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DNAの精製方法

国内特許コード P04A004798
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平10-193244
公開番号 特開2000-023668
登録番号 特許第2981548号
出願日 平成10年7月8日(1998.7.8)
公開日 平成12年1月25日(2000.1.25)
登録日 平成11年9月24日(1999.9.24)
発明者
  • 大原 一郎
  • 小林 敬典
  • 中山 一郎
  • 奥 宏海
  • 岡内 正典
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 DNAの精製方法
発明の概要 【解決手段】 ムコ多糖類が混在するDNA溶液から、DNAとムコ多糖類の吸着性の差異を利用してDNAを精製する方法において、吸着性物質としてヒドロキシアパタイトを用いることを特徴とする、DNAの精製方法。
【効果】 本発明によれば、ムコ多糖類が混在するDNA溶液からムコ多糖類を除去して高純度のDNAを大量に、しかも複数検体から同時に精製する簡便な方法が提供される。本発明方法によれば、ムコ多糖類を含有する生物試料1g(湿重量)からサザンブロッティング等の遺伝子分析に供するに十分な量である10μg以上の精製DNAを得ることができる。
従来技術、競合技術の概要



近年、水産生物の遺伝的系統や品種を調べたり、種苗の遺伝的多様性を検査して近交弱性の危険を予防するなど対象生物の遺伝的特性を評価する必要性が高まっている。DNAをかかる遺伝子解析に供するためには、対象生物の個体、器官、組織、または培養細胞からのDNAが、高分子量を維持したままで、しかも酵素反応の基質となりうる純度にまで精製されていなければならない。殊に、PCRやサザンブロッティングなどの高感度遺伝子検出法を用いる最近の研究では、その対象のDNAが高純度に精製されていることが前提となる。

これまで生物試料からDNAを精製するには、一般的には、細断した生物個体、器官、組織、あるいは培養細胞をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等で溶解し、蛋白質分解酵素を加えてインキュベートして蛋白質を分解し、その後フェノール抽出またはヨウ化ナトリウム処理、または塩析法による蛋白質の沈殿除去を行なった後、エタノールまたはイソプロパノールを加えてDNA画分を沈殿させることにより行われている。

ところが、貝類や藻類などのムコ多糖類を多量に含有する生物試料では、上記の手法にてDNAを精製してもムコ多糖類が除去されずに残ってしまう。ムコ多糖類がDNA試料中に混在すると、制限酵素によるDNAの切断反応や耐熱性DNAポリメラーゼ等の酵素反応が阻害され、その結果、PCRを利用した技術やサザンブロッティング、マイクロサテライトDNAフィンガープリント法等への応用が出来ないなど問題が生じる。

これまでムコ多糖類のDNA溶液からの除去には、一般的にはセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)処理、ボロン修飾ビーズによる処理等がなされており、生物種によっては良好な結果を得ているが、貝類の一部や藻類など多量にムコ多糖類を含む生物試料からのDNAの精製には有効ではない場合が多い。また、DNA試料を精製する他の方法として、市販のスピンカラム等が用いられている。これは、DNAのリン酸基の負電荷を利用してシリカやDEAE等の担体にDNAを一時吸着させ、不純物を緩衝液で洗い流し、その後pHや塩強度を変えてDNAを担体から溶出させて得るのであるが、ムコ多糖類の多くは負電荷を持っているためDNAと同じ挙動を示し除去することはできない。

一方、ヒドロキシアパタイトを用いてDNAを精製することに関し、既にいくつかの報告があるが [Wu, R. Jay, E. and Roychoudhury, R. (1976), MethodsCancer Res. 12:87-176、Wilkie N.M.and Cortini R. (1976), Journal of Virology 20:211-221]、それらはアガロースゲル電気泳動で分離したDNAの精製を目的としたものであり、ゲル電気泳動やエレクトロエリューションとの組合せで用いられていて、多検体の同時精製処理には適さない。したがって、かかる方法では、生物試料1g当たりから10μg以上の精製DNAを複数検体から同時に得ることは至難である。

また別の方法として、DNAをアガロースゲル電気泳動して、アガロースゲル電気泳動途中でDEAEメンブレンなどの陽電荷膜に吸着させることによりムコ多糖類を除く方法もあるが [Sambrook,J., Fristsch, E.F. and Maniatis, T. (1989), Molecular Cloning, a laboratory manual, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 6:24-27] 、かかる方法もまた、15キロベース以上の長いDNAでは極めて収率が悪く、生物試料1g当たりから10μg以上の精製DNAを複数検体から同時に得ることは至難である。

産業上の利用分野



本発明は、ムコ多糖類が混在するDNA溶液からDNAを精製する方法に関する。特に、本発明は、アコヤガイ等の貝類や多くの藻類などムコ多糖類を大量に含有する生物試料から抽出したDNA溶液に混在するムコ多糖類を除去し、高純度のDNAを大量に精製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ムコ多糖類が混在するDNA溶液から、DNAとムコ多糖類の吸着性の差異を利用してDNAを精製する方法において、吸着性物質としてヒドロキシアパタイトを用いることを特徴とする、DNAの精製方法。

【請求項2】
DNA溶液が、生物試料を尿素を含有する緩衝液にて抽出したものであることを特徴とする、請求項1記載のDNAの精製方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 登録


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