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アキシャル磁気浮上回転モータおよびこれを用いた回転機器 コモンズ

国内特許コード P03P001510
整理番号 Y2002-P118
掲載日 2004年3月12日
出願番号 特願2002-228126
公開番号 特開2004-072879
登録番号 特許第3808811号
出願日 平成14年8月6日(2002.8.6)
公開日 平成16年3月4日(2004.3.4)
登録日 平成18年5月26日(2006.5.26)
発明者
  • 増澤 徹
  • 岡田 養二
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 アキシャル磁気浮上回転モータおよびこれを用いた回転機器 コモンズ
発明の概要

【課題】磁気浮上制御と回転制御および傾き制御におけるラジアル方向とアキシャル方向の位置制御を有機的に連携して行うことにより、高速回転時にも軸振れ等の虞れのない安定した回転が維持される高精度のアキシャル型磁気浮上回転モータおよびこれを用いた回転機器を提供することを目的とする。
【解決手段】鉛直軸の軸方向に対向して配置された電磁石を備えた一対の上下ステータ1、7間に磁気浮上回転自在に配設されたロータ4を備えたアキシャル磁気浮上回転モータにおいて、上部ステータ1にてロータ4のラジアル制御を行うとともに、下部ステータ7にてロータ4の磁気浮上回転制御と傾き制御を行うように構成したことを特徴とするもので、ロータ4の軸方向の両側に振り分けてラジアル方向の位置制御と傾き制御を行いつつ、下部ステータ7との間で磁気浮上制御を行うので、機械的な支持に依らずとも、軸振れ等の振動が少なく円滑な回転が可能であり、しかも、下部ステータ7における磁気浮上力の一部を回転制御力として機能させることができて、効率的な制御が可能となる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
我が国において1997年10月に臓器移植法案が施行され、心臓移植が法律的に可能になったものの、移植が必要な患者に対して適正なドナー数が不足しているという現状がある。そこで、生体心臓移植に代わるもの、あるいは生体心臓の機能を長期間にわたって補助するものとして人工心臓の開発が熱望されている。従来の人工心臓は、ベットサイドの駆動装置からエアーチューブを用いて患者に接続されていたが、近年では、患者の療養生活レベル向上のために体内埋設型人工心臓へと移行し始めており、臨床応用例も増加している。
【0003】
人工心臓には、拍動流型と連続流型とがある。拍動流型は、生体心臓のように脈を打つタイプで、ダイヤフラム等で仕切られ密閉されたポンプ室の一方の流体を出し入れすることでダイヤフラムを上下動させ、他方のポンプ室に満たされた血液を脈動を付けて送出する方式である。そのため、所定の流量を送出するには所定のポンプ室容量を必要として、小型化には限界があった。また、連続流型は、インペラを回転させて血液を連続的に送出するタイプで、一定方向に血液を送り込むので、効率よく運転が行える。しかも、ポンプ容積にそれほど制限されずに流量が確保できるため、小型化が容易であることから、次世代の人工心臓として注目されている。
【0004】
しかし、従来の連続流型人工心臓においては、シャフトを介してインペラをモータで回転させる構造のため、インペラにシャフトを通す孔のシールと軸受が必要となるが、これらのシール部材の耐久性が2、3日と短く、長期間使用は困難で実用性に乏しいものであった。また、シール部近傍での摩擦熱による血液の変性や、軸受隙間での血球破壊、シャフトや軸受部での流れの淀みによる血液凝固等の問題が発生した。そのようなことから、図4に示すような、径方向からの磁気吸引力によりインペラを浮上回転させることで、軸受によるシャフトの支持等の機械的接触部分を必要としない高耐久性能を発揮する磁気浮上回転モータを使用した連続流型人工心臓の開発がなされているところである。磁気浮上して回転するインペラの上部の流入口から軸流する血液が取り入れられ、インペラ内を放射方向の外側に遠心力にて放射され、円周上の流出口に集合して体内に流れていくものである。
【0005】
従来、前述した径方向磁気浮上回転モータと大別されるものとしてアキシャル磁気浮上回転モータの提案例がいくつかあり、例えば、フレームに対して永久磁石を備えた回転軸を、アキシャルおよびラジアル方向の磁気軸受けにより支持させて制御装置を簡素化させた特開平7-208470号公報に開示されたもの、回転子の位置を検出して設定値と比較し、回転子に対する固定子の回転磁界の振幅を制御する位置コントローラを備えて、浮上巻線を不要として位置制御を簡素化した特開平8-322194号公報に開示されたもの、あるいは、ロータの鍔部の上下にスラスト(アキシャル)制御固定子を配設し、鍔部の縁部の外側にラジアル制御固定子を配設し、回転角検出エンコーダおよびギャプセンサからの検出信号に基づいて、これらの制御固定子の電流値を独立して制御するように構成して、軸長を短くできるとともに、マイナストルクの発生を阻止した特開2001-124077号公報に開示されたもの等がある。
【0006】
また、本件発明者は、図5に示すようなアキシャル型磁気浮上回転モータを開発した。このモータは、上部ステータで傾き制御を、下部ステータで磁気浮上回転制御を行うものである。上部ステータに取り付けた傾き制御用コイルX、Yおよび永久磁石によって永久磁石によるバイアス吸引力に強弱を付けることでロータの傾きを制御し、下部ステータの電磁石U、V、Wにより3相4極あるいは8極の回転磁界を発生させて磁気浮上回転制御を行う。また、ラジアル方向のロータの振動については制御を行わず、受動安定性により抑制した。
産業上の利用分野
本発明は、鉛直軸の軸方向に対向して配置された一対の上下ステータ間に磁気浮上回転自在に配設されたロータを備えたアキシャル磁気浮上回転モータに関する。特にインペラが回転するターボポンプ等の回転機器全般に応用が可能で、とりわけ、高耐久性が要求される連続流型人工心臓ポンプ用のモータとして有用である。
特許請求の範囲 【請求項1】鉛直軸の軸方向に対向して配置された電磁石を備えた一対の上下ステータ間に磁気浮上回転自在に配設されたロータを備えたアキシャル磁気浮上回転モータにおいて、前記上部ステータに2組の対向するラジアル制御用電磁石を設置するとともにロータを上方へ吸引するバイアス吸引力を発生させる永久磁石を付設し、前記ラジアル制御用電磁石に電流を流して、一方の組の突極の磁束を強め、他方の組の磁束を弱めることで、ロータのラジアル方向の位置制御を行うとともに、前記下部ステータにロータの磁気浮上回転制御用コイルとロータの傾き制御用コイルを設置し、それぞれ各別に制御できるように構成したことを特徴とするアキシャル磁気浮上回転モータ。
【請求項2】前記請求項1に記載のアキシャル磁気浮上回転モータを使用した回転機器であって、前記アキシャル磁気浮上回転モータのロータにターボポンプのインペラを設置し、ターボポンプを構成したことを特徴とする回転機器。
【請求項3】前記回転機器が連続流型人工心臓ポンプであることを特徴とする請求項2に記載の回転機器。
産業区分
  • 発電、電動
  • 流体移送
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002228126thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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