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改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品の製造方法とその製品

国内特許コード P04A004953
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願平08-289184
公開番号 特開平10-121374
登録番号 特許第2855189号
出願日 平成8年10月11日(1996.10.11)
公開日 平成10年5月12日(1998.5.12)
登録日 平成10年11月27日(1998.11.27)
発明者
  • 塚田 益裕
  • 馬場 洋子
出願人
  • 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長
発明の名称 改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品の製造方法とその製品
発明の概要 蛋白質繊維や蛋白質繊維製品に対し、長鎖脂肪族炭化水素基を有するカルボン酸塩化物を、有機溶媒中において塩基の存在下で反応させるときには、60℃以下の低温度において円滑にアシル化反応が進行し、その蛋白質繊維及び蛋白質繊維製品には、蛋白質繊維が本来有する有利な特性を損なうことなく、良好な撥水性及び耐摩耗性が付与されることを見出した。すなわち、蛋白質繊維又は蛋白質繊維製品に対してCH3(CH2)nCOCl(式中、nは10~16の偶数を示す)の一般式で表される長鎖アシル化剤を塩基の存在下、60℃以下の温度反応させることを特徴とする撥水性及び耐摩耗性を有する改質蛋白質繊維及び改質蛋白質製品の製造方法である。
従来技術、競合技術の概要 天然の蛋白質繊維である羊毛、モヘア等の獣毛繊維あるいは絹繊維は、優れた染色性、吸・放湿性、風合(手触り)を持ち、合成繊維には見られない特性を有している。羊毛や絹糸等の蛋白質繊維は、水に対する親和性が高く、親水性を示すため、和服を始めとするフォーマル用の衣料素材に用いた時には泥水や水溶性の汚物が素材表面に一旦付着すると通常の洗濯のみではこれを除去することが甚だ困難となる。蛋白質繊維の表面を化学反応で改質することにより恒久的な撥水機能が付与できれば、和装、洋装の分野で材料が利活用できるようになるものと期待できる。また、蛋白質繊維表面を化学的に改質して各種の産業用資材としての利用をはかるための有効な指針が得られるはずである。絹あるいは羊毛等の蛋白質繊維本体は、ミクロフィブリルを基本とするフィブリル構造を持つため、物理的な力が加わり、繊維表面が過度な摩耗を受けるとフィブリルが剥離して繊維機能や商品価値が著しく低下する。羊毛のような獣毛繊維はクリンプ形状、弾性、吸湿性、染色性等の性能面で優れた性質を有する反面、材料表面にはスケールと呼ばれる緻密なウロコ状の構造が発達しており、この構造が加工薬品の侵入をはばむので通常の方法で獣毛表面の撥水性、親水性を化学修飾加工で制御することは困難である。そこで、比較的簡易な化学修飾加工により蛋白質繊維及び蛋白質繊維製品の親水性・撥水性の程度、あるいは耐摩耗性の程度が制御できる技術開発の出現が強く望まれてきた。一方、絹あるいは羊毛等の蛋白質繊維にグラフト加工を施すことで繊維が本来持つ特性に加えて新しい機能特性を付与しようとする技術開発が進んでいるが、従来のグラフト加工法においては、加工効果を発現させるべくグラフト加工率を増加させても撥水機能、耐摩耗性等の実用性能を蛋白質繊維及び蛋白質繊維製品に付与することが著しく困難であった。すなわち、グラフト重合反応が進み、グラフト加工率が増すと、絹糸等の天然蛋白質繊維の撥水性、耐摩耗性等の機能特性が低下し、かつ、繊維の機械的性質と直接的な関係を持つ繊維の微細構造(分子配向度、結晶化度等)が破壊する等の悪影響の出る問題が指摘されている。そこでグラフト加工や化学修飾加工処理後も、蛋白質繊維の風合いが失われず、しかも微細構造の破壊程度が軽微な加工技術の開発が望まれている。特公昭47-6076号公報では、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で絹織物や絹糸を塩化ラウロイルにより65℃で処理してアシル化反応を進め絹織物の防皺性を向上させる方法が開示されている。しかし、この従来の技術では、カルボン酸塩化物の炭素数が10個以上となると加工効率が低下し、防しわ性を向上させることが困難となる等の問題があった。
産業上の利用分野 撥水性及び耐摩耗性を有する改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品の製造方法と、その方法によって得られる撥水性及び耐摩耗性を有する改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品
特許請求の範囲 【請求項1】 蛋白質繊維又は蛋白質繊維製品に対して、下記一般式(1) CH3(CH2)nCOCl (1)(式中、nは10~16の偶数を示す)で表される長鎖アシル化剤を塩基の存在下、60℃以下の温度で反応させることを特徴とする撥水性及び耐摩耗性を有する改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品の製造方法。
【請求項2】 該反応を蛋白質繊維を膨潤化させる極性有機溶媒中で行う請求項1の方法。
【請求項3】 該塩基がピリジンである請求項1又は2の方法。
【請求項4】 蛋白質繊維に対し、該繊維中に含まれる遊離アミノ基及び/又は水酸基を介して、下記一般式(2) CH3(CH2)nCO- (2)(式中、nは10~16の偶数を示す)で表される長鎖アシル基を導入してなる撥水性及び耐摩耗性を有する改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品。
【請求項5】 該長鎖アシル基の導入割合が、該蛋白質繊維に対して少なくとも1重量%である請求項4の改質蛋白質繊維及び改質蛋白質繊維製品。
産業区分
  • その他繊維
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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