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5位置換ピリミジンデオキシヌクレオチド誘導体、及びそれを用いた核酸の合成方法 新技術説明会

国内特許コード P04A005099
掲載日 2004年11月17日
出願番号 特願2003-031190
公開番号 特開2004-238353
登録番号 特許第4119976号
出願日 平成15年2月7日(2003.2.7)
公開日 平成16年8月26日(2004.8.26)
登録日 平成20年5月9日(2008.5.9)
発明者
  • 澤井 宏明
  • 桑原 正靖
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 5位置換ピリミジンデオキシヌクレオチド誘導体、及びそれを用いた核酸の合成方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、特にDNAチップによるDNA解析に必要な修飾DNA類の酵素合成可能な5位置換シチジン誘導体、及びそれを用いた核酸の合成方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の5位置換デオキシウリジン誘導体は、一般式、
【化1】

(但し、式中、Rは-NHXを表し、Xは水素原子、アルキニル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基、-COCF基、-COCH基、カルボニルメチルイミダゾール基、-CH(=NH)NH、ビオチニル基、各種アミノ酸をアミド結合を介して結合させたもの、又は-(CHN[(CHNH基を示す。)で表されることを特徴とする。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要
標識機能物質が結合したオリゴヌクレオチド類は特定の配列を持った核酸の検出を行なう上で必要不可欠なものであり、それ故、このようなオリゴヌクレオチド類に関して、多くの研究がなされ、またその応用が検討されてきた。標識機能物質が結合したオリゴヌクレオチド類として、当初は、放射性物質である32P-リン酸を酵素的に結合させたオリゴヌクレオチド類が用いられたが、この場合、放射性物質を扱うための施設の確保及び維持、放射性物質を扱う上での安全性、32Pの半減期が2週間と短いため保存が困難である等、種々の問題点があった。このため非放射性物質である蛍光物質、発光物質、ビオチン等の標識化物質をオリゴヌクレオチドに結合させた核酸類の化学合成の開発及びその応用研究がなされている。特に自動合成機械による核酸の化学合成法が確立して長いオリゴヌクレオチドの化学合成が容易になって以来、標識化物質を結合させたオリゴヌクレオチド類の化学合成の開発がなされ、DNAプローブとして利用されてきた。しかし、DNAチップを用いたマイクロアレイDNA解析では、天然から得られた特定のDNA又はRNAを基に酵素的に標識化物質を導入した修飾DNAをDNAプローブとして用いる必要がある。
【0003】
核酸塩基部に標識化合物を導入したオリゴヌクレオチドは検出の対象となる核酸と安定な相補的塩基対結合を造らなければならない。このためには立体的な障害が少なく且つ相補的塩基対結合に関係の無いピリミジン環の5位にリンカーを介して標識化合物を結合する方法が最も優れている。このようなピリミジン環の5位の部分に標識化合物を導入したオリゴヌクレオチドの化学合成には、基質として5位置換ピリミジンデオキシヌクレオチド誘導体が必要である。このため、従来は天然から得られるウリジンを出発原料にして、標識化合物を結合させることが可能な5位置換2’-デオキシウリジン誘導体を合成する方法が行われている。この合成法では、出発原料である5-クロロ水銀化-2’-デオキシウリジン又は触媒のパラジウム錯体が高価であり、有害な水銀化合物を扱うという難点がある。
【0004】
前記5位置換2’-デオキシウリジン誘導体を基質に用いてオリゴヌクレオチドを化学合成し、更に標識物質をこのオリゴヌクレオチドに導入する方法が文献に報告され、また特許出願されている[J.L.Ruth,"Oligonuclotides and Analogues,A Practical Approach",Ed.by F.Eckstein,p255-282,IRL Press(1991);J.L.Ruth, 米国特許No4948882;特開平3-86897号公報参照]。また、これらの5-位置換2’-デオキシウリジン誘導体のある種のものは5’-三リン酸化体に導くと、大腸菌のDNA合成酵素であるクレノー断片又はある種の好熱菌のDNA合成酵素であるTaq又はVentDNAポリメラーゼの基質となるので、これらから修飾DNAを酵素的に合成する方法が知られている[R.P.Langer,A.A.Waldrop,D.C.Ward,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,78,6633(1981);C.R.Petrie et.al,.Bioconjugate Chem.,2,441,(1991);J.A.Latahm,et al.,Nucleic Acids Res.,22,2817(1994);K.Sakthivel and C.F.Barabas III,Angew.Chem.Int.Ed,37,2872(1998)参照]。
【0005】
このようにして酵素的に合成され且つ蛍光物質を導入した修飾DNAは、DNAプローブとして、特定のDNAの検出に用いられている[G.H.Keller and M.M.Manak,"DNA Probes",p105-148,Stockton Press(1989);S.F.Nelson and C.T.Denny,"DNA Microarrays",Ed.by M.Schena,p43-59,IRL Press(1999);C.Kessler,"Gene Probes 1",Ed.by B.D.Hamesand S.J.Higgins,p93-144,IRL Press(1995) 参照]。また、アミノ基又はイミダゾール基を導入した修飾DNAの酵素を用いる合成、増幅法(PCR法)と試験管内選択法を併用することで、特定の反応を触媒する触媒DNA、又は特定の分子に結合するDNAアプタマーとして応用されている[T.R.Battersby et a1.,J.Am.Chem.Soc.,121,9781(1999); S.W.Santoro et.a1.,122,2433(2000)参照]。しかし、 従来の修飾DNAの酵素合成法、PCR法による大量合成法では酵素の基質特異性が高いため、用いることのできるDNA合成酵素の種類や基質となる5位置換ピリミジン2’-デオキシヌクレオチド誘導体に大きな制約があった。
【0006】
前記以外の従来技術としては、例えば、アラビノースとシアンアミドから容易に得られるアラビノアミノオキサゾリンとα-ブロモメチルフマル酸誘導体とを反応させることにより、標識物質などの機能性物質を結合することが可能な新規な5位置換ピリミジン2’-デオキシヌクレオチド類を得る合成法が挙げられる。更にこの5位置換ピリミジン2’-デオキシヌクレオチドを基質に用いてオリゴヌクレオチドを化学合成し、このオリゴヌクレオチドに蛍光物質を導入した修飾DNAを化学合成する方法が特許出願された[沢井ら、特開平7-165786号公報参照]。また、この修飾DNAにポリアミン類を導入した化合物は、特定のRNAを切断するRNA制限酵素として特許出願された[篠塚ら、特開平8-242862号公報参照]。
産業上の利用分野
本発明は、新規な5位置換デオキシシチジン誘導体と新規な5位置換デオキシウリジン誘導体、及びそれを用いた核酸の合成方法に関し、特に、有用な標識を導入することが可能な新規な5位置換デオキシシチジン誘導体と新規な5位置換デオキシウリジン誘導体、及びそれを用いた核酸の合成方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 一般式、
【化学式1】
(但し、式中、Rは-NHXを表し、Xは水素原子、アルキニル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基、-COCF3基、-COCH3基、カルボニルメチルイミダゾール基、C(=NH)NH2、ビオチニル基、各種アミノ酸をアミド結合を介して結合させたもの、又は-(CH2)2N[(CH2)2NH2]2基を示す。)で表される5位置換デオキシウリジン誘導体。
【請求項2】 一般式、
【化学式2】
(但し、式中、Rは-NHXを表し、Xは水素原子、アルキニル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基、-COCF3基、-COCH3基、カルボニルメチルイミダゾール基、C(=NH)NH2、ビオチニル基、各種アミノ酸をアミド結合を介して結合させたもの、又は-(CH2)2N[(CH2)2NH2]2基を示す。)で表される5位置換デオキシシチジン誘導体。
【請求項3】 前記各種アミノ酸をアミド結合を介して結合させたものが、グリシル基、アラニル基、バリル基、ロイシル基、イソロイシル基、メチオニル基、プロリル基、フェニルアラニル基、トリプトファニル基、セリル基、スレオニル基、アスパラギニル基、グルタミニル基、アスパラチル基、グルタミル基、システイニル基、チロシル基、ヒスチジル基、リシル基、アルギニル基からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の誘導体。
【請求項4】 基質、DNA合成酵素、鋳型DNAおよびプライマーを用いて核酸を合成する方法であって、請求項1又は2に記載の誘導体を、基質として用いる核酸の合成方法。
【請求項5】 さらに、デオキシウリジン誘導体を請求項2又は3に記載のデオキシシチジン誘導体と共に基質として用いる請求項記載の核酸の合成方法。
【請求項6】 前記デオキシウリジン誘導体が、式、
【化学式3】
【化学式4】
【化学式5】
(但し、式中、Rは水素原子、アルキニル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基、-COCF3基、-COCH3基、カルボニルメチルイミダゾール基、-C(=NH)NH2、ビオチニル基、各種アミノ酸をアミド結合を介して結合させたもの、又は-(CH2)2N[(CH2)2NH2]2基を示す。)からなる群から選択される少なくとも1種である請求項5に記載の核酸の合成方法。
【請求項7】 前記DNA合成酵素が、PfuPwoVent(exo-)及びDeep Vent(exo-)からなる群から選択される少なくとも一種の熱安定性DNAポリメラーゼである請求項4~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】 鋳型DNAが天然のDNA、化学合成したDNA又は天然のRNAを逆転写して形成されたcDNAである請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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