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可視および近赤外領域のスペクトル情報による哺乳動物の血漿成分の迅速測定法

国内特許コード P04A004957
掲載日 2004年12月7日
出願番号 特願2000-364327
公開番号 特開2002-168775
登録番号 特許第3407006号
出願日 平成12年11月30日(2000.11.30)
公開日 平成14年6月14日(2002.6.14)
登録日 平成15年3月14日(2003.3.14)
発明者
  • 林 孝
  • 甘利 雅拡
  • 寺田 文典
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 可視および近赤外領域のスペクトル情報による哺乳動物の血漿成分の迅速測定法
発明の概要 哺乳動物の血漿成分を測定するにあたり、哺乳動物の血液から血漿を分離し、分離した血漿について、近赤外分光光度計を用いて、波長400-2500nmの可視および近赤外領域の吸光度を測定し、その吸光度の一次差分および二次差分を計算し、これを独立変数とし、当該独立変数の中から説明力の高い独立変数をそれぞれ2-10個選抜し、当該説明力の高い独立変数の情報から、血漿中の中性脂肪濃度、無機リン濃度、カリウム濃度、乳酸脱水素酵素活性およびアルブミングロブリン比をそれぞれ予測し、その予測値に基づき測定を実現することを特徴とする、可視および近赤外領域のスペクトル情報による哺乳動物の血漿成分の迅速測定法。
従来技術、競合技術の概要


哺乳動物の血液は、おおよそ60%の血漿と赤血球等から構成され、臨床生化学成分の多くは血漿中に分布している。臨床生化学成分は、カリウム等の無機物、蛋白等の有機物、乳酸脱水素酵素等の酵素活性である。本発明は、このような臨床生化学成分のうち、血漿中の中性脂肪濃度、無機リン濃度、カリウム濃度、乳酸脱水素酵素活性およびグロブリン比を測定する方法に関するものである。血漿中の臨床生化学成分のうち、総蛋白、アルブミン、尿素態窒素、アルブミングロブリン比は、動物の蛋白摂取水準の指標として知られている。これまで、これらの血漿成分を測定するには、屈折計、ケルダール分析法、電気泳動法を用いる方法により分析が行われていた。また、Janatsch et al. (1989)は、近赤外スペクトルではなく、フーリエ変換した赤外スペクトル情報から、ヒト血漿中の総蛋白、グルコース、中性脂肪、総コレステロール、尿素、尿酸の測定が可能であるとした。その後、Holl and Pollard (1993)は、ヒト血清の総蛋白、アルブミン、グロブリンおよび尿素について、近赤外スペクトル情報を利用し、測定することが可能であるとしている。中性脂肪、リン脂質、遊離コレステロールおよび総コレステロールは、長期的なエネルギー出納を示す指標であるとされている。これらの成分のうち、中性脂肪およびコレステロール等は、従来、酵素法等により分析が行われてきた。また、Hayashi et al (1998)は、牛血漿中のリン脂質、遊離コレステロール、総コレステロールについて、近赤外スペクトル情報を利用し、測定することが可能であるとしている。血漿中のグルコースについては、糖尿病患者の血糖値制御が重要であり、多くの需要が見込まれることから、近赤外スペクトル情報を利用した無侵襲血糖測定システムの開発が試みられている。Burmeister and Arnold (1999)は、頬、唇等の近赤外の透過スペクトルを解析し、血中グルコースの測定を試みた。また、Heise et al. (2000)は、皮膚表面に近赤外光を照射し、その反射光を解析し、血中グルコース濃度を個人毎に検量線を設定し、推定しようとした。さらに、無機物であるリンは、比色法により計測可能であるが、この方法は分析試薬を消費し、重金属を排出する手法が採用されている。また、カリウムは酵素電極法等により測定されているが、酵素電極法は精度管理が難しいという問題がある。次に、乳酸脱水素酵素は、あらゆる組織に分布し、細胞の可溶性部分に存在する。乳酸脱水素酵素活性が増加するのは、いずれかの臓器で組織が損傷し、溶出していることを示す。この酵素活性測定は高価な試薬を用いて測定を行う必要がある。これらの臨床生化学成分は、それぞれの動物種について正常値あるいは推奨値が策定され、ヒトの生活習慣病の指標として広く知られ、また代謝疾患に関わる情報としても重要視されている。哺乳動物の血漿を臨床生化学的に分析するには、主に、上に述べた比色法、酵素法、酵素電極法等の公知の分析手法を応用した自動分析機等により分析を行っていた。

産業上の利用分野


可視および近赤外領域のスペクトル情報による哺乳動物の血漿成分の迅速測定法に関し、哺乳動物の血漿の成分について、特に複数の臨床生化学測定項目について、試薬を用いず、しかも廃棄物を排出することなく、かつ迅速に測定する方法

特許請求の範囲 【請求項1】
哺乳動物の血漿成分を測定するにあたり、哺乳動物の血液から血漿を分離し、分離した血漿について、近赤外分光光度計を用いて、波長400-2500nmの可視および近赤外領域の吸光度を測定し、該吸光度の一次差分および二次差分を計算し、これら可視および近赤外領域の吸光度、吸光度の一次差分および二次差分を独立変数とし、当該独立変数の中から説明力の高い独立変数をそれぞれ2-10個選抜し、当該説明力の高い独立変数の情報から、血漿中の中性脂肪濃度、無機リン濃度、カリウム濃度、乳酸脱水素酵素活性およびアルブミングロブリン比をそれぞれ予測し、該予測値に基づき測定を実現することを特徴とする、可視および近赤外領域のスペクトル情報による哺乳動物の血漿成分の迅速測定法。

【請求項2】
哺乳動物の血漿中の中性脂肪濃度を測定するにあたり、試薬を用いずに、近赤外分光光度計を用いて、2444nmの±4nmまでの吸光度、および656nm、724nm、756nm、796nm、882nm、1040nm、1972nm、2270nm、2354nmのそれぞれの±4nmまでの一次差分の中から選ばれた2-10個の情報を利用して中性脂肪濃度を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項3】
哺乳動物の血漿中の無機リン濃度を測定するにあたり、試薬を用いずに、近赤外分光光度計を用いて、1992nmの±4nmまでの吸光度、および514nm、576nm、770nm、1132nm、1178nm、1234nm、1250nm、2008nm、2384nmのそれぞれの±4nmまでの一次差分の中から選ばれた2-10個の情報を利用して無機リン濃度を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項4】
哺乳動物の血漿中のカリウム濃度を測定するにあたり、試薬を用いずに、近赤外分光光度計を用いて、2416nmの±4nmまでの吸光度、および428nm、690nm、1228nm、1380nm、1382nm、1952nm、2260nm、2340nm、2396nmのそれぞれの±4nmまでの一次差分の中から選ばれた2-10個の情報を利用してカリウム濃度を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項5】
哺乳動物の血漿中の乳酸脱水素酵素活性を測定するにあたり、試薬を用いずに、近赤外分光光度計を用いて、1450nm、1918nmのそれぞれ±4nmまでの吸光度、および412nm、506nm、516nm、646nm、1976nm、1990nm、2040nm、2378nmのそれぞれの±4nmまでの一次差分の中から選ばれた2-10個の情報を利用して乳酸脱水素酵素活性を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。

【請求項6】
哺乳動物の血漿中のアルブミングロブリン比を測定するにあたり、試薬を用いずに、近赤外分光光度計を用いて、604nm、1726nm、1858nm、2192nm、2194nm、2218nm、2220nm、2222nm、2224nm、2248nmのそれぞれの±4nmまでの一次差分の中から選ばれた2-10個の情報を利用してアルブミングロブリン比を測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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08492_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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