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NAP保護基を用いたシガトキシンCTX3C類の新規全合成方法および該合成に有用な新規化合物 実績あり

国内特許コード P03P000574
整理番号 A051P319
掲載日 2004年1月23日
出願番号 特願2002-175264
公開番号 特開2004-018456
登録番号 特許第4008765号
出願日 平成14年6月17日(2002.6.17)
公開日 平成16年1月22日(2004.1.22)
登録日 平成19年9月7日(2007.9.7)
発明者
  • 平間 正博
  • 井上 将行
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 NAP保護基を用いたシガトキシンCTX3C類の新規全合成方法および該合成に有用な新規化合物 実績あり
発明の概要 【課題】新規合成ルートを提案し、シガトキシン類の収率および製造の容易性を改善するため、全合成の最終工程で使用する水酸基の保護基として、比較的温和な条件において、基質特異的に脱保護基反応が進行する保護基を選択し、新規全合成ルートを確立する。
【解決手段】化合物8で表されるように、新規なシガトキシン類(CTX3C類)の合成前駆体の水酸基に対する保護基として、従来のベンジル(Bn)保護基に代わり、新たにナフチルメチル(NAP)基を導入した化合物を用いる。このNAP保護基の使用により、脱Bn保護基の反応よりも容易で化学構造特異性の高い酸化反応により、脱NAP反応が可能となり、高収率でCTX3Cを得ることができることを見出した。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


本来無毒な魚類が毒化して起こる食中毒シガテラは、熱帯、亜熱帯の珊瑚礁域で広く発生し、年間の患者数は2万人を超える。死亡率は低いものの、知覚異常、下痢、倦怠感、関節痛、痒みなどの症状が場合によっては数ヶ月も続く。このシガテラの主要原因毒として単離・構造決定されたシガトキシン(CTX)類(化合物1など)は、13個のエーテル環が縮環する分子長3nmの巨大分子である。CTX類は渦鞭毛藻(Gambierdiscus toxcus)により生産され、食物連鎖を通じて魚類に蓄積する。400種類にも達する毒魚は、見た目、味、においなどが正常であることから、南方海域の魚類資源開発の大きな障害となっており、CTX類の簡便かつ高感度な免疫学的測定法による検出法の開発が待たれている。



CTX類は神経興奮膜の電位依存性Naチャネルに特異的に結合し、これを活性化して毒性を発揮するが、その構造レベルでの活性発現機構は明らかにされていない。自然界のCTX類は微量成分であり、生産微細藻による培養生産も遅いことから、天然物による詳細な生物学的研究、抗CTX抗体調製は事実上不可能である。このような状況下、実用的な化学合成による天然物の量的供給が強く望まれている。
今までに、本発明者らは既にシガトキシンの全合成を提案している〔Masahiro Hirama et al.Science.Vol.294,p1904-1907(文献1)、特願2002-12460、2002年1月22日出願〕。しかしながら、前記全合成法において、最後のABCDE環部とHIJKLM環部との連結とFG環の形成反応による、シガトキシンCTX3Cの前駆体であるトリベンジル-CTX3Cを合成する方法を経由するシガトキシンCTX 3Cの全合成において、前記前駆体の3つのベンジル保護基を、前記完成したA~Mまでの環を維持しつつ取り除く工程の反応が難しく、かつ、厳しい条件のために収率が悪いという、不都合があった。しかしながら、前記全合成は、広く魚類に含まれる代表的なシガトキシンであるCTX3C(文献1、図3)の収束的全合成であり、最終脱保護が唯一の問題であった。



本発明者は、前記最終脱保護の問題点を解決すべき手段を検討する中で、ベンジル保護基に代わり得る保護基を見出すことを発想し、多くの保護基を用いたモデル化合物を合成し、脱保護が比較的温和な条件において、基質特異的に脱保護基反応が進行する保護基の検討をし、前記化合物1に示す7位、29位および44位の水酸基の保護基をナフチルメチル基とする、シガトキシンCTX3C類の新規全合成ルートを構築するのに有用な中間体として有用な新規化合物を提案している(特願2002-35075、平成14年2月13日出願)。

産業上の利用分野


本発明は、効率的な、特に、7位、29位および44位の水酸基の脱保護基の効率を改善した新規なシガトキシン類の全合成ルートおよび前記ルートを構築する新規な中間体化合物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
化合物1で表される、7位、29位および44位の水酸基の保護基をナフチルメチル(NAP)基としたアセタール原料化合物を用い、
工程1;のアセタール原料化合物1を2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジン(DTBMP)の存在下において、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)と,フェニルチオトリメチルシラン(TMSSPh)で処理して、NAP基の保護基を保持してO,S-アセタールル化合物2を得る工程、
工程2;化合物2の23位の一級水酸基をエトキシエチル基で保護し、31位の二級水酸基にα,β-不飽和エステルを導入して化合物3を得る工程からなる反応式1で表される反応、および
【化1】


【化2】


工程3;立体選択的ラジカル環化反応によりG環部を構築して化合物4を合成する工程、
工程4;化合物4のエステル部位を還元、ウィッティッヒ(Wittig)反応によりオレフィン化合物5を合成する工程、
工程5;化合物5を酸条件下処理して、エトキシエチル基を除去して化合物6を得る工程、
工程6;化合物6を酸化、ウィッティッヒ(Wittig)反応に供することで、閉環オレフィンメタセシス基質である化合物7を合成する工程、
工程7;化合物7に対して(PCyClRu=CHPh〔ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム〕で表されるGrubbs触媒を用い、F環部9員環を形成して、トリNAP-CTX3C である化合物8を合成する工程、および最後の
工程8;化合物8のNAP脱保護基を、DDQにより酸化条件下で進行させる工程からなる反応式2により、目的化合物であるCTX3C類を全合成する方法。
【化3】



【請求項2】
式1で表される新規化合物。
【化4】


式1中、RはHまたはEE、RはTIPSまたはCH=CHCOOMe

【請求項3】
式2で表される新規化合物。
【化5】


式2中、RはCHOEE、CHOH、またはCH=CH
はCOOMe、またはCH=CH

【請求項4】
式3で表される新規化合物。
【化6】


式3中、RはNA
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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