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遺伝子Any―RFならびに休眠制御物質およびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P04A005187
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願平11-152273
公開番号 特開2000-342254
登録番号 特許第3023790号
出願日 平成11年5月31日(1999.5.31)
公開日 平成12年12月12日(2000.12.12)
登録日 平成12年1月21日(2000.1.21)
発明者
  • 小瀧 豊美
  • 塚田 益裕
  • 鈴木 幸一
  • 楊 平
出願人
  • 農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長
発明の名称 遺伝子Any―RFならびに休眠制御物質およびその製造方法 新技術説明会
発明の概要 休眠制御活性を有する遺伝子、ならびに休眠制御物質およびその製造方法の提供。配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列、Asp-Ile-Leu-Arg-Glyを有し、C末端がアミド化されており、分子量が570.959であり、休眠制御活性を有するタンパク質をコードする遺伝子Any-RF。かかる遺伝子を有する休眠制御物質は、天蚕に酸メタノール液を加え、磨砕後、遠心処理、HPLCシステムによる処理を経て単離、精製されるペプチドであり、昆虫等の休眠を制御するものである。
従来技術、競合技術の概要 ヒトが住む地球は、「昆虫の惑星」に喩えられる。地球上には100万種ともいわれる多くの昆虫が予想を超えるあらゆる環境で力強く生息している。熱帯、温帯、針葉樹林、氷雪地、砂漠、さらには湖沼地に至る地球のほぼ全域に昆虫は適応しながら生存している。これは、昆虫が多様な機能特性を獲得しているからに他ならない。我々が昆虫世界から学ぶべきものは多い。昆虫の機能特性として挙げられるのは、生体防御機構や、成長・発育制御機構、広範な物質分解、生産機能、鋭い感覚機能、行動調節機構、脳・神経機構、媒介機能等、あるいは環境適応能である。昆虫が有する多様な機能特性の中でも特に昆虫の休眠機能は、見事な適応現象として特記すべき機能であるといえる。昆虫の休眠を科学する意義は次の通りである。(1)休眠は、生物が発生を進める過程で完全に発育を停止し、来るべく高温・低温・食物不足のような悪環境を乗り切るためのエネルギー節約型の生命現象であると捉えることができる。(2)休眠は、生息環境が発育成長に悪影響を与える前に、遺伝的に制御するか、または環境情報を解読して、事前に発育を停止するものであり、単なる発育停止とは異なる積極的な適応戦略であるといえる。(3)休眠を制御することが可能となれば、害虫防除や作物種子の発芽促進の重要な実用技術となり、農業分野での応用技術となり得る。従って、昆虫の休眠制御の機序が明らかとなり、また休眠制御物質の構造が決定され、その機能が解明できれば、これを生物産業分野に応用することができる。すなわち、人間生活にとって有用な生物の発育・成長を自在に制御することが可能となり、また有害な生物の活動を停止させるために人為的に有害生物を休眠させることが可能となることから、21世紀の生物産業の視点から見て重要な基礎研究である。更に、高品質・新製品の農業技術開発と新医薬品の技術開発のための応用研究として休眠制御物質の機能解明は重要な研究課題となろう。例えば、鱗翅目昆虫の一種である天蚕は多くの昆虫と同様に、秋口に休眠に入り、休眠越冬後4~5月に休眠から醒める。天蚕はカイコ同様外見上卵内で胚休眠するが、卵内ではほぼ完全に幼虫体が形成されており、この状態で休眠に入ることから前幼虫態休眠(前幼虫休眠ともいう)の一種であると考えられている。このタイプとしては、天蚕以外にマイマイガなど鱗翅目昆虫を中心として40種以上知られており、新しい休眠タイプとして分類されるべきである。天蚕の前幼虫休眠は、昆虫の中枢のホルモン系は直接関与せず、前幼虫の中胸部位に存在する抑制因子(Repressive Factor:RF)によって制御され、また後休眠は第2腹節~第5腹節に存在する成熟因子(Maturation Factor:MF)により制御されているというモデルが提案されている。成熟因子に関しては、部分精製され、ペプチド様ホルモンであることが報告されているが、抑制因子(休眠制御物質)については未だ単離されていない。また、胚休眠するカイコでは、休眠ホルモンが誘導ホルモンとして知られており、このホルモンの構造は24個のアミノ酸から構成されているペプチドホルモンで、C末端がアミド化されている。しかし、胚休眠するタイプでは、これ以外の休眠に関連するホルモンは全く不明であり、また前幼虫休眠するタイプでは、休眠関連ホルモン物質は全く発見されていない。昆虫以外で、唯一、冬眠特異的タンパク質と呼ばれる3種類の物質がシマリスで発見されているが、これらのタンパク質は、分子量が27-、25-、20-kDaであり、しかも冬眠の前後で血中濃度が減少し、冬眠中は低濃度である。また、哺乳類で休眠に関する制御物質はこれまで発見されておらず、例えばワラビー(カンガルーの一種)の胚子休眠の場合は、母親の松果体が休眠に関与すると考えられているが、休眠制御物質は未だ単離されていない。
産業上の利用分野 遺伝子Any-RF、ならびに休眠制御物質およびその製造方法、特に前幼虫形態を取る昆虫由来の休眠制御活性を有する遺伝子、ならびに休眠制御物質およびその製造方法
特許請求の範囲 【請求項1】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列、Asp-Ile-Leu-Arg-Glyを有し、C末端がアミド化されており、分子量が570.959であるタンパク質をコードする遺伝子Any-RF。
【請求項2】 前記タンパク質が休眠制御活性を有するものである請求項1記載の遺伝子Any-RF。
【請求項3】 前記タンパク質が天蚕の前幼虫由来のものである請求項1または2記載の遺伝子Any-RF。
【請求項4】 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列、Asp-Ile-Leu-Arg-Glyを有し、C末端がアミド化されており、分子量が570.959であって、休眠制御活性を有することを特徴とする休眠制御物質。
【請求項5】 前記休眠制御物質が天蚕の前幼虫由来のものである請求項4記載の休眠制御物質。
【請求項6】 昆虫の前幼虫体を粉砕したものに、メタノール:水:酢酸からなる酸メタノール液を加え、摩砕後、遠心処理し、得られた上清を逆相高速液体クロマトグラフィおよび混合分離モード高速液体クロマトグラフィに導入することにより、配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列、Asp-Ile-Leu-Arg-Glyを有し、かつC末端がアミド化されており、分子量が570.959である休眠制御物質を得ることを特徴とする休眠制御物質の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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