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畜舎汚水の前処理方法及び浄化装置

国内特許コード P04A004862
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平11-369753
公開番号 特開2001-179291
登録番号 特許第3376413号
出願日 平成11年12月27日(1999.12.27)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
登録日 平成14年12月6日(2002.12.6)
発明者
  • 鈴木 一好
  • 田中 康男
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 畜舎汚水の前処理方法及び浄化装置
発明の概要 畜舎汚水の嫌気性処理あるいは好気性処理において、処理液の一部を曝気し、これを畜舎汚水と混合することにより、畜舎汚水中の溶解性リンを不溶化させて除去することができる。なお、嫌気性処理あるいは好気性処理の処理液は、処理が良好に行われている場合、曝気を行っても悪臭の発生はほとんどない。畜舎汚水はもともと溶解性リンの不溶化に必要なマグネシウム、カルシウムを必要量含んでおり、前処理装置における処理の際に上記マグネシウムやカルシウムを試薬などとして添加する必要がない。嫌気性処理あるいは好気性処理の処理液は曝気処理することにより水中の炭酸が追い出され、pHが上昇する。畜舎汚水は高pHの曝気処理水と混合されることによりpHが上昇し、さらに周囲に十分な量のマグネシウム及びカルシウムが存在するため、畜舎汚水中に含まれる可溶性のリン酸イオンは、リン酸マグネシウムアンモニウムやリン酸カルシウムなどの不溶性のリン酸塩となり、沈澱除去できる。
従来技術、競合技術の概要 近年、畜産経営の大規模化、専業化が全国的に進行しているが、経営内農地の拡大を伴わないケースが多い。このため家畜排泄物が集中・偏在化する傾向が強く、また、関係法令が整備されたこともあり、家畜排泄物の適正な処理が強く求められている。家畜排泄物を含有する畜舎汚水については、これまでに、嫌気性処理技術、好気性処理技術を利用したいくつかのタイプの浄化装置が用いられている。しかし、嫌気性処理技術では、畜舎汚水中の有機物の除去は十分に行われるが、窒素・リンの除去は不十分であることが知られている。また、好気性処理技術のうち標準活性汚泥法では畜舎汚水中の有機物の除去は十分に行われるが、窒素・リンの除去は不十分であること、間欠曝気活性汚泥法では畜舎汚水中の有機物及び窒素の除去は十分に行われるが、リンについては余剰汚泥を貯留する際に嫌気化すると汚泥中に蓄積されたリンが再放出され、処理が不安定になることなどが知られている。このように畜舎汚水中のリンの除去については、確固たる技術がなく、その開発が急務とされていた。一方、畜舎汚水を嫌気性処理した場合、処理装置内外に多量のスケールが付着することが知られており、このスケールの主成分がMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)であることが報告されている。そこで発明者らが畜舎汚水の一種である豚舎汚水(3ケ所の養豚事業所から採取)を分析してみたところ表1のような結果を得た。【表1】豚舎汚水の分析結果 事業所により多少の違いはあるものの、ここに示したように畜舎汚水は高濃度のリン酸イオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンを含むことが明らかになった。これは家畜に与えられる飼料中に高濃度のリン、窒素、マグネシウム、カルシウムが入っており、この飼料を摂食した家畜のふん尿中には吸収しきれなかったこれらの成分がリン酸イオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等の形で含まれることに起因すると考えられる。このような畜舎汚水をそのまま嫌気性処理装置あるいは好気性処理装置に導入すれば、MAP、リン酸カルシウム等の不溶性リン酸塩を主成分とするスケールが処理装置内あるは周辺の配管系に付着しトラブルの原因となることが予測される。そのため畜舎汚水を嫌気性処理あるいは好気性処理する場合、嫌気性処理あるいは好気性処理の後にリン除去を行うよりも、嫌気性処理あるいは好気性処理の前に前処理としてリンの除去を行った方が、配管系の閉塞などといったスケールによるトラブル対策といった観点から良いと考えられる。ここでリン除去技術として、下水・し尿処理の分野では、下水・し尿の嫌気性処理あるいはそれらの汚泥処理の際に発生する排液を対象にして、人為的に可溶性リンを不溶性にする技術としてMAP法が提唱されている。これは脱離液に水酸化ナトリウム等のpH調整剤とマグネシウムを添加した後に混合しMAP反応を引き起こし、可溶性リンを不溶化して除去する技術である。MAP反応とは、水中にリン酸イオン、アンモニウムイオン、マグネシウムイオンが存在すると、アルカリ条件下にてそれぞれが等モルずつ結合し、不溶性のMAPを形成する反応である。MAPは沈降性に優れ、容易に沈降分離することができる。しかし、この技術はpH調整剤及びマグネシウムといった試薬を添加しなければならず、その制御を含めた運転が煩雑になる上、試薬費を含めた運転費が割高になるといった問題点があった。この問題点を一部解決したリン除去技術として、脱離液を曝気することによりpH調整を行い、添加試薬をマグネシウムだけにした方法がある。この方法によると汚水を曝気すると汚水中に溶け込んでいた炭酸が追い出され、その結果汚水等のpHが上昇することを利用し、pH調整剤の添加を不用にしたものである。
産業上の利用分野 畜舎汚水の浄化、特に畜舎汚水の前処理方法、及びこの前処理方法を実施するための浄化装置
特許請求の範囲 【請求項1】 畜舎汚水の嫌気性処理において、嫌気性処理の処理液の一部を曝気したのちに畜舎汚水と混合することにより畜舎汚水中の溶解性リンを不溶化させて除去することを特徴とする畜舎汚水の前処理方法。
【請求項2】 畜舎汚水の好気性処理において、好気性処理の処理液の一部を曝気したのちに畜舎汚水と混合することにより畜舎汚水中の溶解性リンを不溶化させて除去することを特徴とする畜舎汚水の前処理方法。
【請求項3】 畜舎汚水の嫌気性処理を行う装置において、畜舎汚水(1)を前処理する前処理装置(2)と、この前処理装置(2)で前処理を行った畜舎汚水(3)を嫌気性処理する嫌気性処理装置(4)と、該嫌気性処理装置(4)で処理した処理液(5)の一部を曝気する曝気装置(6)とを備え、前記曝気装置(6)で曝気した嫌気性処理の処理水(7)を前記前処理装置(2)に還流して畜舎汚水(1)と混合することにより畜舎汚水中の溶解性リンを不溶化させて除去(8)することを特徴とする畜舎汚水の浄化装置。
【請求項4】 畜舎汚水の好気性処理を行う装置において、畜舎汚水(1)を前処理する前処理装置(2)と、この前処理装置(2)で前処理を行った畜舎汚水(3)を好気性処理する好気性処理装置(9)と、該好気性処理装置(9)で処理した処理液(10)の一部を曝気する曝気装置(11)とを備え、前記曝気装置(11)で曝気した好気性処理の処理水(12)を前記前処理装置(2)に還流して畜舎汚水(1)と混合することにより畜舎汚水中の溶解性リンを不溶化させて除去(8)することを特徴とする畜舎汚水の浄化装置。
産業区分
  • 衛生設備
  • 処理操作
  • 微生物工業
  • 廃水処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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08406_07SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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