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SINE間配列の制限プライマーを用いたPCRフィンガープリントによる真核生物の個体判別法およびそれに用いるプライマー

国内特許コード P04A005218
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願平10-195692
公開番号 特開2000-023671
登録番号 特許第2913035号
出願日 平成10年7月10日(1998.7.10)
公開日 平成12年1月25日(2000.1.25)
登録日 平成11年4月16日(1999.4.16)
発明者
  • 大原 一郎
  • 中山 一郎
  • 安江 博
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 SINE間配列の制限プライマーを用いたPCRフィンガープリントによる真核生物の個体判別法およびそれに用いるプライマー
発明の概要 【課題】 真核生物ゲノムの短い散在反復配列(SINE)を利用する真核生物の個体判別を提供すること。
【解決手段】 真核生物の個体判別方法であって、真核生物の短い散在反復配列(SINE)の塩基配列の一部とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミスマッチする塩基を1つ以上付加した1つまたは複数の制限プライマーを作製し、真核生物から採取したDNAに前記制限プライマーを作用しプライマーの融解温度より高い温度でのアニーリングを含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)条件下でPCRを行ってSINE間に挟まれた配列を増幅し、PCR産物を電気泳動にかけてフィンガープリントを得、フィンガープリントの多型性の比較から個体を判別することからなる方法、並びにこの方法に用いる制限プライマー。
従来技術、競合技術の概要



個体判別法は、ヒトにおける親子鑑定や法医学領域での個体識別、生態学的研究などで有用である。従来、個体判別法には、シングルプローブ・マルチローカス・マイクロサテライトDNAフィンガープリント法(A.J.Jeffreysら,Nature,316:76-79(1985))、AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)法(ZebeauとVos,欧州特許出願第92402629.7号(1992);Vosら,Nucl. Acids Res.23:4407-4414(1996))などが知られているが、前者は生物1個体あたり約10マイクログラムのDNAを必要とするし、後者はプロトコールがやや煩雑であるといった問題点が指摘されてきた。

動物の染色体には複数のSINEが存在することが知られている。たとえば、ヒトではAluファミリーと呼ばれるSINEが、またサケ・マス類ではOncorhynchus属に存在するHpaIファミリー、SmaIファミリーおよびFokIファミリーと呼ばれる3種類のSINEがそれぞれ知られている(Okada,N.,in "New Aspects of the Geneticsof Molecular Evolution," ed. by Kimura,M. and Takahata,N., Japan Scientific Societies Press, Springer-Verlag,227-241(1991))。SINEは元々哺乳動物を含む動物のゲノムに散在している反復配列のうち長さの短いもの(約500塩基対未満)に対して総称され、ゲノムを転位するトランスポゾン様性質はもっていないと言われているが、その起源はtRNAなどが逆転写されて挿入されたものと考えられており、ヒトのAluファミリーの場合にはタンパク質の分泌に関連した7SL RNAが起源であることが知られている。このSINE配列が種特異的または系統特異的であることに注目して種または系統の識別およびヒトDNAの選択的クローニング等にポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCRと称する)を応用した例も知られている(N.Takasakiら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA91:10153-10157(1994);D.L.Nelsonら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 86:6686-6690(1989);A.R.Brook-Wilsonら,Genomics,13:409-414(1992))。しかし、SINEはゲノム中に極めて多いコピー数(たとえば、Aluファミリーの場合約50万コピー)で含まれているため、ゲノムの一部のみが含まれるようなDNA試料であればSINE配列をそのまま使って設計したプライマーでもフィンガープリント状にPCR産物が検出される場合もあるが、ゲノム全体に同じプライマーを適用してPCRを行った場合には増幅されるDNA断片の数が多すぎて電気泳動の結果がスメア状になりフィンガープリントを得ることができない(D.L.Nelsonら(上掲)、図2参照)。このような状況の中で、本発明者らは、SINE間配列のPCR増幅に基づく個体判別法を開発すべく鋭意研究を行ってきた。

産業上の利用分野



本発明は、SINE(短い散在反復配列;Short Interspersed Repetitive Element)間配列の制限プライマーを用いたPCRフィンガープリントによる真核生物の個体判別法、およびそれに用いるプライマーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
真核生物の個体判別方法であって、真核生物の短い散在反復配列(SINE)の塩基配列の一部とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミスマッチする塩基を1つ以上付加した1つまたは複数の制限プライマーを作製し、真核生物から採取したDNAに前記制限プライマーを作用しプライマーの融解温度より高い温度でのアニーリングを含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)条件下でPCRを行ってSINE間に挟まれた配列を増幅し、PCR産物を電気泳動にかけてフィンガープリントを得、フィンガープリントの多型性の比較から個体を判別することからなる方法。

【請求項2】
前記アニーリング温度が、プライマーの融解温度より2~5℃高い温度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記電気泳動による判別がアガロースゲル電気泳動と臭化エチジウム染色かまたは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動と銀染色もしくは臭化エチジウム染色によるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
真核生物がヒト等の哺乳動物であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
真核生物がサケ・マス類等の魚類であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
ヒト個体を判別するための制限プライマーが配列番号1~30に示されるいずれかの配列からなることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【請求項7】
サケ・マス類の個体を判別するための制限プライマーが配列番号31~49に示されるいずれかの配列からなることを特徴とする請求項5に記載の方法。

【請求項8】
真核生物の短い散在反復配列(SINE)の塩基配列の一部とマッチする配列の3'末端にSINEと関係ないかミスマッチする塩基を1つ以上付加した、真核生物を判別するための制限プライマー。

【請求項9】
配列番号1~30に示される配列の中から選択される、ヒト個体を判別するための制限プライマー。

【請求項10】
配列番号31~49に示される配列の中から選択される、サケ・マス類の個体を判別するための制限プライマー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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