TOP > 国内特許検索 > 新規植物遺伝子、該遺伝子を利用した植物改変方法および該方法により得られる植物体

新規植物遺伝子、該遺伝子を利用した植物改変方法および該方法により得られる植物体

国内特許コード P04A005151
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2000-320111
公開番号 特開2002-125675
登録番号 特許第3605633号
出願日 平成12年10月19日(2000.10.19)
公開日 平成14年5月8日(2002.5.8)
登録日 平成16年10月15日(2004.10.15)
発明者
  • 梁 正偉
  • 黒田 秧
  • 芦川 育夫
  • 矢頭 治
  • 青木 秀之
  • 王 慶▲ギョク▼
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 新規植物遺伝子、該遺伝子を利用した植物改変方法および該方法により得られる植物体
発明の概要 植物の新規遺伝子の提供。植物の形態を制御する遺伝子をコードするポリヌクレオチドであって、イネ由来の特定のアミノ酸配列の1位のMetから689位のValまでのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、又は該アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチド。
従来技術、競合技術の概要



これまでにイネから多くの遺伝子が単離され、その塩基配列が決定されている。しかし、イネDNAに含まれる多くの遺伝子は、未だにその機能が解明されておらず有効利用されていない。植物の有用遺伝子の単離および同定、ならびにその効率的な単離法の開発が求められている。





トランスポゾンは、動物、酵母、細菌および植物のゲノムに遍在することが知られる変異誘発遺伝子である。トランスポゾンは、その転移(transposition)機構により2つのクラスに分類されている。クラスIIに属するトランスポゾンは、複製することなくDNAの形態で転移する。クラスIIに属するトランスポゾンとして、トウモロコシ(Zea mays)のAc/Ds、Spm/dSpmおよびMu要素(Fedoroff、1989、Cell 56、181-191;Fedoroffら、1983、Cell 35、235-242;Schiefelbeinら、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82、4783-4787)、キンギョソウ(Antirrhinum majus)のTam要素(Bonasら、1984、EMBOJ、3、1015-1019)が知られている。クラスIIに属するトランスポゾンは、トランスポゾン・タッギングを利用する遺伝子単離に広く利用されている。この技術は、トランスポゾンがゲノム上で転移して、ある遺伝子中に挿入されると遺伝子の生理学的および形態学的変異が起こり、遺伝子が制御する表現型が変化することを利用する。この変化を検出することにより影響を受けた遺伝子を単離する(Bancroftら、1993、The Plant Cell、5、631-638;Colasantiら、1998、Cell、93、593-603;Grayら、1997、Cell、89、25-31;Keddieら、1998、The Plant Cell、10、877-887;Whithamら、1994、Cell、78、1101-1115)。





クラスIに属するトランスポゾンは、レトロトランスポゾンとも呼ばれ、複製し、そしてRNA中間体を介して転移する。クラスIトランスポゾンは、最初、ショウジョウバエおよび酵母で同定され、そして特徴付けられたが、最近の研究により植物ゲノム中に遍在し、そのかなりの部分を占めていることが明らかにされている(Bennetzen、1996、Trends Microbiolo.、4、347-353;Voytas、1996、Science、274、737-738)。レトロトランスポゾンの大部分は、非移動性の組み込みユニットであるようである。最近の研究は、これらのいくつかが、創傷、病原体の攻撃および細胞培養などのストレス条件下で活性化されることを示している(Grandbastien、1998、Trends in Plant Science、3、181-187;Wessler、1996、Curr.Biol.6、959-961;Wesslerら、1995、Curr.Opin.Genet.Devel.5、814-821。例えば、タバコではTnt1AおよびTto1(Pouteauら、1994、Plant J.、5、535-542;Takedaら、1988、Plant Mol. Biol.、36、365-376)、およびイネではTos17(Hirochikaら、1996、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、93、7783-7788)について、ストレス条件下における活性化が報告されている。





イネのレトロトランスポゾンTos17は、最も良く研究されている植物中のクラスI要素である。Tos17は、Ty1-copia群レトロ要素の間の逆転写酵素ドメインの保存アミノ酸配列を基に作成された縮重プライマーを用いたRT-PCR法によりクローン化された(Hirochikaら、1992、Mol. Gen. Genet.、233、209-216)。Tos17は、4.3kbの長さの、2つの同じ138bpのLTR(長鎖末端反復)および開始メチオニンtRNAの3’末端に相補的なPBS(プライマー結合部位)を持つ(Hirochikaら、1996、上述)。Tos17転写は、組織培養により強く活性化され、そして培養時間とともにそのコピー数を増加する。ゲノム研究のモデルジャポニカ品種である日本晴では、Tos17の当初のコピー数は2であるが、組織培養後、再生した植物では、5~30コピーに増加している(Hirochikaら、1996、上述)。酵母およびショウジョウバエで特徴付けられたクラスIIトランスポゾンとは異なり、Tos17は、染色体中をランダムな様式で転移し、そして安定な変異を引き起こし、そしてそれ故、イネにおける遺伝子の機能解析の逆遺伝学(Reverse Genetics)における強力なツールを提供する(Hirochika、1997、Plant Mol.Biol.35,231-240;1999、Molecular Biology of Rice(K.Shimamoto編集、Springer-Verlag、43-58)。

産業上の利用分野



本発明は植物の新規遺伝子に関する。より詳細には、本発明は、植物の形態を制御する遺伝子に関する。本発明はまた、この遺伝子を用いた植物改変方法、およびこの方法により得られた植物体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リヌクレオチドであって、配列表の配列番号2の1位のMetから689位のValまでのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、または該アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含み、該ポリヌクレオチドを含む遺伝子を植物において欠失させることにより、草丈が短くなる表現型、根長が短くなる表現型、葉身が狭くなる表現型、茎数が減少する表現型、および種子数が減少する表現型からなる群より選択される少なくとも1つの表現型を生じる、ポリヌクレオチド。

【請求項2】
請求項1に記載のポリヌクレオチドによってコードされる、アミノ酸配列を含む、タンパク質。

【請求項3】
制御配列、および該制御配列に作動可能に連結された請求項1に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。

【請求項4】
請求項1に記載のポリヌクレオチドによりコードされる遺伝子のアンチセンス配列を含む、ベクター。

【請求項5】
植物を改変する方法であって、
請求項4に記載のベクターを植物組織に導入し、形質転換体を得る工程;
該形質転換体を再生し、植物体を得る工程;および
該植物体を所望の形質について選抜する工程、
を包含する、方法。

【請求項6】
前記所望の形質が、小粒性、短稈、および濃緑葉からなる群から選択される、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
請求項4に記載のベクターで形質転換された、植物体。

【請求項8】
リヌクレオチドであって、配列表の配列番号2の1位のMetから689位のValまでのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補体、または該アミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補体を含み、該ポリヌクレオチドを植物に導入することにより、草丈が短くなる表現型、根長が短くなる表現型、葉身が狭くなる表現型、茎数が減少する表現型、および種子数が減少する表現型からなる群より選択される少なくとも1つの表現型を生じる、ポリヌクレオチド。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

13410_01SUM.gif
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close