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アミノ酸吸着材およびアミノ酸の回収方法

国内特許コード P04A005015
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願2000-081015
公開番号 特開2001-259418
登録番号 特許第3393379号
出願日 平成12年3月22日(2000.3.22)
公開日 平成13年9月25日(2001.9.25)
登録日 平成15年1月31日(2003.1.31)
発明者
  • 金澤 等
  • 塚田 益裕
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 アミノ酸吸着材およびアミノ酸の回収方法
発明の概要 【課題】 アミノ酸含有水溶液から特定のアミノ酸を吸着するための吸着材、およびこの吸着材を用いて特定のアミノ酸を回収する方法の提供。
【解決手段】 絹タンパク質および動物ケラチンから選ばれた天然タンパク質、グリシン、アラニン、バリン、フェニルアラニン、グルタミン酸エステル、アスパラギン酸エステル、ロイシン、およびイソロイシンのホモポリマーならびにコポリマーから選ばれた合成ポリアミノ酸、または該タンパク質もしくは合成ポリアミノ酸で表面が被覆された担体微細粒子からなる。絹タンパク質からなる場合、主として塩基性アミノ酸が吸着され、動物ケラチン、合成ポリアミノ酸、または該天然タンパク質もしくは合成ポリアミノ酸で表面が被覆された担体微細粒子からなる場合、主として酸性アミノ酸が吸着され、次いで、酸性またはアルカリ性水溶液を用いて吸着材に吸着しているアミノ酸を脱離させ、回収する。
従来技術、競合技術の概要


アミノ酸を得る方法には、(1)アミノ酸混合物からの抽出分離法、(2)化学合成法、(3)発酵法などがある。上記(1)の抽出分離法は、大豆グルテンのような安価なタンパク質を塩酸で加水分解して得られる複数のアミノ酸混合物に対して、酸性イオン交換樹脂、塩基性イオン交換樹脂を適宜組み合わせた分離操作を繰り返して行い、特定のアミノ酸を分別するか、またはアミノ酸の溶解度差を利用して分別結晶化させる方法である。この分離法は、手間がかかり、他のアミノ酸の混入しない純粋なものをつくるのは、かなり困難であるため、現在では行われていない。
上記(2)の合成法によれば、ラセミ体が生成するために、光学分割法によりL体とD体を分割しなければならないが、分割しても、L体またはD体の純度に問題が残る。従って、この合成法では、グリシンやメチオニンなどの限られたアミノ酸のみが製造されているに過ぎないのが現状である。
上記(3)の発酵法は、現在の主流であり、培地に微生物を培養して、菌体外(培養液中)にアミノ酸を蓄積させ、培養液から分離精製するものである。この分離精製は、イオン交換樹脂による分離や濃縮晶析などにより比較的容易に行える利点がある。発酵法では、最後の段階で、培養液からアミノ酸を取り出す際に、特定のアミノ酸を選択的に吸着することのできる材料を用いることが重要であり、そのような材料として種々のものが提案されている。発酵法による世界のアミノ酸生産額は、年間1,000億円以上である。生産量は、L-グルタミン酸ナトリウム(年間19万トン)、メチオニン(年間4万トン)、リジン(年間3万トン)の順である。リジンはメチオニンに次いで栄養用途での需要が多く、グルタミン酸に次いで大規模なスケールで企業化されている。リジンは、飼料用タンパク質資源としても重要性が高まり、必須アミノ酸として、最も将来の発展が期待されているアミノ酸である。しかし、多量に生産できる反面、発酵プロセスが複雑であるため、簡便な分離、単離技術の開発が望まれている。
上記したように、アミノ酸混合物からの抽出分離法は現在では行われなくなっている。しかしながら、もし、特定のアミノ酸を抽出する方法で、経済的でかつ効果的な方法が見出されれば、莫大な天然タンパク質資源を有効に利用または再利用できる方法として、この抽出分離法も、発酵法と共に有意義な方法となることが期待される。すなわち、アミノ酸混合物から選択的に特定のアミノ酸を効率的に吸着できる材料が開発されれば、かかる材料は、特定のアミノ酸を分離し、回収するのに使用できるので、食品製造プロセス、化学プロセスや各種工業プロセスなどにおいて、アミノ酸吸着材としての利用が期待できる。

産業上の利用分野


本発明は、アミノ酸吸着材およびアミノ酸の回収方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絹タンパク質または該絹タンパク質で表面が被覆された担体微細粒子からなり、複数のアミノ酸を含有する水溶液中に存在する主としてリジン、アルギニンおよびヒスチジンからなる塩基性アミノ酸や、主としてアスパラギン酸およびグルタミン酸からなる酸性アミノ酸を選択的に吸着するためのアミノ酸吸着材。

【請求項2】
前記絹タンパク質が、粉末状、ビーズ状、膜状、繊維状、または液体状であることを特徴とする請求項1記載のアミノ酸吸着材。

【請求項3】
前記絹タンパク質が、絹タンパク質を水溶性樹脂で被覆し、固形化した後、乾燥または凍結固化し、乾燥または凍結固化状態の絹タンパク質を粉砕して調製した粉末もしくは微細化繊維であることを特徴とする請求項1記載のアミノ酸吸着材。

【請求項4】
前記絹タンパク質が、絹フィブロイン繊維を中性塩水溶液に浸漬して加熱溶解して調製した絹フィブロイン水溶液を純水により透析して得られた絹フィブロイン水溶液に酸を加え、pH=3~3.5にしてゲル化させた後、凍結乾燥させ、粉末状にした絹タンパク質、または絹糸腺内の液体状の絹タンパク質であることを特徴とする請求項1記載のアミノ酸吸着材。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のアミノ酸吸着材に対して複数のアミノ酸を含有する水溶液を接触させ、該アミノ酸含有水溶液中に存在する主としてリジン、アルギニンおよびヒスチジンからなる塩基性アミノ酸や、主としてアスパラギン酸およびグルタミン酸からなる酸性アミノ酸を該吸着材に選択的に吸着せしめ、次いで、該吸着材を水洗した後、酸性水溶液を用いて主としてリジン、アルギニンおよびヒスチジンからなる塩基性アミノ酸を該吸着材から脱離させて回収し、また、アルカリ性水溶液を用いて主としてアスパラギン酸およびグルタミン酸からなる酸性アミノ酸を該吸着材から脱離させて回収することを特徴とする特定のアミノ酸の回収方法。

【請求項6】
前記酸性水溶液のpHが1.0~4.0であり、また、アルカリ性水溶液pHが7.5~13.0であることを特徴とする請求項5記載の特定のアミノ酸の回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2000081015thum.jpg
出願権利状態 登録


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