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植物を矮性化させる方法

国内特許コード P04A005245
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願平10-189773
公開番号 特開2000-004884
登録番号 特許第3051874号
出願日 平成10年6月19日(1998.6.19)
公開日 平成12年1月11日(2000.1.11)
登録日 平成12年4月7日(2000.4.7)
発明者
  • 芦苅 基行
  • 吉村 淳
  • 矢野 昌裕
  • 松本 隆
  • 佐々木 卓治
  • 呉 健忠
  • 山本 公子
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 植物を矮性化させる方法
発明の概要 【課題】 本発明は、植物の矮性に関与する遺伝子の発現を抑制することによる植物を矮性化させる方法、および植物の矮性化に利用するための分子を提供することを課題とする。
【解決手段】 マップベースクローニングの手法を用いることにより、イネに矮性の異常をもたらすd1変異の原因となる単一の遺伝子を広大な染色体領域において同定し、単離した。単離したd1遺伝子の塩基配列を決定し、これと構造的に関連した遺伝子のデーターベース検索を行った結果、d1遺伝子は、植物のGタンパク質αサブユニットとしてこれまで知られてきたイネのRGA1遺伝子として特徴づけされていた遺伝子と同一遺伝子であった。RGA1遺伝子が植物の矮性に関与するという報告はこれまでになされておらず、本発明者らは、d1(RGA1)遺伝子を利用することにより、植物を矮性化させることが可能であることを見出した。
従来技術、競合技術の概要


植物体を小型化することは、農業や園芸において様々な意義を有する。例えば、草丈またはかん長を小型化することで、新たな美的価値を有する観賞用植物を作出することが可能であり、また、野菜や果実を小型化することで一口サイズなどの新たな商品価値を有する作物を作ることもできる。また、このような産業上の利用以外でも、例えば、実験用植物の小型化は、その取り扱いやすさのみならず、植物の栽培空間の減少による実験空間の有効利用の観点から重要である。
植物の小型化において、特に植物の草丈あるいはかん長が野生型(正常型)より短くなる特性は矮性と呼ばれる。この特性を示すイネ品種や系統はγ-線や化学物質による突然変異誘起処理において数多く見い出されており、それらの遺伝解析も古くから進められてきた。これまでに60種類以上の遺伝子がこの矮性に関与することが知られている(Rice Genetic Newsletter Vol.12:30-32 (1995))。しかしながら、なぜ矮性形質を表現するのかについての知見は少なく、少数の矮性変異体が植物成長ホルモンであるジベレリンの生合成に関与する遺伝子の変異によって生じていることがあきらかになっているにすぎない。
イネ矮性変異体のなかでも大黒型矮性は、特に第2節間の伸長を抑制し、その結果として草丈を正常型の半分以下にするばかりでなく、粒が小円型になる特徴があることで知られている(明峰正夫 日本学術会報告1巻:108-314(1925)、中山 包 信州大文理学部紀要 4巻:1-31(1954)、高橋萬右衛門・武田和義北大農邦文紀要7巻:32-43(1969))。また、この大黒型矮性は遺伝解析の結果、イネ第5染色体上の単一の劣性遺伝子d1によって支配されていることが明らかとなっている(Nagao and Takahashi J. Fac. Agr., Hokkaido Univ. 53:72-130(1963)、Iwata and Omura Jpn.J.Genet. 51:135-137(1976))。d1遺伝子の変異体においては、植物ホルモンの一種であるジベレリンの含量は高く正常型とほぼ同じであり、外生ジベレリンの処理によっては草丈は回復しない(Suge, H. and Y. Murakami Plant and Cell Physiol.,9, 411-414 (1968))。この特徴から、d1遺伝子は植物体内でのジベレリン生合成に関与するのではなく、ジベレリンの受容体あるいはそれ以降のシグナル転移に関与する遺伝子座であることが推定されている(Mitsunaga, S., T. Tashiro, and J. Yamaguchi Theor.Appl. Genet.87:705-712(1994))。
このため、大黒型矮性遺伝子d1を単離し、その遺伝子産物の機能を明らかにすることは、植物における形態形成過程を明らかにする上で重要となるばかりでなく、その知見を利用して植物の大きさの人工的な制御をおこなう上で極めて重要であると考えられる。

産業上の利用分野


本発明は、植物を矮性化させる方法および該方法に用いられる分子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物を矮性化するために用いる、下記(a)から(c)のいずれかに記載のDNAの転写産物と相補的なアンチセンスRNAをコードするDNA。
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA。
(c)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、その発現が抑制されることによって植物の矮性化が誘導されるDNA。

【請求項2】
植物を矮性化するために用いる、請求項1の(a)から(c)のいずれかに記載のDNAの転写産物を特異的に開裂するリボザイム活性を有するRNAをコードするDNA。

【請求項3】
植物細胞における発現時に、共抑制効果により、請求項1に記載の(a)から(c)のいずれかに記載のDNAの発現を抑制させるRNAをコードするDNAであって、下記(a)から(c)のいずれかに記載のDNAを含む、植物を矮性化するための試薬
(a)配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNA。
(c)配列番号:2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするDNA。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のDNAを発現可能に保持するトランスジェニック植物細胞。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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