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改変デキストランスクラーゼ、その遺伝子組み換え体、グルカンの製造法

国内特許コード P04A004805
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願2001-307067
公開番号 特開2003-111590
登録番号 特許第3709435号
出願日 平成13年10月3日(2001.10.3)
公開日 平成15年4月15日(2003.4.15)
登録日 平成17年8月19日(2005.8.19)
発明者
  • 舟根 和美
  • 小林 幹彦
  • 北村 義明
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 改変デキストランスクラーゼ、その遺伝子組み換え体、グルカンの製造法
発明の概要 デキストランスクラーゼやグルコシルトランスフェラーゼについて、従来注目されていなかった重要な酵素の活性中心部位を探索し、これらの部位を異なる酵素同士で交換して改変酵素を開発すると共に、当該酵素を用いることによって構造を大きく変化させたグルカンを生産する方法を確立すること。デキストランスクラーゼの活性中心領域の一部を、異種のデキストランスクラーゼの活性中心領域と交換してなる改変デキストランスクラーゼ、当該改変デキストランスクラーゼをコードする遺伝子を挿入したベクターと当該ベクターで形質転換された遺伝子組み換え体並びに改変デキストランスクラーゼを基質に作用させることを特徴とするグルカンの製造法。
従来技術、競合技術の概要



グルカンは、デンプンやセルロース等のD-グルコースを構成単位とする多糖(デキストラン等)の総称であり、微生物や植物の細胞壁の主要構成成分として知られているものもある。

様々な構造を有するグルカンを生産するために、これまでは異なった構造のグルカンを生産する菌をスクリーニングし、それらの菌株を培養してグルカンの発酵生産を行う方法が採用されている。

また、ロイコノストック(Leuconostoc)属菌のデキストラン生産性向上を目的としてニトロソグアニン等を用いた変異処理も試みられている。さらには、ロイコノストック属菌やストレプトコッカス(Streptococcus)属菌によって産生されるデキストランスクラーゼ[EC 2.4.1.5](以下、DSと略記することがある。)あるいはグルコシルトランスフェラーゼ[EC 2.4.1.125](以下、GTFと略記することがある。)をコードする遺伝子を大腸菌に導入して、該酵素を生産させ、この酵素を用いてデキストランを生産することは研究室レベルで行われている。





DSは、前記の微生物等により生産される分子量16万前後の酵素で、基質であるスクロースを分解する反応を触媒し、フルクトースを遊離すると同時にグルコース部分を多糖またはオリゴ糖に転移して、α-1→6結合を主体とする高分子の水溶性α-D-グルカンであるデキストランを合成する酵素である。

また、ロイコノストック属菌由来のグルカン合成酵素には、水溶性のグルカンを合成する酵素の他に、α-1→3結合を主体とする非水溶性のグルカンを合成する酵素が存在し、いずれもGTFと呼ばれている。複数のGTFの作用で、固着性の強いムタンと呼ばれるグルカンを形成する。

本来のデキストランとは異なる構造を有するデキストランを得るには、これまでは目的の構造を有するデキストランを生産する菌株を、スクリーニングにより探し出すこと以外には有効な方法がなく、膨大な時間と労力を必要としていた。





DSやGTFによって生産されるグルカンの構造を変化させるために、これらの酵素をコードする遺伝子に、3’-末端のグルカン結合領域のデレーション処理を行い、該結合領域を異なる酵素同士で交換する、部位特異的変異法を用いて特定のアミノ酸残基を別のアミノ酸に置き換える等の処理を行い、変異酵素を作製することが行われている。

ここで、グルカン結合領域とは、カルボキシ末端の繰り返し構造を持った領域を言い、これをデレーション処理することによって、カルボキシ末端が短くなった酵素が生産されるのである。





しかし、上記した3’-末端のグルカン結合領域のデレーション処理や異なる酵素間での同領域の交換等の従来の方法では、生産するグルカンの構造をほとんど変えることはできなかった。これは、グルカン結合領域の役割が、単純にグルカンと結合するのみで、酵素反応自体には関与していないことが明らかとなったことからも裏付けられている。

また、部位特異的変異法では、生産するグルカンの構造をある程度変えることが可能であるが、構造を大きく変化させることは未だ成功していない。そのため、酵素の転移反応様式を決める部位が特定されておらず、生産物の構造制御を行うことは困難である。

産業上の利用分野



本発明は、改変デキストランスクラーゼ、その遺伝子組み換え体およびグルカンの製造法に関し、詳しくはロイコノストック・メセンテロイデスのデキストランスクラーゼの活性中心領域の一部を、同菌の異種のデキストランスクラーゼの活性中心領域と交換してなる改変デキストランスクラーゼ、その遺伝子組み換え体およびグルカンの製造法に関する。

本発明の改変デキストランスクラーゼを用いて製造されるグルカンは、α-1,3結合、α-1,4結合およびα-1,6結合の割合が、本来のものとは異なるという特性を有している。

特許請求の範囲 【請求項1】
ロイコノストック・メセンテロイデスのデキストランスクラーゼのスクロース・デキストラン結合リシン部位を、同菌の異種のデキストランスクラーゼのスクロース・デキストラン結合リシン部位と交換してなる改変デキストランスクラーゼ。

【請求項2】
ロイコノストック・メセンテロイデスのデキストランスクラーゼのムタン結合部位を、同菌の異種のデキストランスクラーゼのムタン結合部位と交換してなる改変デキストランスクラーゼ。

【請求項3】
ロイコノストック・メセンテロイデスのデキストランスクラーゼのデキストラン結合リシン部位を、同菌の異種のデキストランスクラーゼのデキストラン結合リシン部位と交換してなる改変デキストランスクラーゼ。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかの改変デキストランスクラーゼをコードする遺伝子を挿入したベクター。

【請求項5】
請求項のベクターで形質転換された遺伝子組み換え体。

【請求項6】
請求項1~3のいずれかの改変デキストランスクラーゼを基質に作用させることを特徴とするグルカンの製造法。

【請求項7】
請求項記載の遺伝子組み換え体が生産する改変デキストランスクラーゼを基質に作用させることを特徴とするグルカンの製造法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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13331_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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