/ml、即ち中等度耐性を示すMRSAがわずかながら出現しているという報告がある(出口ら、Jpn. J. Antibiot.、第50巻、第1-11頁、1997年)。その耐性化機構はアセチル化とリン酸化を同時に行う二機能酵素によるものであり、アルベカシンがその6’位のアミノ基と2”位の水酸基が同時に修飾を受けることにより不活化される(Kondoら、J. Infect. Chemother.、第5巻、第1-9頁、1999年)。
【0004】
1997年患者の喀痰から、アルベカシンに対して高度耐性を示す緑膿菌が分離された(AR-2株)。AR-2株の種々のアミノ配糖体に対する最小発育阻止濃度は表1に示すようにカナマイシンやゲンタマイシンなど従来のアミノ配糖体に加え、アミカシン、イセパマイシンなど新型のアミノ配糖体に対しても広範囲に1000μg/ml以上の高度耐性を示した。
【表1】
表中各略号は、KM:カナマイシン、GM:ゲンタマイシン、TOB:トブラマイシン、AMK:アミカシン、ABK:アルベカシン、SISO:シソマイシン、ISP:イセパマイシン、NEO:ネオマイシン、SM:ストレプトマイシン、HYG-B:ハイグロマイシンBを示す。
【0005】
院内感染や術後感染の原因菌である緑膿菌でこのような株が臨床現場に広まっている可能性が考えられ、化学療法の実施において将来極めて深刻な影響を及ぼすことが懸念される。
16S rRNAメチラーゼはカナマイシン、ゲンタマイシンなどのアミノ配糖体系抗生物質を産生する放線菌等で確認されている。この酵素はアミノ配糖体の標的部位である30Sリボソームにおける16S rRNA(リボゾーマルRNA)をメチル化することによりアミノ配糖体の結合を妨げることで、アミノ配糖体産生菌が自己防衛手段として生来獲得しているものである(Mol Gen Genet (1985) 200:415-421)。
16S rRNAメチラーゼは、S-アデノシルメチオニンをメチル基供与体として16S rRNAをメチル化する酵素であるが、この種の酵素はこれまでアミノ配糖体産生菌以外では確認されていない。
産業上の利用分野
この発明は、アミノ配糖体に耐性を付与する緑膿菌等グラム陰性桿菌から発見された16S rRNAメチラーゼ及びその遺伝子に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 配列番号1の塩基配列から成る遺伝子、又は配列番号2のアミノ酸配列から成るタンパク質をコードする遺伝子。
【請求項2】 16S rRNAメチラーゼを有する緑膿菌を識別する検査のための請求項1に記載の遺伝子の使用方法。
【請求項3】 請求項1に記載の遺伝子をプローブとする、16S rRNAメチラーゼを有する緑膿菌を識別する検査のための検査薬。
【請求項4】 配列番号2のアミノ酸配列から成るタンパク質。
【請求項5】 16S rRNAメチラーゼを有する緑膿菌を識別する検査のための請求項4に記載のタンパク質の使用方法。
【請求項6】 請求項4に記載のタンパク質に対する抗体から成る、16S rRNAメチラーゼを有する緑膿菌を識別する検査のための検査薬。
産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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