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柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ及びその使用方法

国内特許コード P04A004042
整理番号 GI-H13-28
掲載日 2004年4月28日
出願番号 特願2002-200870
公開番号 特開2004-042164
登録番号 特許第3702342号
出願日 平成14年7月10日(2002.7.10)
公開日 平成16年2月12日(2004.2.12)
登録日 平成17年7月29日(2005.7.29)
発明者
  • 桑原 稔
  • 藤井 洋
  • 加藤 隆雄
  • 大村 崇
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ及びその使用方法
発明の概要

【課題】産業用ロボット等の装置に取着することができ、その工具ホルダに切削部材を直接設置した場合、人間の”しなやかさ”を強調して加工する作業を再現することができる柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ及びその使用方法を提供する。
【解決手段】切削工具ホルダ10は、連結金具13とスクレーパ取付板23との間において、第1リング11及び第2リング12よりも高剛性を有する切削安定具28を設ける。第2リング12がX方向において蓄力変形している際、連結金具13とスクレーパ取付板23とが切削安定具28を介して接触可能となるように切削安定具28を配置する。このため、スクレーパ26の刃先が被削材Wに食い込んでおり、各モータの初期駆動トルクは小さくてそのままでは、起動することができない場合、第2リング12の変形は、弾性エネルギーの蓄積と、モータの起動トルクが立ち上がるまでの時間稼ぎを行うことができる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
従来の工業・機械技術においては、人間の”手”、”うで”、”身体”などに備わっている”しなやかさ”を持たせた装置の製作は困難であるところから、別の角度で”しなやかさ”をかもし出すような装置を確保する技術が検討されてきた。それには装置やその付属部品などには高剛性を持たせた状態でも、”しなやかさ”に相当する技術を取得させることが装置の中に組み込まれたりしてきた。たとえば、スポンジのようなやわらかいものの製造、切断、運搬、豆腐の運搬、饅頭の製造装置などには高剛性を持つ装置で可能になっている。
【0003】
一方、”剛性”が強調された機械や装置は、各種工作機械、自動車、ロボットなど、多くのものがある。これまでの工業技術は、いかに高剛性で変形の少ない装置を作るにはどのようにすべきかが研究されてきた。
【0004】
工作機械の高剛性化については多くの研究が行われてきている。特に、切削工具保持工具には多大な研究が行われてきている。これらの切削工具保持研究では構造や材質の特徴を生かしたものが検討され、開発は成功してきたといえる。それにあわせるように切れ味のよい、耐摩耗性の刃物の開発もなされてきている。
【0005】
こうして得られた高剛性の刃物を利用して切削加工が行われるが、従来、機械が行う加工では刃物を回転させるか、工作物の回転によって行っている。この場合、工作物と刃物との間で適正な相対速度を確保することが必要になるが、加工能率の増加に結びつき文明の発達に寄与してきた。
【0006】
しかし、大工のノミ加工、工芸品製作時のノミ加工、機械工学のキサゲ加工という分野の刃物の運動は直線的であることが多い。ノミによる加工のように、刃物を直線的な運動させながら行う加工法は困難なことが多く、適正な機械システム及び工具ホルダというものの開発が遅れている。
【0007】
これまでも微小な距離の直線運動(直線的揺動運動)をさせている刃物をロボットなどに取付けて指定した位置の切削加工を行う装置の開発は見られている。しかし、刃物を直線的に大きく移動させながら切削加工を行う装置やシステムは存在していない。
【0008】
いつもそうであるが、装置やシステムの開発の常套手段として、熟練者の作業状態から得られるいろいろな情報に基づいて、それを再現する方法により、どのようなパラメータが主要な因子かを把握することが必要になる。これまでの多くの方法は熟練者が発揮する力と切削速度を主要因子と捕らえてきていた。この2つの因子から導かれる情報を高剛性の装置に装着した刃物に与えることによって切削加工を行っていた。
【0009】
しかし、この方法では、熟練者が行う加工結果と同じ加工状態を得ることが困難となっていた。
上記の2つの因子は主要であることは間違いないが、熟練者はノウハウ的な因子を重ねて持っていると予測できる。従来、ノウハウとして片づけられていた要素をいかに知識として得るようにするかかが、大きな問題点となっている。
【0010】
従来、切削用の刃物はこれまで開発されてきた高剛性を有する機械装置やシステムに装着されて加工を行う方法が採用されていた。この方法は微小量、微少量の切削、大量の切削などを行うことができたが、必要以上と思われるように高剛性化、多量の材料の使用などで行っていた。刃物を直線的に動作させるシステムにそのまま利用した場合は力の印加過程に不手際が生じ、刃物の欠損、破壊が頻繁に発生し経済的に大きな損失を与える等の問題がある。
産業上の利用分野
本発明は、産業用ロボット等の装置に装着して、切削加工を行うことができる柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ及びその使用方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 切削工具押圧方向に弾性力を有する第1弾性部材と、前記切削工具押圧方向とは直交するキサゲ加工における切削方向に弾性力を有する第2弾性部材とを連結し、
前記第1弾性部材に対して駆動力を付与する外部装置に取着するための外部装置取付部を設け、前記第2弾性部材に対してキサゲ加工を行うための切削部材を取付けた切削部取付部を設け、
前記第1弾性部材及び第2弾性部材よりも高剛性を有する第1高剛性部材を第2弾性部材と並設し、かつ、前記第1高剛性部材の一端が切削部取付部に対して微小隙間をあけた状態で、第2弾性部材の切削方向における変形度が大きくなるにつれて第1弾性部材と切削部取付部とが前記第1高剛性部材を介して作動的に連結するように第1高剛性部材を配置し、
切削方向における第2弾性部材の変形度が小さい場合には、第2弾性部材の低剛性を発揮し、切削方向における第2弾性部材の変形度が大きい場合には、前記第1高剛性部材による高剛性を発揮する柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項2】 切削工具押圧方向に弾性力を有する第1弾性部材と、前記切削工具押圧方向とは直交するキサゲ加工における切削方向に弾性力を有する第2弾性部材とを第2連結金具を介して連結し、
前記第2弾性部材に対して駆動力を付与する外部装置に取着するための外部装置取付部を第1連結金具を介して設け、前記第1弾性部材に対してキサゲ加工を行うための切削部材を取付けた切削部取付部を設け、
前記第1弾性部材及び第2弾性部材よりも高剛性を有する第1高剛性部材を第2弾性部材と並設し、かつ、前記第1高剛性部材の一端が第1連結金具に固定されると共に第1高剛性部材の他端が第2連結金具に対して微小隙間をあけた状態で、第2弾性部材の切削方向における変形度が大きくなるにつれて第1連結金具と第2連結金具とが前記第1高剛性部材を介して作動的に連結するように第1高剛性部材を配置し、
切削方向における第2弾性部材の変形度が小さい場合には、第2弾性部材の低剛性を発揮し、切削方向における第2弾性部材の変形度が大きい場合には、前記第1高剛性部材による高剛性を発揮する柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項3】 第1弾性部材及び第2弾性部材よりも高剛性を有する第2高剛性部材を第1弾性部材と並設し、かつ、第1弾性部材の切削工具押圧方向における変形度が大きくなるにつれて外部装置取付部と、第2弾性部材又は第2弾性部材に連結された部材とが前記第2高剛性部材を介して作動的に連結するように第2高剛性部材を配置し、
切削工具押圧方向における第1弾性部材の変形度が小さい場合には、第1弾性部材の低剛性を発揮し、切削工具押圧方向における第1弾性部材の変形度が大きい場合には、前記第2高剛性部材による高剛性を発揮することを特徴とする請求項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項4】前記第1弾性部材はリング状に形成された部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項5】前記第2弾性部材はリング状に形成された部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項6】 前記第1弾性部材と第2弾性部材とは、弾性連結具にて互いに連結されており、
同弾性連結具は、第1取付部及び第2取付部にて断面L字状に形成されており、
前記第1弾性部材と第2弾性部材とはそれぞれ第1取付部及び第2取付部に固着されていることを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項5のうちいずれか1項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項7】 前記第1高剛性部材は、前記第1弾性部材、第2弾性部材の振動の周波数とは非共振の固有の周波数を備えたことを特徴とする請求項乃至第6項のうちいずれか1項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項8】 外部装置へ取着する外部装置取付部と、
前記外部装置取付部に固定され、同外部装置取付部を通る切削工具押圧方向、並びに前記切削工具押圧方向とは直交するキサゲ加工における切削方向に少なくとも弾性力を有するように形成されたリング部を有するリング部材と、
前記リング部材において、前記外部装置取付部が設けられた側とは反対側に設けられ、切削方向へ延びるように、かつ、前記リング部材から刃先が離間するように斜状に延出するキサゲ加工を行うための切削部材と、
前記リング部材のリング部間に架設され、前記リング部よりも剛性が高い第3高剛性部材を備えた柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダであって、
前記第3高剛性部材は四角柱状に形成され、一端面側がリング部材のリング部に片持ち支持されると共に他端面側はリング部材のリング部に対して微小隙間をあけた状態でリング部間に架設され、
前記リング部材に対して、切削方向の力が印加された際の初期には、同リング部材が切削方向に弾性を有することにより、低剛性を示し、初期経過後は前記第3高剛性部材による高剛性を示すことを特徴とする柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項9】前記リング部材は、楕円形状を有することを特徴とする請求項8に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項10】前記第3高剛性部材は、前記リング部材の振動の周波数とは非共振の固有の周波数を備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項11】前記リング部材は、8角形状を有するリング部を備えたことを特徴とする請求項8に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダ。
【請求項12】 請求項1乃至請求項11のうちいずれか1項に記載の柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダの使用方法において、
外部装置に取付けした前記工具ホルダの切削部材を切削工具押圧方向に移動して被削材に当接し、同切削部材を被削材に食い込ませるようにして、切削方向とは逆方向に押し戻し、続いて、前記押し戻した長さよりも長くなるように切削方向に押して被削材に食い込ませることにより被削材を切削することを特徴とする柔軟な構造を特徴とする切削工具ホルダの使用方法。
産業区分
  • 切削
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002200870thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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