TOP > 国内特許検索 > レイシヒメハマキの性誘引剤

レイシヒメハマキの性誘引剤

国内特許コード P04A004790
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平09-052586
公開番号 特開平10-236902
登録番号 特許第2923763号
出願日 平成9年2月21日(1997.2.21)
公開日 平成10年9月8日(1998.9.8)
登録日 平成11年5月7日(1999.5.7)
発明者
  • 若村 定男
  • 新垣 則雄
  • 安田 哲也
  • 川崎 建次郎
出願人
  • 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長
発明の名称 レイシヒメハマキの性誘引剤
発明の概要 本発明は、(E)-8-ドデセニル・アセタート又は(E)-8-テトラデセニル・アセタートの一方または両者を活性成分として含有することを特徴とするレイシヒメハマキの性誘引剤である。本発明の活性物質である上記2化合物は、それぞれ単独でレイシヒメハマキ雄成虫に対し強い性誘引活性を示し、両物質を併用するとさらにその性誘引活性が増強される。これらの活性物質をレイシヒメハマキの防除もしくは発生消長調査に用いるには、そのまま使用するか、ヘキサンなどの有機溶媒に溶かして所望濃度の溶液とし、これを適当な担体、例えば、ポリエチレンなどのプラスチック材やゴム材などに吸着させたものとするか、あるいはプラスチック製のカプセルや細管に封入するなどの方法によって、徐々に空気中に放出させる徐放性の製剤として使用することも可能である。
従来技術、競合技術の概要 レイシヒメハマキは、鱗翅目ハマキガ科に属する昆虫で、レイシなどの作物を食害する農作物害虫である。害虫の防除はこれまで主に殺虫剤散布によって実施されてきたが、殺虫剤散布による人体や生活環境等への影響が危惧され、あるいは殺虫剤の使用が規制されるようになってきていることから、近年、殺虫剤に依存した従来の害虫防除体系からの脱却をめざして、行動制御物質や天敵を利用した人体及び生活環境への影響の少ない防除法の開発が必要になっている。このような要請から、最近多くの害虫について、その性フェロモンの化学構造が明らかにされ、誘引性の性フェロモンを用いて害虫の発生消長調査が能率的に行えるようになってきている。さらに、この性誘引物質を用いて、大量の雄成虫(若しくは雌成虫)を捕獲したり、雌雄の配偶行動を撹乱したりすることによって害虫を防除する方法が開発されつつある。本発明者らは、長年性フェロモンに関する研究を行ってきているが、新たにレイシヒメハマキの性フェロモンの研究を行った結果、レイシヒメハマキの雌成虫から雄に対する誘引性を有する物質を単離し、さらにこの物質を別途化学合成した化合物がレイシヒメハマキ雄成虫に対し顕著な誘引作用を示すことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明は、(E)-8-ドデセニル・アセタート又は(E)-8-テトラデセニル・アセタートの一方または両者を活性成分として含有することを特徴とするレイシヒメハマキの性誘引剤を提供するものである。以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の活性物質である(E)-8-ドデセニル・アセタート及び(E)-8-テトラデセニル・アセタートはそれぞれ単独でレイシヒメハマキ雄成虫に対し強い性誘引活性を示し、両物質を併用するとさらにその性誘引活性が増強されることが認められた。これらの活性物質をレイシヒメハマキの防除もしくは発生消長調査に用いるには、そのまま使用するか、または従来公知の適用手段を用いることができ、例えば、活性物質をヘキサンなどの有機溶媒に溶かして所望濃度の溶液とし、これを適当な担体、例えば、ポリエチレンなどのプラスチック材やゴム材などに吸着させたものとするか、あるいはプラスチック製のカプセルや細管に封入するなどの方法によって、徐々に空気中に放出させる徐放性の製剤として使用することも可能である。(1)活性物質の単離および同定活性物質の追跡は、活性物質を感知したとき雄触角に発生する生物電位を測定するための触角電位検出器を装着したガスクロマトグラフィー(GC-EAD)を用いた検定法によって行った。沖縄県において採取した幼虫にレイシ葉を与えて飼育し、羽化させて成虫を得た。羽化した成虫から雌成虫計170頭を選別し、その腹部末端節付近の性フェロモン分泌腺を切取りヘキサンによって5~30分間抽出した。抽出液中の固形物を分離したヘキサン抽出液を、フロリジルを充填したカラムクロマトグラフィーにより分離した。各種割合(5%、15%、50%)で配合したエーテル/ヘキサン混合溶媒を用いて溶出し、このうち5%-エーテル/ヘキサン画分を上記触角電位検出器装着ガスクロマトグラフィーを用いて分析したところ、その画分にレイシヒメハマキ雄成虫の触角に明確な電位を発生させる成分が2成分含有していることが認められた。同画分をガスクロマトグラフィー直結型質量分析計(GC-MS)を用いて分析したところ、2種の活性物質は質量スペクトルの結果からそれぞれ炭素原子数12個(活性物質(1))と炭素原子数14個(活性物質(2))を有する不飽和脂肪族アルコールの酢酸エステルであることが示された。両活性物質の質量スペクトルをそれぞれ図1及び図2に示す。上記不飽和脂肪族アルコール中の二重結合の位置を決定するため、両活性物質をジメチル ジスルフィド(DMDS)付加物に誘導し、GC-MS分析を行った。その結果、活性物質(1)に対応する付加物の質量スペクトルには m/z 217(〔CH3COO(CH2)CHSCH3+)とm/z 103 (〔CH3SCH(CH2)2CH3+)とに、また活性物質(2)に対応する付加物の質量スペクトルには、m/z 217 と m/z 131 (〔CH3SCH(CH2)4CH3+)とに特徴的なイオンピークがそれぞれ観測された。従って、活性物質(1)及び活性物質(2)の化学構造中の二重結合の位置はともに8位と決定された。そこで、別途常法により化学合成した8-ドデセニル・アセタートと8-テトラデセニル・アセタートの幾何異性体をそれぞれガスクロマトグラフ分析により天然物と対比したところ、両活性物質の保持時間はそれぞれ化学合成化合物の(E)-異性体と一致した。また、その質量スペクトルはそれぞれ化学合成化合物のものと完全に一致することも確認した。天然抽出物及び化学合成化合物についての上記測定結果から、活性物質(1)は(E)-8-ドデセニル・アセタートと、また活性物質(2)は(E)-8-テトラデセニル・アセタートとそれぞれ同定された。(2)活性物質の誘引活性試験レイシヒメハマキ雄成虫に対する誘引活性試験は、上記化学合成化合物を用いて沖縄県の現地圃場で行なったものである。化学合成化合物の所定量を、一端に直径6mm深さ8mmのくぼみを有する直径10mm高さ19mmのゴム片(ゴムキャップ)に含ませたものを誘引源とした粘着板を昆虫捕獲器に取りつけ、この捕獲器をレイシ栽培圃場につり下げ、粘着板に捕獲された雄成虫の数を調査した。その結果を表1に示す。【表1】表1の結果から明らかなように、(E)-8-ドデセニル・アセタート及び(E)-8-テトラデセニル・アセタートにはそれぞれ単独で雄レイシヒメハマキ成虫に対する誘引活性を有し、かつ両化合物を併用することによって誘引活性が著しく増強することが認められた。
産業上の利用分野 鱗翅目ハマキガ科に属するレイシヒメハマキの防除、あるいはその発生消長調査に有用な性誘引剤
特許請求の範囲 【請求項1】 (E)-8-ドデセニル・アセタート又は(E)-8-テトラデセニル・アセタートの一方または両者を活性成分として含有することを特徴とするレイシヒメハマキの性誘引剤。
産業区分
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

08336_02SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close