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リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの検出方法及び検出用プライマー

国内特許コード P04A005249
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2000-081878
公開番号 特開2001-258571
登録番号 特許第3459976号
出願日 平成12年3月23日(2000.3.23)
公開日 平成13年9月25日(2001.9.25)
登録日 平成15年8月15日(2003.8.15)
発明者
  • 吉田 幸二
  • 中原 健二
  • 伊藤 伝
  • 須崎 浩一
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの検出方法及び検出用プライマー
発明の概要 本発明は、(1)非検植物の組織から抽出したRNAを鋳型として使用し、ACLSVの複数の分離株のゲノムRNAの第1部分領域を増幅し得る第1の相同プライマー及び第1の相補プライマーを用いる核酸増幅を行って第1の増幅産物を取得する。(2)次いで前記第1の増幅産物を鋳型として使用し、ACLSVの前記複数の分離株のゲノムRNAの前記第1の部分領域に含まれる第2の部分領域を増幅し得る第2の相当プライマー及び第2の相複プライマーを用いる核酸増幅を行って第2の増幅産物を取得する。上記(1)および(2)の工程を用いることにより、前記被検植物からACLSVを検出する方法を提供するものである。
従来技術、競合技術の概要 ACLSVは、リンゴ高接病を引き起こす3種類の病原ウイルスの一つで、リンゴ台木であるマルバカイドウを衰弱させる。世界にも広く分布し、リンゴの他にモモ、スモモ、オウトウ、アンズを犯す重要病害である。ACLSVは、約2.5×103kDaの一本鎖RNAと22kDaの外皮タンパク質からなるウイルスである。従って、被検植物がACLSVに感染しているかどうかの診断は、指標植物への接ぎ木による生物検定法、外皮タンパク質に対する抗体を用いた免疫検定法、例えば固相酵素免疫検定法(enzyme-linked immunosorbent assay、以下「ELISA」という。)、ウイルスゲノムに対する相補的なDNA又はRNAをプローブとして用いるハイブリダイゼーション法などにより行われていた。しかし、生物検定法は感度が高いものの、数ヶ月から数年の検定期間を要し、さらにACLSV潜在系統では病徴が弱いか又は病徴を示さない場合があるため、判定が困難である。また、ELISAやハイブリダイゼーションでは、指標植物においてはACLSVを検出できるものの、ウイルス濃度が低いリンゴ樹から直接検出するには感度が充分でなく、検出できるのは花弁と同時期に採取された若葉だけである。最近、遺伝子の特定の配列を指数関数的に増幅する方法が開発された。一つは、特定のDNA断片を指数関数的に増幅するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法である。もう一つは、特定のRNA断片を指数関数的に増幅する方法で、Nucleic Acid Sequence-Based Amplification (NASBA)法である。これらの方法はウイルス診断にも応用されている。すなわち、ウイルスゲノムの一部の配列を指数関数的に増幅した後に、得られる増幅断片をゲル電気泳動やハイブリダイゼーションで検出することにより、非常に高感度にウイルスを検出することができる。さらに、より高感度にウイルス等を検出する方法として、ネスティドPCRやネスティドNASBAが開発されている。ACLSVには、マルバカイドウに対して病原性の違う分離株(潜在系から強毒系)がある。一方、リンゴ、スモモ及びオウトウが保毒するACLSVのゲノムの全塩基配列がそれぞれ決定されており、それらの間で塩基配列を比較すると、多くの領域で配列の違いが認められる(相同性:76~82%)。従って、リンゴ樹の保毒する病原性の違うACLSV分離株間で、ゲノムの塩基配列に違いがある可能性が考えられる。さらに、リンゴ樹が保毒する各ACLSV分離株は複数の塩基配列を含むヘテロな集団であることが判明している。従って、上述の遺伝子増幅法をACLSVの検出に応用する場合、あるACLSVゲノムに対して設計した一種類のプライマーでは、全てのACLSV分離株のゲノム配列を増幅することはできないと考えられる。リンゴ樹が保毒するACLSVの検出方法として遺伝子増幅法を用いた方法は非常に有望であるが、上述のように、従来の方法は、ACLSV分離株全てを診断するには適していない。
産業上の利用分野 植物ウイルスの検出方法、より詳細には、リンゴクロロティックリーフスポットウイルス(apple chlorotic leaf spot virus、以下「ACLSV」という。)の複数の分離株を同時に検出する方法、及び該方法に用いることのできるオリゴヌクレオチド
特許請求の範囲 【請求項1】 (i)被検植物の組織から抽出したRNAを鋳型として使用し、リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの複数の分離株のゲノムRNAの第1の部分領域を増幅し得る第1の相同プライマー及び第1の相補プライマーを用いる核酸増幅を行って第1の増幅産物を取得し;次いで(ii)前記第1の増幅産物を鋳型として使用し、リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの前記複数の分離株のゲノムRNAの前記第1の部分領域に含まれる第2の部分領域を増幅し得る第2の相同プライマー及び第2の相補プライマーを用いる核酸増幅を行って第2の増幅産物を取得する;ことにより、前記被検植物からリンゴクロロティックリーフスポットウイルスを検出する方法であって、前記第1の相同プライマーが配列番号1、2又は3で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、かつ前記第2の相同プライマーが、(i)前記第1の相同プライマーが配列番号1で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号2、3若しくは4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;(ii)前記第1の相同プライマーが配列番号2で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号3若しくは4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;又は(iii)前記第1の相同プライマーが配列番号3で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;であり、前記第1の相補プライマーが配列番号6、7又は8で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、かつ前記第2の相補プライマーが、(iv)前記第1の相補プライマーが配列番号6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号5で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;(v)前記第1の相補プライマーが配列番号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号5若しくは6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;又は(vi)前記第1の相補プライマーが配列番号8で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、配列番号5、6若しくは7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;であることを特徴とする、ウイルス検出方法。
【請求項2】 前記第1の相同プライマーが配列番号3で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の相同プライマーが配列番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第1の相補プライマーが配列番号6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、かつ前記第2の相補プライマーが配列番号5で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである請求項1記載のウイルス検出方法。
【請求項3】 リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの前記複数の分離株が、P205株、P195株、P195L株、PK32株、PK51株、P142株、P143株、P202株、PK5株、P125株、MK1株、MK8株、MK9株、MO31株、MO41株及びB81株である請求項1又は2記載のウイルス検出方法。
【請求項4】 前記被検植物が、リンゴ、モモ、スモモ、オウトウ又はアンズである請求項1~3のいずれか1項に記載のウイルス検出方法。
【請求項5】 前記組織が花弁、葉又は樹皮である請求項1~4のいずれか1項に記載のウイルス検出方法。
【請求項6】 以下の第1の相同プライマーとその相補プライマー及び第2の相同プライマーとその相補プライマーからなる、プライマーセット:(i)第1の相同プライマーが配列番号1で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相同プライマーが配列番号2、3若しくは4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;(ii)第1の相同プライマーが配列番号2で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相同プライマーが配列番号3若しくは4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;又は(iii)第1の相同プライマーが配列番号3で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相同プライマーが配列番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;であり、かつ、(iv)第1の相補プライマーが配列番号6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相補プライマーが配列番号5で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;(v)第1の相補プライマーが配列番号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相補プライマーが配列番号5若しくは6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド;又は(vi)第1の相補プライマーが配列番号8で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである場合には、第2の相補プライマーが配列番号5、6若しくは7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチド。
【請求項7】 配列番号3、配列番号4、配列番号5、及び配列番号6で表される塩基配列をそれぞれ含むオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット。
【請求項8】 (i)被検植物の組織から抽出したRNAを鋳型として使用し、リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの複数の分離株のゲノムRNAの第1及び第2の部分領域を増幅し得る第1及び第2の相同プライマー並びに第1及び第2の相補プライマーを用いる核酸増幅を行って第1の増幅産物を取得し;次いで(ii)第1の増幅産物を鋳型として使用し、リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの前記複数の分離株のゲノムRNAの第3及び第4の部分領域を増幅し得る第3及び第4の相同プライマー並びに第3及び第4の相補プライマーを用いる核酸増幅を行って第2の増幅産物を取得する;ことにより、前記被検植物からリンゴクロロティックリーフスポットウイルスを検出する方法であって、前記第1の相同プライマーが配列番号1で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の相同プライマーが配列番号3で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第3の相同プライマーが配列番号2で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第4の相同プライマーが配列番号4で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第1の相補プライマーが配列番号8で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第2の相補プライマーが配列番号6で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、前記第3の相補プライマーが配列番号7で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドであり、かつ前記第4の相補プライマーが配列番号5で表わされる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである、ウイルス検出方法。
【請求項9】 リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの前記複数の分離株が、P205株、P195株、P195L株、PK32株、PK51株、P142株、P143株、P202株、PK5株、P125株、MK1株、MK8株、MK9株、MO31株、MO41株及びB81株である請求項8記載のウイルス検出方法。
【請求項10】 前記被検植物が、リンゴ、モモ、スモモ、オウトウ又はアンズである請求項8又は9に記載のウイルス検出方法。
【請求項11】 前記組織が花弁、葉又は樹皮である請求項8~10のいずれか1項に記載のウイルス検出方法。
【請求項12】 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、及び配列番号8で表わされる塩基配列をそれぞれ含むオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット。
産業区分
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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08808_02SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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