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イネもみ枯細菌病菌由来の3種類の挿入配列因子

国内特許コード P04A005192
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願平09-056741
公開番号 特開平10-248573
登録番号 特許第3138727号
出願日 平成9年3月11日(1997.3.11)
公開日 平成10年9月22日(1998.9.22)
登録日 平成12年12月15日(2000.12.15)
発明者
  • 長谷部 亮
出願人
  • 農林水産省農業生物資源研究所長
発明の名称 イネもみ枯細菌病菌由来の3種類の挿入配列因子
発明の概要 トランスポゾントラップベクターを用いて単離されたイネもみ枯細菌ゲノム由来の3つのIS因子(挿入配列、Insertion seguence element)およびそれらにコードされるトランスポザーゼ(遺伝子の挿入反応を触媒する酵素)を提供する。本発明の遺伝子は、微生物のゲノム上を動き回り、飛び込んだゲノムの下流の遺伝子を活性化または不活性化する性質を有する。
従来技術、競合技術の概要 転移因子は、ゲノムを動き回ることで転移した前後の遺伝子を不活性化または活性化するのみならず、多様なゲノム再編成(欠失、反転、重複など)を引き起こすことが知られている。またこれら転移因子が微生物の進化や環境適応にとって重要なゲノム可塑性(genome plasticity)を生み出していることが知られている。転移因子は、大きくトランスポゾンと挿入配列(Insertion sequence element、以下IS因子という)に分類することができる。トランスポゾンは、転移に関与する遺伝子の他に抗生物質耐性などの表現形質遺伝子を有する。一方、IS因子とは、大きさが一般的に2kb以下で、遺伝子の転移に関わる以外の表現形質遺伝子を持たない遺伝子として定義されている。IS因子は大腸菌の突然変異を引き起こす因子として1960年代後半に最初に発見された。その後大腸菌群を中心にIS因子の単離と性状解析が進められた。1980年代後半になると大腸菌群以外でもIS因子の単離の報告がなされるようになり、現在では300前後のIS因子の単離が報告されている。単離されたIS因子はその塩基配列や推定されるアミノ酸配列をもとに相互の比較が進められている。その結果、現在まで得られたIS因子は大きくIS1、IS3、IS4などのグループにまとめられつつある。特にIS3ファミリーは大ファミリーで、グラム陰性細菌からグラム陽性細菌まで多くの細菌からこのIS3ファミリーに属するIS因子が単離されている。IS因子の構造の特徴は、末端に逆向きの反復配列が存在し、さらにトランスポザーゼをコードする2つのオープンリーディングフレームを有することである。末端逆向き反復配列は、この部分で組換えが起きることから、転移に重要な役割を果たしていると考えられる。挿入の際、挿入を受けた部位の2~13塩基対がIS因子の両側に同方向反復配列として重複される。トランスポザーゼは、遺伝子の挿入反応を触媒する酵素である。IS因子において、トランスポザーゼは2つのオープンリーディングフレームによりコードされており、翻訳の際に1つのタンパク質として発現される。例えば、IS3ファミリーの場合、2つのオープンリーデイングフレームは重複している。重複部分でフレームシフトがおこり、2つのオープンリーディングフレームが連続して翻訳されることによりトランスポザーゼが発現される。。IS因子は、単に学術上の関心のみならず、菌の同定診断や有用遺伝子の単離に利用できるなど、産業上有用な遺伝子でもある。IS因子がどのようなメカニズムで転移を起こすかは学術的に興味深い。これらの研究は、研究の進めやすい大腸菌群のIS因子IS1、IS3、IS150、IS911などを材料にして研究が進められ、IS1ファミリー及びIS3ファミリーの転移メカニズムについてはその詳細が明らかになりつつある。IS因子は、それぞれホモロジーはあるものの各微生物に特有の配列を持つため、これを利用して菌の分類、同定、診断が行われている。最も実用的に利用されているのは、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)から得られたIS6110であり、結核菌の診断、伝染経路の解明など疫学調査にも貢献している。類似の試みは多くの細菌で進められている。IS因子の特徴として、転移を起こすことで、挿入した前後の遺伝子を活性化または不活化することができる。この機能を積極的に利用して、有用遺伝子の単離のための道具としてIS因子を利用する試みも進められている。ところで、IS因子の単離は、戦略的に進められたきたというよりは、突然変異株の解析によって偶然に得られてきたものがほとんどである。これは、その定義からも分かるように、IS因子には遺伝子転移に関わる以外の表現形質がないため、積極的な単離が困難であったためである。転移因子のポジティブセレクション(ある構造遺伝子の一部に転移因子が転移することによって、検出マーカーが活性化することを利用する手法)が1985年に報告されて以来、類似のトランスポゾントラップベクターが開発され、現在までにAgrobacterium tumefaciens、Pseudomonas cepacia、Rhizobium meliloti、Rhizobiumu leguminosarumなどの細菌からこの手法でIS因子が単離された。しかし、この手法によるIS因子の単離数は10数個であり全体の単離総数から比べればわずかである。ポジティブセレクション手法の開発を受けて、多様な菌からの新たなIS因子の単離が今後、加速化するものと予測される。
産業上の利用分野 Psedomonas glumaeのゲノムより単離された転移因子および転移因子にコードされるトランスポザーゼ
特許請求の範囲 【請求項1】 末端逆向き反復配列として、5'末端に配列番号2の塩基配列、3'末端に配列番号3の塩基配列を有し、該末端逆向き反復配列の間にオープンリーディングフレームとして、配列番号4および配列番号5のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む、IS因子またはそれらの機能的等価物。
【請求項2】 配列番号1の塩基配列からなるIS因子ISmsp2.2。
【請求項3】 末端逆向き反復配列として、5'末端に配列番号7の塩基配列、3'末端に配列番号8の塩基配列を有し、該末端逆向き反復配列の間にオープンリーディングフレームとして、配列番号9および配列番号10のアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む、IS因子またはそれらの機能的等価物。
【請求項4】 配列番号6の塩基配列からなるIS因子ISmsp8.1。
【請求項5】 配列番号11の塩基配列からなるIS因子ISmsp1.1またはその機能的等価物。
【請求項6】 配列番号1の塩基95~塩基1296の塩基配列から発現されるトランスポザーゼまたはその機能的等価物。
【請求項7】 配列番号6の塩基54~塩基856の塩基配列から発現されるトランスポザーゼまたはその機能的等価物。
産業区分
  • 微生物工業
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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