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絹様材料の設計方法

国内特許コード P04A004545
整理番号 TUAT-40008
掲載日 2004年8月13日
出願番号 特願2000-057255
公開番号 特開2001-247674
登録番号 特許第3404524号
出願日 平成12年3月2日(2000.3.2)
公開日 平成13年9月11日(2001.9.11)
登録日 平成15年3月7日(2003.3.7)
発明者
  • 朝倉 哲郎
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 絹様材料の設計方法
発明の概要 【課題】絹様繊維の設計に有用な方法を提供すること。
【解決手段】本発明の絹様材料の設計方法は、第1のアミノ酸であるグリシンと第2のアミノ酸との交互共重合体の中から分子全体にわたりβターンタイプII型構造が繰り返された共重合体を選択する工程と、前記分子全体にわたりβターンタイプII型構造が繰り返された共重合体を部分的に化学修飾したものの中から水溶性である共重合体を選択する工程と、前記部分的に化学修飾された水溶性の共重合体の中から水の存在下で延伸した場合に前記βターンタイプII型構造に含まれる分子内水素結合が分子間水素結合へと転移して絹様材料を形成する共重合体を選択する工程とを具備する。
従来技術、競合技術の概要


蚕は、繊維化前の絹を水に溶解させたものである液状絹から、室温下で及び極めて短い時間で、高強度・高弾性であり生分解性を有する絹繊維を生成する。この絹繊維と同等の強度を有する繊維を人工的に製造するには、濃硫酸や有機溶剤などの有害物質を使用して、極めて高い温度で紡糸を行わなければならない。しかも、このような合成繊維を例えば釣り糸などに使用した場合には、環境を破壊することとなる。それゆえ、高強度・高弾性であり省力下で製造可能な絹様繊維が世界的に注目されている。
絹様繊維を設計するには、蚕が液状絹から絹繊維を生成するメカニズムを解明することが極めて有用である。そのためには、まず、蚕体内の液状絹中の絹の構造(以下、Silk I型構造という)と絹繊維の構造(以下、Silk II型構造という)とを明らかにする必要がある。そこで、液状絹を風乾することによって得られた絹膜の構造、すなわちSilk I型構造をX線構造解析により原子レベルで調べる試みがなされているが、X線回折法を利用するために繊維化前の絹に配向処理を施した場合、そのSilk I型の絹膜はSilk II型の絹繊維へと容易に構造を変化させてしまう。そのため、従来、Silk I型構造を正確に特定することができなかった。
このように、これまでは、Silk I型構造は明らかとされておらず、そのため、仮想的な構造モデルを用いて上記メカニズムを説明する試みがなされている。Silk I型構造の代表的なモデルとしては、Lotzらのクランクシャフト・モデルやFosseyらのアウト・オブ・レジスタ・モデルがよく知られている。前者はX線回折と電子線回折とコンフォメーションエネルギー計算の結果とに基づくものであり、後者は詳細なコンフォメーションエネルギー計算の結果に基づくものである。
しかしながら、これら構造モデルは、いずれも、Silk II型構造と同様に、ペプチド基の水素結合が分子間でのみ形成されている場合を想定している。そのため、これらモデルによると、Silk I型構造からSilk II型構造へと転移させるには、一旦、分子間水素結合を切断し、新たに異なる原子間での水素結合を考えねばならない。すなわち、これらのモデルでは蚕が液状絹から絹繊維を生成するメカニズムを十分に説明することができず、絹様繊維の設計に有用な方法を提供するには遠く及ばなかった。

産業上の利用分野


本発明は、絹様材料の設計方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1のアミノ酸であるグリシンと第2のアミノ酸との交互共重合体の中から分子全体にわたりβターンタイプII型構造が繰り返された共重合体を選択する工程と、
前記分子全体にわたりβターンタイプII型構造が繰り返された共重合体を部分的に化学修飾したものの中から水溶性である共重合体を選択する工程と、
前記部分的に化学修飾された水溶性の共重合体の中から水の存在下で延伸した場合に前記βターンタイプII型構造に含まれる分子内水素結合が分子間水素結合へと転移して絹様材料を形成する共重合体を選択する工程とを具備することを特徴とする絹様材料の設計方法。

【請求項2】
前記化学修飾は、前記分子全体にβターンタイプII型構造を形成する共重合体に第3のアミノ酸を導入することを含む請求項1に記載の絹様材料の設計方法。

【請求項3】
前記第3のアミノ酸はチロシンであることを特徴とする請求項2に記載の絹様材料の設計方法。

【請求項4】
一般式(NHCOCH2NHCOCR12nに示す構造の交互共重合体を部分的に化学修飾したものの中から水溶性である共重合体を選択する工程と、
前記部分的に化学修飾された水溶性の共重合体の中から水の存在下で延伸した場合に絹様材料を形成する共重合体を選択する工程とを具備することを特徴とする絹様材料の設計方法。

【請求項5】
前記化学修飾は、一般式(NHCOCH2NHCOCR12nに示す構造の交互共重合体にアミノ酸を導入することを含む請求項4に記載の絹様材料の設計方法。

【請求項6】
前記アミノ酸はチロシンであることを特徴とする請求項5に記載の絹様材料の設計方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2000057255thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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