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氷核活性細菌およびその使用

国内特許コード P04A004780
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平10-284230
公開番号 特開2000-106868
登録番号 特許第3060010号
出願日 平成10年10月6日(1998.10.6)
公開日 平成12年4月18日(2000.4.18)
登録日 平成12年4月28日(2000.4.28)
発明者
  • 佐藤 守
  • 渡部 賢司
  • 塚田 益裕
出願人
  • 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長
発明の名称 氷核活性細菌およびその使用
発明の概要 本発明は、氷核活性細菌を培養する際の、氷核活性を増強する方法、氷核活性機能をもつ新菌種の同定・分離方法、ならびに氷核活性細菌を用いた新しい利用法に関するものである。クワ等の葉面から分離された優れた氷核活性細菌が氷点下の極近傍で水を容易に凍らせること、これらの氷核活性細菌の懸濁液を生体高分子物質水溶液に加え、これを減圧下で凍結乾燥することで、元の高分子物質と異なる形態の物質を作出することができる。
従来技術、競合技術の概要 水溶液は、溶液中に氷結を起こす核があると0℃以下付近の比較的高温度で凍結する。凍結の核となる氷晶核としては、従来沃化銀(AgI)結晶が知られており、これは-8℃で凍結を開始させる。一方、氷結の核となる物質を含まない水は、1気圧下において0℃では凍ることはなく、純粋な微水滴は-39℃でも凍結しない程である。ところで、農作物の凍霜害を誘起する有害な微生物として氷核活性細菌が知られているが、この細胞の表層には強い氷核があるため水を凍結させてしまうという性質がある。たとえばエルウィニィア(以下Erwiniaと記述する)属またはシュードモナス(以下Pseudomonasと記述する)属由来の細菌のなかには、氷核活性機能をもつものが知られている。このため、近年、氷核活性細菌のもつ優れた氷核活性機能を有効に利活用しようという研究が進められつつある。たとえば、特開昭61-187756号公報には、氷核活性細菌を食品に用いて特殊な組織構造をもつ素材の製造法が開示されている。具体的には、蛋白質および/または多糖類を主要成分とする水分ゾル、ゲルまたはペースト状物質に氷核活性細菌を加えて凍結することで、方向性に優れた繊維状構造を有する食品を製造するというものである。また、氷核細菌は、凍結による食品の保存にも利用することができ、食品を凍結することで食品中の氷を析出させ食品組織を変えたり、貯蔵中の食品を安定化させることができる。たとえば、卵白、分離大豆タンパク質、豆腐に氷核細菌を混ぜ凍結させて凍結組織化するとフレーク状の組織が得られる。一方氷核細菌を用いないとスポンジ状の組織となる。さらに、氷核活性細菌をアルギン酸ナトリウムなどの天然高分子に内包させることで生体に与える害を少しでも取り除こうとする技術が特開平01-266185号公報に開示されている。この方法では、アルギン酸ナトリウム水溶液に氷核活性細菌の懸濁液を加えて混合し、凝固作用のある溶液中に滴下することで氷核活性細菌を内包するマイクロカプセルを製造することができる。
産業上の利用分野 -6℃~0℃の比較的高温度領域で氷核機能を有することが可能な氷核活性細菌、ならびにその使用、特に生体高分子物質からの該氷核活性細菌を利用したゲル状、多孔質等の形態の物質の製造方法
特許請求の範囲 【請求項1】 シュウドモナス・シリンガエSEI-1株、シュウドモナス・シリンガエNi23株、シュウドモナス・シリンガエMei40株、エルウィニィア・アナナスTM2株、およびエルウィニィア・アナナスMei7株、ならびに前記菌株を糖類またはグリセロールの存在下で培養して得られる氷核活性が増強された菌株からなる群から選択される氷核活性細菌。
【請求項2】 氷核機能を有するが死菌であることを特徴とする請求項1に記載の氷核活性細菌。
【請求項3】 紫外線またはガンマ線照射によって死菌とされていることを特徴とする請求項2に記載の氷核活性細菌。
【請求項4】 凍結速度制御物質としての、請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌の使用。
【請求項5】 芯物質として請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を内包する高分子物質よりなる氷核形成物質。
【請求項6】 高分子物質マトリックスに請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を含む膜状、多孔質状、ゲル状、ブロック状または粉末状の物質。
【請求項7】 有用蛋白質を含む水溶液に請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を加え、凍結させ、その後解凍することにより有用蛋白質と水分とを分離させ、該蛋白質を回収することを含む、蛋白質の濃縮・回収方法。
【請求項8】 絹蛋白質、ケラチン、ビニル系重合体、アクリル系重合体、アミド系重合体およびセルロース誘導体からなる群から選択される高分子物質の水溶液に、請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を加え、必要に応じて支持体上に適用し、次いで水分を蒸発させることを含む、膜状、粉末状、多孔質またはブロック状形態をもつ物質の製造方法。
【請求項9】 絹蛋白質、ケラチン、ビニル系重合体、アクリル系重合体、アミド系重合体およびセルロース誘導体からなる群から選択される高分子物質の水溶液に、請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を加え、該高分子物質の水溶液を一旦凍結させた後、減圧下で凍結乾燥することを含む、多孔質または粉末状形態をもつ物質の製造方法。
【請求項10】 絹蛋白質またはケラチンからなる生体高分子物質の水溶液に、請求項1~3のいずれかに記載の氷核活性細菌を加え、凍結させた後、減圧下で乾燥することを含む、多孔質形態の物質の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • その他無機化学
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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