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LnCuO(S,Se,Te)単結晶薄膜の製造方法

国内特許コード P03A003406
整理番号 E060P29
掲載日 2004年1月23日
出願番号 特願2002-197744
公開番号 特開2003-318201
登録番号 特許第4083486号
出願日 平成14年7月5日(2002.7.5)
公開日 平成15年11月7日(2003.11.7)
登録日 平成20年2月22日(2008.2.22)
優先権データ
  • 特願2002-045417 (2002.2.21) JP
発明者
  • 細野 秀雄
  • 平野 正浩
  • 折田 政寛
  • 太田 裕道
  • 平松 秀典
  • 植田 和茂
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • HOYA株式会社
発明の名称 LnCuO(S,Se,Te)単結晶薄膜の製造方法
発明の概要 【課題】 従来のLnCuOX膜は、スパッタリング法により、適切な条件でアモルファス膜を成長させ、その後高温でアニールすることによって製造されていたが、すべて多結晶であり、発光素子、電子素子材料として十分に高い発光効率、電子移動度を示していなかった。
【構成】 単結晶基板上に基材薄膜を成長させ、さらにその上に、アモルファスまたは多結晶LnCuOX(ただし、Lnは、ランタノイド元素またはYのうち少なくとも1種類、また、Xは、S、Se、またはTeのうち少なくとも1種類を意味する。)薄膜を堆積させた後、500℃以上の高温でアニールする。発光ダイオード素子、半導体レーザー素子、電界効果型トランジスタ素子、またはヘテロバイポーラトランジスタ素子用単結晶として適する結晶性の良い薄膜を成長させることができる。
従来技術、競合技術の概要


(気相エピタキシャル膜の製造方法)
気相エピタキシャル成長とは、真空中で単結晶の基板上に蒸着膜を成長させ、基板結晶の規則的な原子配列の影響を反映して、基板結晶方位と蒸着膜の結晶方位が決まった関係で成長することを指す。エピタキシャル成長技術として代表的な薄膜成長技術は、スパッタリング法、化学気相蒸着(CVD)法、分子線エピタキシー(MBE)法、パルスレーザー蒸着(PLD)法などである。



非熱平衡蒸発を用いるスパッタリング法は、現在最も広く普及し、工業的にも活用されている手法である。成膜法としてのスパッタリング法は1852年にW.Groveが発見したスパッタ現象を利用した方法である。スパッタ現象とは、ターゲット表面に入射する高運動エネルギー粒子(イオン又はターゲット表面近傍で電子により中性化された原子)が弾性衝突によりターゲット構成原子にその運動量を与え、反跳原子は近傍の原子と次々と衝突を繰り返し、結果として、ターゲット表面原子が放出されることを指す。スパッタリング法による製膜法は、放出されたターゲット構成原子を基板上に堆積させ薄膜化するものである。



化学気相蒸着(CVD、Chemical Vapor Deposition)法は、塩化物あるいは有機金属化合物を原料にして、基板上で原料ガスを化学反応させ、所望の組成を有する薄膜を基板上に育成する方法であり、量産性に優れているため、半導体レーザーなどの実用材料に広く使われている。



分子線エピタキシ-(MBE、Molecular Beam Epitaxy)法は、1968年当時に米国ベル研究所にいた、J.R.Arthurにより命名された技術であり、主に、GaAs等の化合物半導体を対象に開発された薄膜結晶成長法である。MBE法は、真空蒸着法の改良・発展形とみなすことが出来る。



これは、超高真空中で、成長させようとする結晶の原材料の中性分子(又は原子)の流れ、すなわち分子線(原子線)の強度を精度よく制御し、これを精度よく加熱した基板上に入射させることによりエピタキシャル結晶成長を行わせる方法である。MBE法で取り扱うことのできる材料の種類は、化合物半導体、Siなどの元素半導体、さらには、各種の金属超伝導体、酸化物超伝導体と多岐に亘る。通常の真空蒸着法との違いは、成長室内の真空度が10-7~10-8Pa以下であり、結晶の表面が原子スケ-ルで常に清浄に保たれた状態で成長が行われ、分子線の強度が精度よく制御されていることである。



パルスレーザー蒸着(PLD、Pulsed Lasered Deposition)法は、1960年のルビーレーザーの発振からまもなく研究開発され始めた手法で、実際は1980年代後半からエキシマレーザーを利用し、高温超伝導体、誘電体、有機高分子などの単結晶薄膜製造方法として応用されてきた。



レーザーアブレーションとは、レーザー光を固体に照射した場合、レーザー光の照射強度があるしきい値以上になると、固体表面で、電子的、熱的、光化学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、様々な種類のフラグメント(中性原子、分子、正負イオン、ラジカル、クラスタなど)が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされるプロセスのことをいう。



PLD法とは、このレーザーアブレーションの原理を利用して、成長室内の真空度が10-7~10-8Pa以下の超高真空雰囲気下、又は反応性ガスをフローさせることにより充分制御された雰囲気下で、基板上に固体の単結晶薄膜を製造する方法である。PLD法の特徴は、同じ非熱平衡蒸着プロセスを用いるスパッタリング法と異なり、ターゲットの組成と得られる膜の組成ずれが少ないこと、ターゲット交換という非常に簡単な手法で様々な物質の単結晶薄膜の製造が可能であることなどが挙げられる。その特長を生かし、近年では、特に物質探索を行う研究分野で積極的に利用されている成膜方法である。

産業上の利用分野


本発明は、LnCuO(S,Se,Te)(ただし、Lnは、ランタノイド元素又はYのうち少なくとも1種類を意味する。)単結晶薄膜の製造方法、該製造方法で得られた単結晶薄膜、及び該単結晶薄膜を用いた光デバイス又は電子デバイスに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
単結晶基板上にCuCu2SCuSCu2OCuOCuClCuCl2CuIのいずれかからなる基材薄膜を成長させ、さらにその上に、アモルファス又は多結晶LnCuOX(ただし、Lnは、ランタノイド元素又はYのうち少なくとも1種類、また、Xは、S、Se、又はTeのうち少なくとも1種類を意味する。)薄膜を堆積させた後、真空封入下で500℃以上の高温でアニールすることを特徴とするLnCuOX単結晶薄膜の製造方法。

【請求項2】
請求項1記載の単結晶基板が、YSZ、Y2O3、STO、Al2O3、又はMgOであることを特徴とする請求項1記載の単結晶薄膜の製造方法。

【請求項3】
LnCuOX蒸気を含む雰囲気でアニールすることを特徴とする請求項1に記載の単結晶薄膜の製造方法。

【請求項4】
堆積したLnCuOX膜の表面をYSZ単結晶基板で覆ってから真空封入することを特徴とする請求項1に記載の単結晶薄膜の製造方法。

【請求項5】
2枚のLnCuOX/基材薄膜/単結晶基板の積層膜、又はLnCuOX/基材薄膜/単結晶基板とLnCuOX/単結晶基板の積層膜の表面同士を張り合わせて、真空封入することを特徴とする請求項1に記載の単結晶薄膜の製造方法。

【請求項6】
単結晶基板上にCuCu2SCuSCu2OCuOCuClCuCl2CuIのいずれかからなる基材薄膜を成長させ、さらにその上に、アモルファス又は多結晶Ln1-yMyCuOX(ただし、Lnは、ランタノイド元素又はYのうち少なくとも1種類、Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znのうち少なくとも1種類、また、Xは、S、Se、又はTeのうち少なくとも1種類を意味する。0<y<1)薄膜を堆積させた後、真空封入下で500℃以上の高温でアニールすることを特徴とするLn1-yMyCuOX(ただし、0<y<1)単結晶薄膜の製造方法。

【請求項7】
請求項1記載の方法で製造したLnCuOX単結晶薄膜又は請求項6記載の方法で製造したLn1-yMyCuOX単結晶薄膜を基材とし、さらにその上にLnCuOX’又はLn1-yMyCuOX’(ただし、0<y<1で、Lnは、ランタノイド元素又はYのうち少なくとも1種類、Mは、Mg、Ca、Sr、Ba、Znのうち少なくとも1種類、また、XとX’は、S、Se、又はTeのうち少なくとも1種類を意味し、XとX’は異なる元素とする)薄膜を堆積させた後、真空封入下で500℃以上の高温でアニールすることを特徴とする単結晶LnCuOX1-xX'x(ただし、0<x<1)又は単結晶Ln1-yMyCuOX1-xX'x’ (ただし、0<y<1、0<x<1)固溶体薄膜の製造方法。

【請求項8】
単結晶基板上にCuCu2SCuSCu2OCuOCuClCuCl2CuIのいずれかからなる基材薄膜を成長させ、さらにその上に、アモルファス又は多結晶LnCuOX1-xX'x(ただし、Lnは、ランタノイド元素又はYのうち少なくとも1種類、また、XとX’は、S、Se、又はTeのうち少なくとも1種類を意味し、XとX’は異なる元素とする。0<x<1)固溶体薄膜を堆積させた後、真空封入下で500℃以上の高温でアニールすることを特徴とする単結晶LnCuOX1-xX'x(ただし、0<x<1)固溶体薄膜の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 細野透明電子活性プロジェクト 領域
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