TOP > 国内特許検索 > 植物の胚特異的遺伝子および該遺伝子のプロモータ、並びにそれらの利用

植物の胚特異的遺伝子および該遺伝子のプロモータ、並びにそれらの利用

国内特許コード P04A005224
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2001-358366
公開番号 特開2003-159071
登録番号 特許第3593565号
出願日 平成13年11月22日(2001.11.22)
公開日 平成15年6月3日(2003.6.3)
登録日 平成16年9月10日(2004.9.10)
発明者
  • 福岡 浩之
  • 池田 達哉
  • 矢野 博
出願人
  • 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
発明の名称 植物の胚特異的遺伝子および該遺伝子のプロモータ、並びにそれらの利用
発明の概要 植物において、胚特異的かつ胚発生の極初期段階から発現する遺伝子、並びに、該遺伝子のプロモータであって、胚特異的かつ胚発生の極初期段階から任意の遺伝子を誘導可能なプロモータを提供することを課題とする。 ナタネの未熟花粉培養法を用い、小胞子胚発生を誘導した細胞と通常の花粉形成を継続する細胞との間で遺伝子発現を網羅的に解析した。クローニングした遺伝子の発現制御部位と考えられる上流領域をナタネゲノムDNAを鋳型として逆PCR法によってクローニングした。クローニングしたDNA断片はナタネ花粉胚発生およびシロイヌナズナ接合子胚発生のどちらの過程においても、胚発生極初期から胚組織特異的に外来遺伝子の発現を強く誘導する性質を持つことが明らかとなった。
従来技術、競合技術の概要
植物の種子は穀物や食品原料として利用されていることは言うまでもないが、それ自身が種苗産業における主たる商品として生産・販売されており、その品質や特性を制御し改良することの重要性は論を待たない。今後、ゲノム研究に代表される分子生物学研究の成果に基づき、種子形質の分子育種の重要性はますます大きくなるものと考えられる。遺伝子組換えによる種子形質の人為的改変によって農業生産技術の高度化をはかる上で、導入遺伝子を効率的かつ種子組織特異的に発現させる技術は重要である。
【0003】
これまで胚および胚乳等の種子組織の形成に伴って特異的に発現する遺伝子が単離されるとともにその発現制御を司るプロモータについても数多くの報告があり、その作用機作を詳細に解析した例も多い。しかしながら、それらは種子貯蔵タンパク質をコードする遺伝子に代表される種子発育の比較的後期に発現が誘導される遺伝子に関するものである。胚発生の極初期から種子胚特異的に任意の遺伝子発現を誘導できるプロモータは分子育種の観点から利用価値の高い素材であるが、発生極初期の胚組織は極めて小さくかつ花器官の内部に埋没しており母体側の栄養組織と分離することが困難であることから、これまで解析が進んでいなかった。
【0004】
また、近年、胚発生過程、特に受精卵から球状胚を経て心臓型胚に至り頂端分裂組織が形成されるまでの胚発生の初期段階においては、葉や根等の栄養器官における遺伝子発現制御機構とは異なるメカニズムが存在することが明らかになりつつある。例えば、硝酸イオンによって一意的に誘導されると考えられていた硝酸還元酵素の発現が胚発生過程においては硝酸イオンの有無に関わらず発生ステージ特異的に活性化されることが明らかになっている(Fukuoka H, Ogawa T, Minami H, Yano H, Ohkawa Y (1996) L. Plant Physiol. 111:39-47)。また、植物の遺伝子操作の多くの場面で広く利用され、植物の全ての組織で構成的発現を誘導すると考えられてきたカリフラワーモザイクウイルス由来のCaMV 35Sプロモータが、胚発生の極初期では全く活性をもたないことが報告されている(Custers JBM Snepvangers SCHJ. Jansen H J. Zhang L. van Lookeren Campagne M M. (1999) Protoplasma. 208: 257-264.)。このように、従来の遺伝子発現制御技術では、胚発生初期に胚組織特異的に任意の導入遺伝子の発現制御を行うことは困難である。これを可能とする技術は、単細胞不定胚誘導系を利用した遺伝子操作技術およびアポミクシスの人為的誘導技術の開発等、高等植物の生殖メカニズムを利用して品種育成および種苗生産技術の効率化・高度化を図る上で極めて有用であると考えられる。しかし、そのような目的に利用可能なプロモータに関する報告は皆無であった。
産業上の利用分野
本発明は、植物の胚特異的遺伝子および該遺伝子のプロモータ、並びにそれらの利用に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】植物の胚発生特異的に発現する、以下の(a)~(c)のいずれかに記載のDNA。
(a)配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:6に記載のアミノ酸配列において1または複数のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(c)配列番号:5に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。
【請求項2】請求項に記載のDNAによりコードされるタンパク質。
【請求項3】以下の(a)または(b)のいずれかに記載の胚発生特異的プロモータ活性を有するDNA。
(a)配列番号:7、8または9のいずれかに記載の塩基配列からなるDNA。
(b)配列番号:7、8または9のいずれかに記載の塩基配列において1または複数の塩基が置換、欠失、付加、および/または挿入された塩基配列からなるDNA。
【請求項4】請求項1またはに記載のDNAを含むベクター。
【請求項5】請求項1もしくはに記載のDNA、または請求項に記載のベクターを保持する形質転換植物細胞。
【請求項6】請求項に記載の形質転換植物細胞を有する形質転換植物体。
【請求項7】請求項に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。
【請求項8】請求項またはに記載の形質転換植物体の繁殖材料。
【請求項9】請求項またはに記載の形質転換植物体の製造方法であって、請求項1もしくはに記載のDNA、または請求項に記載のベクターを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を再生させる工程を含む方法。
【請求項10】被験化合物について、請求項に記載のDNAの胚発生特異的プロモータ活性を調節するか否かを評価する方法であって、
(a)請求項に記載のDNAとレポーター遺伝子とが機能的に結合した構造を有するDNAを含む細胞または細胞抽出液と、被験化合物を接触させる工程、
(b)該レポーター遺伝子の発現レベルを測定する工程、
を含み、被験化合物が該レポーター遺伝子の発現レベルを変化させた場合に、被験化合物が請求項に記載のDNAの胚発生特異的プロモータ活性を調節すると判定される方法。
【請求項11】以下の工程(a)および(b)を含む、請求項に記載のDNAの胚発生特異的プロモータ活性を調節する化合物のスクリーニング方法。
(a)請求項10に記載の評価方法により、被験化合物について、請求項に記載のDNAの胚発生特異的プロモータ活性を調節するか否かを評価する工程。
(b)被験化合物から、請求項に記載のDNAの胚発生特異的プロモータ活性を調節すると評価された化合物を選択する工程。
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

13412_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close