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赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうるウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの保存方法

国内特許コード P04A004765
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平10-084622
公開番号 特開平11-098979
登録番号 特許第2955657号
出願日 平成10年3月30日(1998.3.30)
公開日 平成11年4月13日(1999.4.13)
登録日 平成11年7月23日(1999.7.23)
優先権データ
  • 特願平09-201430 (1997.7.28) JP
発明者
  • 長崎 慶三
  • 山口 峰生
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうるウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの保存方法
発明の概要 【課題】 赤潮原因プランクトンであるヘテロシグマを標的とするウイルス、該ウイルスを用いる赤潮防除方法及び赤潮防除剤、該ウイルスの保存方法の提供。
【解決手段】 ヘテロシグマ属の藻類に特異的に感染して増殖しうるウイルス。該ウイルスの単離方法は、該ウイルスに感染しているヘテロシグマ属の藻類を含有する液体試料を濃縮し、得られた濃縮液を培養し、得られた培養液をフィルターで濾過し、得られた濾液をヘテロシグマ属の藻類の培養液に接種して培養し、ヘテロシグマ属の藻類の溶藻が観察された培養液をヘテロシグマ属の藻類の培養液で限界希釈することにより前記ウイルスをクローニングする工程を含む。前記のウイルスを有効成分として含む赤潮防除剤。前記のウイルスを赤潮水域に散布することからなる赤潮防除方法。該ウイルスを含有する液体をジメチルスルホキシドの存在下で凍結させることによる保存方法。
従来技術、競合技術の概要


わが国の海面養殖業は、国内漁業生産額全体の約1/4を占めている。この振興にあっては、とくに養殖漁場の環境保全を図ることが不可欠であり、なかでも深刻な被害を引き起こす赤潮に対しての有効な対策の推進がきわめて重要である。こうした背景のもと、赤潮被害を防除するためのさまざまな方策がこれまでに提案されてきた。しかしながらそれらは、赤潮水域への粘土散布(多孔質の粘土にプランクトンを物理的に吸着させて沈める)や過酸化水素等の薬剤散布(プランクトンを化学的に殺滅する)といった緊急避難的な方策であり、規模・コスト面での問題がある上、自然海域への人為的異物投入による生態系への影響、すなわち安全性が懸念されるためのものであったため、実用化には至らなかった。したがって、赤潮が実際に発生した海域では、養殖魚への餌止めをするとともに、生け簀を清澄な海域に避難させることで急場を凌いでいるのが現状である。このため規模・コスト・安全性の3つの面で実用に適う赤潮防除技術の開発が望まれている。
ごく最近まで本研究の対象生物であるヘテロシグマアカシオによる漁業被害は、他の赤潮原因種(シャットネラ属,ギムノディニウム属など)による漁業被害額がきわめて大きかったため相対的に軽度であると考えられてきた。しかしながら近年、本種による赤潮一件あたりの被害額は増大傾向にあり、1995年以降ではわが国の主要な赤潮被害の約50%がヘテロシグマによる被害となるなど、本プランクトンの今後の挙動が注目されている。また海外では、ニュージーランドのビッググローリー湾の養殖サケに10億円以上の被害を与えるなど、養殖産業に対するヘテロシグマ赤潮の脅威は国際的にも認識されているところである。

産業上の利用分野


本発明は、赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖しうるウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの保存方法に関し、より詳細には、ヘテロシグマ属の藻類に特異的に感染して増殖しうるウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの保存方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルス。

【請求項2】
ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスに感染しているヘテロシグマ属の藻類を含有する液体試料を孔径0.2μm のフィルターで濾過し、得られた濾液をヘテロシグマ属の藻類の培養液に接種して培養し、ヘテロシグマ属の藻類の溶藻が観察された培養液をヘテロシグマ属の藻類の培養液で限界希釈することにより前記ウイルスをクローニングする工程を含む、ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスの単離方法。

【請求項3】
液体試料に紫外線を照射する工程をさらに含む請求項2記載の単離方法。

【請求項4】
ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスを有効成分として含む赤潮防除剤。

【請求項5】
ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスを赤潮水域に散布することからなる赤潮防除方法。

【請求項6】
ヘテロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスの保存方法であって、該ウイルスを含有する液体をジメチルスルホキシドの存在下で凍結させることを特徴とする前記の方法。

【請求項7】
前記ウイルスを含有する液体を、10~20体積%の濃度のジメチルスルホキシドの存在下で、液体窒素中で凍結させる請求項6記載の方法。

【請求項8】
前記ウイルスの懸濁液を用意し、これをヘテロシグマ属の藻類の新鮮な培養液に接種し、溶藻が確認された時点で、培養上清とジメチルスルホキシド含有培地とを混合し、混合液を液体窒素中で凍結させる工程を含む請求項6記載の方法。

【請求項9】
ヘテロシグマ属の藻類の新鮮な培養液にその1/100 ~1/50体積%の量の前記ウイルス懸濁液を接種し、溶藻が確認された時点で、培養上清と20~40体積%の濃度でジメチルスルホキシドを含むSWM3培地とを等量ずつ混合し、混合液を-196℃の液体窒素中で凍結させる工程を含む請求項7または8に記載の方法。

【請求項10】
請求項6の方法によって保存した、テロシグマアカシオに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径202±6nmの正20面体であり、2本鎖DNAを持つウイルスの再生方法であって、凍結した該ウイルス含有液を解凍し、ヘテロシグマ属の藻類の新鮮な培養液に接種することを特徴とする前記の方法。

【請求項11】
ヘテロシグマ属の藻類の新鮮な培養液にその1体積%以下の量の解凍したウイルス含有液を接種する請求項10記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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画像

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出願権利状態 登録


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