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有機加工品の製造方法および装置

国内特許コード P04A005017
掲載日 2004年11月29日
出願番号 特願2000-380441
公開番号 特開2001-246356
登録番号 特許第3382928号
出願日 平成12年12月14日(2000.12.14)
公開日 平成13年9月11日(2001.9.11)
登録日 平成14年12月20日(2002.12.20)
発明者
  • 堀金 彰
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 有機加工品の製造方法および装置
発明の概要 異なる速度で被処理物を送り出す複数の主スクリューを突出部が対向するように並べて配置した反応器に、有機繊維質を含む原料を供給し、主スクリューにより有機繊維質を解繊および破断しながら生物または生化学反応を行う有機加工品の製造方法。本発明において反応の原料は有機繊維質を含む原料、特に生物分解可能な有機繊維質を含む原料である。有機繊維質としては、セルロースのような繊維状高分子、ならびにリグニンのような芳香族重合高分子などの繊維状有機物があげられる。このような原料としては、植物の茎、葉、枝、根、殻等の組織・食品の未利用部分、残飯等の食品残滓;割箸、紙製品、ビートパルプ、チップ等の有機性廃棄物などがあげられる。反応器における生物または生化学反応は、原料が反応液(培地)に浸った状態で、主にスクリューにより有機繊維質その他の固形物は解繊および破断されて撹拌され、微生物と混合された状態で反応する。ここで行う生物または生化学反応は好気反応でも嫌気反応でもよいが、一般的には通性または偏性嫌気反応を行うことにより、繊維質を含む有機物を消化して有用な有機加工品を得ることができるので好ましい。
従来技術、競合技術の概要 農業残滓、食品残滓、工業生産に伴い産出される有機性廃棄物は、従来、焼却、埋め立て、海洋投棄などにより処理されてきたが、これらの方法は環境汚染の原因となり好ましくない。上記の有機廃棄物中には、窒素、炭水化物、ミネラル、有機繊維質等の成分が含まれるが、これらの成分を有機加工品として食品素材、医薬品素材、飼料原料、工業原料、土壌改良剤の原料等として再利用するためには目的に適した物理的性質、化学組成への変換と、病原性大腸菌、サルモネラ菌、クリプトスポリジウム等の細菌汚染の除去が必要である。成分中の窒素、炭水化物、ミネラル、有機繊維質等の成分を食品、飼料等に適した栄養成分のバランスのとれた素材に変換するためには、有用微生物を利用する生物または生化学反応が適しているが、微生物間の拮抗作用のみでは有害微生物の除去は困難である。有害微生物の除去に関しては、通常の抗菌剤の使用、パスツール殺菌等では繊維質等の固形物の分解が困難なため、有機性廃棄物内部の微生物汚染の除去は困難である。また、オートクレーブ、乾熱滅菌等で加熱殺菌を行う場合は、高温のためビタミン等の有用成分が熱分解してしまう場合が多い。有機性廃棄物中に含まれる繊維質等の不溶性成分は3次機能性を有する栄養素として利用できるが、廃棄物は木質化している場合が多いため、食感が悪く、食品素材、飼料等に適する物理化学的性状の食物繊維を得ることは通常の技術では困難である。有機性廃棄物中から有用成分を抽出した芳香族重合高分子、繊維状高分子等の不溶性高分子体の最終残滓は、通常の処理では粉末あるいはペレット等の密度の高い状態で得られるため通気性、保水性が低く、土中微生物が増殖しにくいため土壌改良等に利用することは困難であり、通常は亜硫酸ナトリウムによる化学処理や焼却処分が行われている。一方、表層土が流亡した農耕地、砂漠化地帯、塩害地帯、病害虫汚染地帯等の土壌を回復して農業の生産性を向上させるためには、有機物に富み、健全な土中微生物が棲息する非汚染土壌を客土することが理想的であるが、実際には広葉樹地帯の腐植に富む良質な土壌を大量に得ることが困難なため、粘土、砂礫などを含む山土等を利用することが多い。しかしこれらの土壌は、有機物の含量が少ないため、土中微生物の増殖が困難で通気性、保水性に乏しく、また農業用車両の踏圧等により容易に固化して不透水層が形成されてしまい、発芽率、根の成長が悪くなるとともに土壌生態系が単純化し、有害微生物などに対して抵抗性が低くなり農業生産性が良くない。また同一の作物を数年に亘って栽培する場合には、線虫、病原性細菌、ウイルス、昆虫等の有害生物が増殖する。これらの生物による被害を防ぐためには輪作や農薬の使用が効果的であるが、薬害防止のため無農薬あるいは減農薬が求められており、その使用が困難な状況である。また、主要な作物であるキャベツ、白菜、ブロッコリーなどは同一のアブラナ科に属するため輪作が困難である。従来は作物の茎、葉、根等を焼却していたが、環境汚染の面から焼却が困難になっており、有害生物を除去する革新的な技術が求められている。有機成分が乏しい土壌の改良には、有機堆肥の施用が行われているが、成分を安定化させることが困難で、窒素、燐酸過多などに陥り易い。また腐熟が不十分な場合は、病原性大腸菌、サルモネラ菌、病原性寄生虫のような微生物が増殖し、作物を通じて食中毒等の原因となる場合がある。有機質肥料の調製法には、家畜・家禽の排泄物を自然発酵させて調製した堆肥があるが、熟成、成分の調整が困難で、完熱が不十分であると施肥後に腐敗してアンモニア、硫化水素が発生し幼苗を傷めるとともに、土中微生物のバランスが崩れて病原性微生物などによる汚染が生じるおそれがある。また、食品の残滓に放線菌、窒素固定菌、糸状菌などの有用微生物を作用させるコンポスト法は、簡便であるが、堆肥と同様に熟成度、成分の調整が困難で病原性細菌が繁殖するおそれがある。微生物や酵素等を利用して有機材料に生物反応あるいは生化学的反応を加えるために、逆方向に傾斜した同ピッチのフィンを有する複数本のスクリューを並べて反応槽に配置し、隣接するスクリューを互に逆方向に回転させることにより、反応槽の内容物を挟み込んで回転し、上下方向に移動させ、有機材料を縦裂き、破断および攪拌しながら反応を行うバイオリアクタが提案されている。しかしこのバイオリアクタでは同ピッチのスクリューを用いた同一方向に内容物を移動させているため、繊維質組織がそのまま移動し、縦裂きおよび破断が困難な場合があった。
産業上の利用分野 農業残滓、食品残滓、工業生産において産出される有機廃棄物等の有機繊維質を含む原料を物理化学的反応および生物または生化学反応により加工した有機加工品の製造方法および装置
特許請求の範囲 【請求項1】 異なる速度で被処理物を送り出す複数の主スクリューを突出部が対向するように並べて配置した反応器に、有機繊維質を含む原料を供給し、主スクリューにより有機繊維質組織を解繊および破断しながら生物または生化学反応を行う有機加工品の製造方法。
【請求項2】 主スクリューの送出側に被処理物を逆方向に送り出す副スクリューを配置し、圧縮状態の処理物を取り出すようにした請求項1記載の方法。
【請求項3】 主スクリューに隣接して被処理物を逆方向に送り出す補助スクリューを配置し、反応器内の対流を促進するようにした請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 反応が嫌気性または好気性反応である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】 生物または生化学反応を行う反応器と、反応器に有機繊維質を含む原料を供給する原料供給部と、異なる速度で被処理物を送り出すように、突出部を対向させて反応器内に並べて配置された複数の主スクリューと、主スクリューの送出側から処理物を取り出すように反応器に設けられた処理物取出部とを含む有機加工品の製造装置。
【請求項6】 反応器は傾斜または水平状態に配置され、主スクリューは反応器の下側の面に沿って配置された請求項5記載の装置。
【請求項7】 隣接する主スクリューはラセン状の突出部を有し、互に逆方向に回転する請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】 主スクリューは突出部の形状、ピッチおよび/または回転数の差により異なる送出速度に設定されている請求項5ないし7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】 主スクリューの送出側に被処理物を逆方向に送り出す副スクリューを有する請求項5ないし8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】 主スクリューに隣接して被処理物を逆方向に送り出す補助スクリューを有する請求項5ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】 反応器は微生物を保持する空隙を有する物質を備えている請求項5ないし10のいずれかに記載の装置。
産業区分
  • 処理操作
  • 畜産
  • 無機化合物
  • 混合分離
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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08549_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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