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比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システムおよびその管理方法

国内特許コード P04A004998
掲載日 2004年12月7日
出願番号 特願平11-151739
公開番号 特開2000-338258
登録番号 特許第3041426号
出願日 平成11年5月31日(1999.5.31)
公開日 平成12年12月8日(2000.12.8)
登録日 平成12年3月10日(2000.3.10)
発明者
  • 中里 裕臣
  • 長束 勇
  • 中島 賢二郎
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システムおよびその管理方法
発明の概要 【課題】簡素な構成で長期間に渡り低コストでダム管理を行う。
【解決手段】比抵抗と温度、間隙比、飽和度等の各物性との関係を予め実験により求めて解析・異常判定の基礎諸元を取得し、堤体3(4,3A)築造時、堤体3の温度を検知する温度センサ6と、比抵抗を検知する電極Pa1~Pan、Pb1~Pbnとを堤体3に予め埋設する。堤体3完成後、堤体3に埋め込まれた温度センサ6から収集される温度データと、電気探査装置2により測定された電位データとをコンピュータ5により処理して温度分布と比抵抗分布とを経時的に作成し、しかる後、これら作成された物性分布と比抵抗分布とを、予め実験で求められた関係式に基づいて比較し、この比較に基づいて、比抵抗分布の変化が異常か正常か判定し、異常と判定された場合、比抵抗分布の領域に応じて異常部位を検出するようにしている。
従来技術、競合技術の概要



フィルダム(堤体が土石材料を主要材料として造られるダム)の管理は従来、表面変位計もしくは層別沈下計による変形観測、土圧計による応力状態観測、間隙水圧計もしくは観測孔水位による浸潤線観測及び流量計による漏水量観測により行われている。

しかしながら、従来のフィルダム管理では、計器による観測はセンサの経年劣化により観測値の長期的な信頼性に問題がある。また、観測値は点情報であり、二次元的に堤体の異常箇所を特定するためには、多数の観測点数が必要となり、観測作業に手間がかかるという問題がある。ここでいう二次元的とは、地下構造や地形が測線方向と深度方向にのみ変化し、測線下の鉛直断面に直交する方向(奥行き方向)には変化しないことをいう。さらに、観測点数を増やしたからといって必ずしも所望の情報が得られるとは限らない。また、観測点は堤体内部もしくは基礎地盤内部にあるため、遮水部の安全性に大きく関与する堤体と基礎地盤とが接する部分に関する情報が得られなかった。このため、フィルダムの異常部を特定するのに、比抵抗トモグラフィ法による二次元的な非破壊探査の適用が考えられる。

比抵抗トモグラフィ法は、地表のみに電極を設置して行う電気探査比抵抗法に対して、探査対象部分の周囲のボーリング孔やトンネル等を利用して地下にも電極を設置し、地下の比抵抗構造をより高精度に解析する手法である。また、比抵抗モニタリングは、電気探査比抵抗法や比抵抗トモグラフィ法を経時的に実施し、得られた比抵抗の変化から地下の飽和度や間隙率の変化を推定する手法である。

産業上の利用分野



本発明は、比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システムおよびその管理方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
遮水部と遮水部上下流側の外殻部とからなる堤体の築造時、予め決められた所定の配置に基づいて遮水部の所定の断面のほぼ外周に沿って多数埋設された電極と、上記電極と電気的に接続され、これら電極のうち任意の電流電極により電流を送信し、上記電流電極を除く他の電位電極間の電位差を測定し、その測定値を外部に出力する電気探査装置と、電気探査装置と電気的に接続され、この電気探査装置を制御するとともに、電気探査装置から入力された測定値に基づいて所定の断面の比抵抗構造を解析するコンピュータとを備え、上記所定の断面の比抵抗構造から第1回目の比抵抗分布を作成し、この第1回目の作成時から所定時間経過後新たな比抵抗分布を順次作成し、これら経時的に異なる比抵抗分布を比較して比抵抗分布の変化を経時的にモニターし、比抵抗分布中、異常な比抵抗変化が発見された際、異常部分に対応する堤体の異常部位を検出することを特徴とする比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項2】
堤体の築造時、予め決められた所定の配置に基づいて堤体内に埋設され、物性を計測して外部に出力する埋設計器を備え、電気探査装置の測定値により解析された比抵抗変化と埋設計器から出力される計測データとの比較により堤体内の異常を解析することを特徴とする請求項1に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項3】
予め遮水部の遮水材料について比抵抗と物性との関係を導き、この比抵抗-物性関係に基づいて、解析時の異常判定の基礎諸元を取得し、この既知情報を用いて逆解析を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項4】
モニター時、堤体の異常非検出時の値に基づいて正常値を、異常検出時の値に基づいて異常判定値をそれぞれ更新することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項5】
電極は遮水部の堤軸方向と上下流方向との少なくともいずれか一方に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項6】
埋設計器は温度センサとこの温度センサに電気的に接続され堤体の所定の面の温度情報を外部に出力する温度計とからなることを特徴とする請求項2に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理システム。

【請求項7】
遮水部と遮水部外側の外殻部とからなる堤体の築造時、電極を予め決められた所定の配置に基づいて遮水部の所定の断面のほぼ外周に沿って多数埋設する電極埋設工程と、電気探査装置を上記電極と電気的に接続し、これら電極のうち任意の電流電極により電流を送信し、上記電流電極を除く他の電位電極間の電位差を測定し、その測定値を外部に出力する測定工程と、コンピュータを上記電気探査装置と電気的にかつ制御可能に接続し、電気探査装置から入力された測定値に基づいて上記所定の断面の比抵抗構造を解析し、上記所定の断面の比抵抗構造から第1回目の比抵抗分布を作成するとともに、この第1回目の比抵抗分布作成時から所定時間経過後新たな比抵抗分布を順次作成する比抵抗分布作成工程と、これら経時的に異なる比抵抗分布を比較して比抵抗分布の変化を経時的にモニターし、比抵抗分布中、異常な比抵抗変化が発見された際、異常部分に対応する堤体の異常部位を検出する検出工程とを備えたことを特徴とする比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理方法。

【請求項8】
堤体の築造時、予め決められた所定の配置に基づいて物性を計測して外部に出力する埋設計器を堤体内に埋設し、電気探査装置の測定値により解析された比抵抗変化と埋設計器から出力される計測データとの比較により堤体内の異常を解析することを特徴とする請求項7に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理方法。

【請求項9】
予め遮水部の遮水材料について比抵抗と物性との関係を導き、この比抵抗-物性関係に基づいて、解析時の異常判定の基礎諸元を取得し、この既知情報を用いて逆解析を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理方法。

【請求項10】
モニター時、堤体の異常非検出時の値に基づいて正常値を、異常検出時の値に基づいて異常判定値をそれぞれ更新することを特徴とする請求項7ないし9のうちいずれか1に記載の比抵抗トモグラフィ法によるフィルダム管理方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G105AA02
  • 2G105BB03
  • 2G105DD02
  • 2G105EE02
  • 2G105GG01
  • 2G105GG03
画像

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08530_04SUM.gif
出願権利状態 登録


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