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自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置 コモンズ

国内特許コード P03P000516
整理番号 A041P116
掲載日 2003年12月22日
出願番号 特願2002-143884
公開番号 特開2003-337309
登録番号 特許第3834789号
出願日 平成14年5月17日(2002.5.17)
公開日 平成15年11月28日(2003.11.28)
登録日 平成18年8月4日(2006.8.4)
発明者
  • 山下 幹雄
  • 平澤 正勝
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置 コモンズ
発明の概要 【課題】 高速に高感度に位相揺らぎを補償できる自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置を提供する。
【解決手段】 パルス光源2と、パルス光源2から出射する光パルス3をスペクトル成分毎に空間分散するスペクトル空間分散装置4と、空間分散された光パルスのスペクトル成分毎に位相を付加する空間位相変調器5と、位相を付加された光パルスのスペクトル成分を合波する合波装置6と、合波された出力光パルス7の一部からスペクトル干渉像を形成する変形SPIDER装置8と、スペクトル干渉像からスペクトル位相を検出し、検出した位相と設定位相との差を上記空間位相変調器にフィードバックするフィードバック装置9とから成る。
従来技術、競合技術の概要


超短光パルス圧縮技術は、人類の手にすることのできる最小の時間幅を実現でき、超短光パルスを用いることにより、従来未知であった科学技術領域に新たな発見、新たな技術の創出をもたらしつつある。また、超短光パルス位相補償技術は、時間的に変化する制御された位相補償量を光パルス列に与えることができ、各種変調分光法や光通信への応用が始まりつつある。また、超短光パルス波形整形技術は、光パルスの形状を任意に整形でき、化学反応素過程の解明や生体反応メカニズムの解明に無くてはならないものとなっている。



従来、超短光パルス圧縮、超短光パルス位相補償、超短光パルス波形整形は、光源の発生する光パルスのスペクトル成分毎に位相補償して合波することにより実現している。
位相補償には、プリズム対や回折格子対、誘電体多層膜鏡などの固定的な光学素子が用いる方法がある。しかしながら、これらの位相補償は固定的であり、動的でも自律的でもないため、光パルスのスペクトル成分毎の位相が前もってわかっており、かつ、光パルスのスペクトル成分毎の位相が時間的に不変である場合にしか有効ではない。
また、空間位相変調器(SLM:Space Light Modulater)を用いた4-fパルス整形器を用いた位相補償方法がある(例えば、本発明者らによる特願2000-329355参照)。この方法によれば、動的に位相変調量を変えられ、シミュレーテッドアニーリング法や遺伝的アルゴリズム法などを用いて、最適な位相補償量を試行錯誤的に決定できるが、決定までに極めて多くの光パルス列と時間を要するので、光パルスのスペクトル成分毎の位相が時間的に不変である場合にしか有効ではない。



このように、従来の装置においては、使用する光源の発生する光パルスの位相情報を詳細に測定してから使用することが必要であり、また、光パルスのスペクトル成分毎の位相の時間的揺らぎを小さくするために、極めて高度な制御系を有する光源を必要とし、また、このような高度な制御系を有する光源を用いても、位相の時間的揺らぎのために、超短光パルス圧縮、位相補償、波形整形が連続的に行える時間が短いといった課題がある。



近年、上記の課題を解決するために、出力光パルスの一部を取り出して位相を常時測定し、空間位相変調器にフィードバックし、光パルスに位相揺らぎが生じても自律的に超短光パルスの位相揺らぎを素早く補償する方法が試みられた(例えば、本発明者らによる、上記の特願2000-329355参照)。
この自律的補償方法においては、位相測定に、自己相関(Autocorrelaion)法、FROG(Freqency Resolved Optical Gating)法、または、SPIDER(Spectral Phase Interferometry for Direct ElectricーField Reconstruction)法が試みられた。



しかしながら、自己相関法及びFROG法は、測定原理上、位相測定に時間がかかりすぎ、位相の時間的揺らぎの大きい一般のレーザー光源の場合には、測定中に位相が変動してしまうという課題がある。
また、SPIDER法は、出力光パルスのレプリカを生成し、二つのレプリカパルスを互いに遅延させ、互いに遅延した二つの光パルスと、出力光パルスの一部を分割して生成したチャープ光パルスを非線形光学結晶に入射することにより、二つのレプリカパルスをそれぞれを異なった周波数で周波数混合し、周波数混合された二つのレプリカ光パルスをスペクトロメータで干渉させ、干渉像の干渉縞間隔から出力光パルスの位相情報を抽出する(文献:IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS.VOL.35.NO.4.APRIL 1999 p501-509参照)ものであり、この方法によれば、単一の出力光パルスから一度に全ての位相情報を抽出することができるから、高速に位相補償できる。しかしながら、単一の出力光パルスを分割してチャープ光パルスを生成するため、レプリカパルスの強度が減少してしまい、位相情報の抽出感度が低下し、極めて強度の大きい光パルスの場合にしか従来のSPIDER法が有効ではないという課題がある。



このように、従来の超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置は、光強度が小さい、または、位相の時間的揺らぎが大きい一般のレーザー光源を用いた場合には、自律的に超短光パルス圧縮、超短光パルス位相補償、及び、超短光パルス波形整形を行うことが不可能であった。

産業上の利用分野


この発明は、超広帯域で超短光パルスを発生するために不可欠な位相補償機構に空間位相変調器を用い、発生した光パルスのスペクトル位相の決定にSPIDER法の改良である変形SPIDER法を用いる、自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
パルス光源と、このパルス光源から出射する光パルスをスペクトル成分毎に空間分散するスペクトル空間分散装置と、この空間分散された光パルスのスペクトル成分毎に位相を付加する空間位相変調器と、この位相を付加された光パルスのスペクトル成分を合波する合波装置と、この合波された出力光パルスの一部からスペクトル干渉像を形成するとともに、上記合波された出力光パルス以外のパルス光源をチャープ光パルス用光源とする変形SPIDER装置と、このスペクトル干渉像からスペクトル位相を検出し、検出した位相と設定位相との差を上記空間位相変調器にフィードバックするフィードバック装置とから成ることを特徴とする、自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置。

【請求項2】
前記変形SPIDER装置は、チャープ光パルス用光源と、このチャープ光パルス用光源から出射する光パルスの遅延時間を調節する遅延器と、この遅延時間を調節した光パルスからチャープ光パルスを形成する分散性媒質と、前記出力光パルスの一部から互いに遅延した2つのレプリカパルスを形成するレプリカパルス形成器と、上記チャープ光パルスと上記2つのレプリカパルスを周波数混合する非線形光学結晶と、この非線形光学結晶で周波数混合した2つのレプリカパルスの干渉像を形成させるスペクトロメータと、この2つのレプリカパルスの干渉像を読みとる画像読取り装置とからなることを特徴とする、請求項1に記載の自律型超短光パルス圧縮・位相補償・波形整形装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002143884thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 量子効果等の物理現象 領域
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