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抗菌性素材及び抗菌活性の増強方法

国内特許コード P04A005014
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願2001-037071
公開番号 特開2002-241206
登録番号 特許第3574845号
出願日 平成13年2月14日(2001.2.14)
公開日 平成14年8月28日(2002.8.28)
登録日 平成16年7月16日(2004.7.16)
発明者
  • 新居 孝之
  • 塚田 益裕
  • 日本 理都子
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 抗菌性素材及び抗菌活性の増強方法
発明の概要 【課題】 耐久性に優れ、抗菌活性に優れた抗菌性素材及び抗菌活性の増強方法の提供。
【解決手段】 フェナントロリン、基本骨格としてフェナントロリン骨格を有する化合物、シアノフェナントレン、フェナントリジン、又はサリチルアルデヒドである配位子を含む素材、コバルト若しくはルテニウムのイオンが配位子に配位結合で結合した錯体を含む素材、EDTA酸無水物が導入されかつ該EDTA酸無水物を介して該金属イオンが結合された生体高分子からなる素材、又は該配位子、金属イオン若しくは錯体から選ばれた少なくとも1種類の物質を含んだ生体高分子からなる素材。これらの素材を用いて抗菌活性を増強せしめる。
従来技術、競合技術の概要


近年、身の回りのあらゆる商品に安全性や清潔性が求められるようになってきた。若者を中心とした清潔志向が高まりを見せ、抗菌性を付与した製品が注目されている。生体組織や環境の汚染につながらない毒性の低い抗菌剤並びに抗菌性製品の開発が積極的に進められている。このように、近年、清潔指向、衛生指向が高まり、医療分野、衣料分野はもとより、トイレ用品、台所用品、鮮度保持フィルム及び除菌シート等の家庭用品分野、洗濯機、冷蔵庫、フロッピーディスクケース及び文房具等の家電・事務用品分野、並びに食品分野等に抗菌性素材が用いられている。



抗菌性素材で最も一般的なものは、銀、銅等の抗菌性金属を含んだものである。例えば、銀イオンを担持した抗菌性素材には、銀イオンが溶出することにより抗菌性が発現する溶出型のものが多い。この溶出型素材の担体としては、ゼオライト、粘土鉱物、ガラス等が知られている。このような銀イオンをはじめとする抗菌性金属の溶出型素材は、優れた抗菌性機能を持つ反面、金属が溶出して生体系、環境系を汚染する懸念があり、安全性には特に注意を払う必要がある。



従来の抗菌性粉末としては、銀、銅、亜鉛、あるいはこれらの錯体を含有するものが知られている(特開平9-263715号公報)。この素材は、強い抗菌性を持つ反面、抗菌性無機粒子から銀等の金属イオンが微量づつ長年にわたり流出するので、これが生体組織、あるいは環境を汚染する原因ともなりかねない。そのため、抗菌性素材から金属イオンが流れ出ることのない、安定した抗菌性機能を維持できる抗菌性素材の開発が望まれてきた。



抗菌性金属を含有するゼオライトを練り込んだ抗菌性樹脂組成物も知られている(特開昭63-265958号公報)が、コスト高となり、光のエネルギーで樹脂が着色や変色をしてしまうために、実用上問題となっていた。また、抗菌性を有する粉末塗料を用いる時には、焼付け時に150~200℃まで加熱する工程を必要とするため、通常多く用いられる一般的な有機系の抗菌剤では抗菌機能の低下が問題であった。



従来、抗菌性繊維の製造方法として、例えば、抗菌性を示す金属又は金属化合物の微粒子を分散液とし、これを有機高分子材料と接触させ、有機高分子材料の表面を被覆し、該表面に付着せしめる方法(特開平7-97769号公報)や、繊維表面をコロイド粒子サイズの抗菌性金属と他の金属の酸化物とで被覆する方法(特開平7-109674号公報)等が知られている。しかしながら、これらの方法により得られる抗菌性繊維は、抗菌性金属が繊維表面に単に付着しているだけなので、使用中に脱落し、抗菌効果がなくなるという耐久性上の問題がある。



特開平3-2106号公報には、グアニル-O-メチルイソ尿素等と第4族遷移金属の塩との錯体を有効成分とする抗カビ・抗菌剤であって、活性の持続性に優れ、合成樹脂等に優れた分散性を有するものが開示されている。



特開平9-124425号公報には、Pt、Pd、Ruからなる群から選ばれる1種以上の金属を、活性炭等の担体に担持してなる抗菌材及びその製造方法が記述されている。例えば、これらの金属を前駆体であるヘキサクロロ白金(+4)酸等の金属錯体とした後、含浸法等により担体上に担持させ、水素等による還元を行い金属担持物とする方法が開示されている。



特開平4-18177号公報には、銀置換抗菌性ゼオライト粒子を含む合成繊維を染色加工と同時に又はその前後で1価又は2価の銅イオンで処理して、染色又は仕上加工しても抗菌効果が失活せず、優れた抗菌性を発揮する合成繊維を得る方法が開示されている。



そのほか、抗菌性繊維の製造方法として、抗菌性金属である銀をシリカ、アルミナ等の球状セラミックス微粒子の表面に担持させたものを繊維表面に付着させる方法、多孔質の天然ゼオライト又は銀イオンをゼオライトに吸着させたものを素材表面に被覆させる方法等が知られている。



しかし、上記したように抗菌性金属を物理的に繊維に付着させる方法は、得られた繊維製品から、使用中に抗菌性金属担持物が脱落し易いので、初期の抗菌効果を長期間持続させ難い等の問題がある。そのため、抗菌スペクトルが広くて、広範囲の病原性細菌の増殖を阻害することができると共に、抗菌活性の持続性に優れ、様々な工業資材として利用できる抗菌性物質を開発する必要性が益々増している。



また、多くの抗菌性物質が知られているが、これをどのようにして合成繊維、天然繊維等に化学的に結合させて耐久性に優れた抗菌性素材を調製するかは未解決であり、その解決が待たれている。

産業上の利用分野


本発明は、抗菌性素材及びこの素材を用いて抗菌活性を増強する方法に関わる。

特許請求の範囲 【請求項1】
動物蛋白質からなり、この動物蛋白質に抗菌性成分としてフェナントロリン、及び基本骨格としてフェナントロリン骨格を有する化合物から選ばれた配位子が結合されて含まれていることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項2】
請求項1において、該動物蛋白質が、絹蛋白質又は羊毛蛋白質であることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項3】
請求項2において、該絹蛋白質が、絹フィブロイン繊維を中性塩水溶液中に溶解して得た絹フィブロイン水溶液から蒸発固化して得た絹フィブロイン膜であることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、該抗菌性成分が、該配位子にさらにコバルトイオン又はルテニウムイオンが配位結合されてなる金属錯体であることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項5】
請求項4において、該金属錯体が、トリス(,10-フェナントロリン)ルテニウム(II)クロライドハイドレート、及びジクロロ(,10-フェナントロリン)(II)から選ばれた錯体であることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかにおいて、該抗菌性素材が、光照射条件下で使用されることにより、病原微生物の増殖抑制機能を増強し、かつ、持続せしめることができるものであることを特徴とする抗菌性素材。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の抗菌性素材を光照射条件下で使用して、病原微生物の増殖抑制機能を増強し、かつ、持続せしめることを特徴とする抗菌活性の増強方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2001037071thum.jpg
出願権利状態 登録


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