TOP > 国内特許検索 > 騒音抑制型回転ノーズ

騒音抑制型回転ノーズ

国内特許コード P03A003433
掲載日 2004年2月24日
出願番号 特願2002-095780
公開番号 特開2003-294301
登録番号 特許第3772195号
出願日 平成14年3月29日(2002.3.29)
公開日 平成15年10月15日(2003.10.15)
登録日 平成18年2月24日(2006.2.24)
発明者
  • 石井 達哉
  • 生沼 秀司
  • 長井 健一郎
  • 武田 克己
出願人
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 騒音抑制型回転ノーズ
発明の概要 【課題】 ノーズ体に形成される噴出孔の孔径を細径化することにより、ノーズ等の形状や構造を大幅に変更することなく、干渉騒音の原因を取り除いて静音な騒音抑制型回転ノーズを提供する。
【解決手段】 ノーズ体4に形成された噴出孔2は、総空気噴出量を変えずに、孔径が下流に存在する動翼のような干渉物体の正面厚さの1/2以下となるように多数に細分化されている。噴出孔2から周囲流体中に噴出される噴出渦の構造が微細化して、渦の規模が弱小化する。噴出渦の干渉物体との空力干渉は弱められ且つ噴出渦の空気流への拡散が速められ、主流空気分布の乱れが抑制されると共に、噴出渦同士の干渉や噴出孔でのキャビティ音の発生が抑制される。ノーズの外形変更や部品点数増なしに、干渉音レベルを軽減することができる。
従来技術、競合技術の概要


従来、家庭用又は業務用空調機器の冷却ファンの中には、モータ、軸受等の発熱部分又は高温部分を空冷する目的で、流入空気の一部を抽気する構造を有するものがある。図4に、流入空気の一部を抽気して冷却に用いる天吊型室内空調機のファン構造の一例を示す。図4(a)はファン構造の下面図、同(b)は(a)の縦断面図、同(c)は(a)の一部拡大図である。図4に示す冷却ファン20は、空気取り入れ口からフィルタ(共に図示せず)を通して吸い込んだ空気流21をファン周囲に巡らされた熱交換器26を通過させて冷空気22として吹き出す。ファン動翼部23は、中央に配置され且つ駆動源にて駆動されるノーズ体24、及びノーズ体24と一体的に外方に延び且つ周方向に列状に配置された動翼25を備えている。空気取り入れ口を通過してファン動翼部23に流入した空気流21は、動翼25によって流れ方向を冷却ファン20の軸方向から半径方向に変更されて熱交換器26にて熱交換を行い、冷空気22として室内に放出される。



ファン動翼部23を通過した冷空気22の一部は、動翼25の下面に開口する導入口27から冷却空気30としてノーズ24内に吸入され、ノーズ体24内部に存在する軸受等の高温部分を冷却するのに用いられる。冷却を終えた冷却空気30は、ノーズ体24の上部において等間隔に形成されている噴出孔28を通してノーズ体24の周囲流体である外気中に噴出される。



噴出孔28を通して外気中に噴出される噴出流には、通常、噴出渦として空気渦31が生じる。空気渦31が干渉音を発生させる概要が、図5に示されている。即ち、このような冷却ファン20の現行モデルの中には、噴出孔28は下流側に位置する動翼25の厚さを超えるほどの大径に形成されているものがある。この場合、噴出渦31は大規模渦となり、そうした噴出渦31が下流において回転している動翼25に至る空気流21の流速分布を乱すと共に噴出渦31それ自体の拡散が不十分なまま動翼25に衝突する。動翼25は干渉物体として働き、空気流21の流速分布乱れや噴出渦31の動翼25との衝突は、その時に出る大きな干渉音の発生原因となる。また、噴出孔28の孔寸法が大きいため、ノーズ体24の表面でのキャビティ音発生の虞れがある。



大規模な噴出渦31と動翼25による干渉音を低減する技術として、ノーズ体24に傘を被せ、噴出渦31を傘とノーズ体24との間で均一化して端部のスリットから排出させる技術や、流入空気流分布に適合させて動翼25を三次元形状とすることで流入乱れを抑制する技術がある。しかし、傘を付加することは部品点数が増加する上、傘の存在による空力性能への影響が懸念される。動翼25の三次元形状化には形状決定のための費用がかさむことが予想される。



一方、噴出孔28が無い場合にも、フィルタ用のフレームによる入り口乱れや鈍頭形状を通過する際の剥離は、動翼25と干渉して干渉音の発生原因となる。従来技術として、上流乱れの原因となるフレームとの距離を大きくすることや、動翼25の形状を最適化することなどが考えられるが、装置大型化や製作コスト上昇という問題が生じる。



空気流れが引き起こす騒音抑制の技術の一つとして、特開平11-173646号公報に開示されている空調用吹出しグリルがある。この空調用吹出しグリルは、吹き出した後における空調エリア内の循環空気の巻き込みに加えて、吹き出す前においても吹出しグリル内での随伴流によって、空調エリア内の循環流量を大きくすることから成っている。こうした構成によって、空気循環量を増大させても騒音が増大しない工夫が図られている。

産業上の利用分野


この発明は、空調機器、家電製品、OA機器等の空気流れを伴う各種機器に適用可能な、乱れ及び騒音の抑制を図った騒音抑制型回転ノーズに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】周囲流体中に流体を噴出する噴出孔が形成された回転するノーズ体を備え、前記ノーズ体から前記周囲流体の流れ下流には前記噴出孔から噴出した前記流体と干渉する干渉物体が置かれており、前記噴出孔の等価孔直径を前記干渉物体の正面厚さの1/2以下に細分化したことから成る騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項2】前記噴出孔は、矩形、菱形その他の多角形、又は円形、楕円形その他の曲線形の孔形状を有することから成る請求項1に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項3】前記噴出孔は、前記ノーズ体の回転方向後方に傾斜した孔方向を有することから成る請求項1又は2に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項4】前記噴出孔の前記孔方向は、前記ノーズ体の回転方向に沿う方向とされていることから成る請求項3に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項5】前記噴出孔は、等間隔配置、千鳥配置又はランダム配置となる互いの位置関係に配列されていることから成る請求項1~4のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項6】前記噴出孔の開度並びに噴出流体の前記噴出方向及び噴出流速は、噴射された前記流体の前記干渉物体との干渉の大きさ及び前記周囲流体との混合度合に応じて変更されることから成る請求項1~5のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項7】前記ノーズ体は、前記噴出孔として機能する微細孔が多数形成されている多孔質材から形成されていることから成る請求項1に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
【請求項8】前記ノーズ体は前記周囲流体としての周囲空気に流れを生じさせる動翼を前記干渉物体として取り付けた状態でファンに適用されており、前記流体は前記ノーズ体の内部の高温部分を冷却した冷却空気であり、前記噴出孔の総孔面積は前記冷却空気の通気量を確保することができる面積に設定されていることから成る請求項1~7のいずれか1項に記載の騒音抑制型回転ノーズ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2002095780thum.jpg
出願権利状態 登録
上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close