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糸状菌及び細菌に対する溶菌活性を有するイネキチナーゼ相補DNAを含む形質転換体

国内特許コード P04A005154
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願平10-123905
公開番号 特開平11-299488
登録番号 特許第3376453号
出願日 平成10年4月20日(1998.4.20)
公開日 平成11年11月2日(1999.11.2)
登録日 平成14年12月6日(2002.12.6)
発明者
  • 伊藤 義文
  • スン ムーン パーク
  • チォン ナム ハイ
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 糸状菌及び細菌に対する溶菌活性を有するイネキチナーゼ相補DNAを含む形質転換体
発明の概要 【課題】 糸状菌と細菌の両方の細胞壁を溶解する新規なキチナーゼをコードする相補DNAを特定し、該配列を植物に導入することにより、広範な病原性微生物に対して抵抗性を獲得した組換え作物の開発を可能にすること。
【解決手段】 糸状菌及び細菌に対する溶菌活性を有するイネキチナーゼ相補DNA、配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするイネキチナーゼ相補DNA、該相補DNAを含むプラスミドベクター並びに該プラスミドベクターを有する形質転換体。
従来技術、競合技術の概要



植物病原性微生物の感染による収穫量の減少は、農業に甚大な損失を与える。このような微生物による感染予防や感染の拡大阻止手段として、殺菌剤の散布が行われている。しかしながら、近年、これらの殺菌剤の環境や人体への影響に対する懸念から、化学物質に頼らない病原菌感染防除技術の開発が求められている。

植物には、病原性微生物の侵入を阻止するための特有の感染防除機構が存在する。具体的には、植物が、病原性微生物が感染したことを感知すると、ファイトアレキシンと呼ばれる化合物や病原性関連蛋白質(PR蛋白質)などの抗菌性蛋白質を生産し、感染から植物体を防御している。PR蛋白質の中でも、微生物に対する作用機構が最も明確なものとして、昆虫及び甲殻類の外皮や糸状菌の細胞壁の構成成分であるキチンを加水分解するキチナーゼが挙げられる。

前述の如く、植物のキチナーゼには、クラスI~Vの5種類が存在するが、このうち、クラスI、II、IV及びVのキチナーゼには、糸状菌の増殖を阻害する抗カビ活性がある。これらのキチナーゼは、特に細胞壁の合成が活発な菌糸の成長点に作用する。その結果、増殖中の細胞が崩壊し、菌糸の伸長が阻害される。中でも、キチン結合領域をもつクラスIとIVの酵素の抗カビ活性は特に高く、病原性糸状菌に対する抵抗性作物を開発するための導入遺伝子として注目されている。

このような背景から、植物にキチナーゼの相補DNAを導入して、病原性糸状菌に耐性な作物を開発する研究が行われている。しかしながら、該導入遺伝子にコードされるキチナーゼは、糸状菌の細胞壁を分解することはできても、細菌の細胞壁を分解するリゾチーム活性はない。このため、該遺伝子でコードされるキチナーゼを作物に導入しても、病原性細菌に対する耐性までは付与することができず、抵抗性作物としての特性としては不十分であった。

一方、古くから、植物にリゾチーム活性を有する酵素が存在することが知られている。また、ゴムの木の乳液に存在するヘバミンや幾つかのクラスIII キチナーゼは、細菌の細胞壁を溶解するリゾチーム活性を有していることも知られている。しかしながら、ヘバミンについては、その相補DNAや遺伝子に関する報告はなく、また、リゾチーム活性を有するキチナーゼの相補DNAについても知られていなかった。

抗カビ活性及びリゾチーム活性の両方を併せ持つキチナーゼの相補DNAは、これまでに発見されていなかった。勿論、相補DNAから蛋白質を発現させ、抗カビ活性とリゾチーム活性とを持つキチナーゼをコードしていることも、実証されていなかった。

産業上の利用分野



本発明は、糸状菌及び細菌に対する溶菌活性を有するイネキチナーゼの相補DNAを含む形質転換体であるピキア・パストリスに関する。

キチナーゼは、昆虫及び甲殻類の外皮や糸状菌の細胞壁の構成成分であるキチンを加水分解する酵素であり、微生物や植物に広く存在する。植物には、クラスI~Vの5種類のキチナーゼが存在するが、このうち、クラスI、II、IV及びVのキチナーゼには、糸状菌の細胞壁を分解する能力はあるが、細菌の細胞壁を分解する能力はない。一方、クラスIII のキチナーゼは、細菌の細胞壁を分解する能力はあるが、糸状菌の細胞壁を分解する能力はない。本発明は、糸状菌、細菌のいずれに対しても溶菌活性をもつ新規なイネキチナーゼの相補DNAの利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列からなる蛋白質をコードするイネキチナーゼ相補DNAを含むプラスミドベクターを有する形質転換体であるピキア・パストリス
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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