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動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体及びこの担体を用いる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の培養方法

国内特許コード P04A005268
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2000-347924
公開番号 特開2002-142753
登録番号 特許第3603103号
出願日 平成12年11月15日(2000.11.15)
公開日 平成14年5月21日(2002.5.21)
登録日 平成16年10月8日(2004.10.8)
発明者
  • 竹澤 俊明
  • 今井 敬
  • 高橋 透
  • 橋爪 一善
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体及びこの担体を用いる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の培養方法
発明の概要 培養系において動物の受精卵の挙動を容易に観察することができ、かつ、受精卵の接着及び三次元的な発育を初めて可能にした、動物の受精卵の共培養担体を提供すること、並びに、当該共培養担体を用いた動物の受精卵の培養方法を提供すること。 動物の受精卵と共培養して受精卵の接着及び三次元的発育を誘導するための担体であって、細胞組込型三次元組織再構築体からなる、動物の受精卵の共培養担体の提供、並びに、前記共培養担体を培養容器に装入して動物の受精卵を培養することを特徴とする、動物の受精卵の培養方法の提供。
従来技術、競合技術の概要



これまでに、培養系で精子と卵子とを体外受精させて受精卵(接合子)を作製して、さらに受精卵を卵割、桑実胚、胞胚の段階を経て、透明帯が変性消失した後期胞胚の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胞胚の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術[ assisted reproductive technology(ART)]が、家畜領域のみならずヒトの不妊医療でも確立されている。





また、受精卵(後期胞胚)は、生体内では子宮内膜へ着床して、内細胞塊(胚結節)が三層の胚盤に移行する原腸胚形成過程をはじめ初期胚発生の段階へと発育するが、培養系ではこのような発育を可能にする技術はまだ報告がない。

つまり、これまでの培養系では、受精卵(後期胞胚)を培養し続けても、二次元的に単層細胞を増殖するのみであって、原腸胚や神経胚の形成が起こるような初期胚様構造を有した三次元の構築体は作製できていない。





一方、培養細胞とその足場(培養担体)から組織を再構築する組織工学の基盤技術は、ここ10年間で欧米を中心に著しく進歩して、比較的単純な構造の臓器では、基本的な再構築方法が確立された[ Ferber, D., Science 284, 422-425, (1999)]。





これまでに、細胞や細胞外マトリックス構成成分を三次元的に組み立てて組織を構築するために、数多くの素材から様々な形状の支持体が開発されてきた。

本発明の発明者らは、支持体として綿製ガーゼなどのメッシュ体を利用した組織工学の基盤技術をすでに確立している(特開平7-298876号公報、特許第3081130号公報)。





さらに、本発明者らは、臓器に対して連続的三段階灌流を施すことで、大多数の当該臓器構成細胞を分離することなく、臓器を培養バージョンに改変して器官様構造体(オルガノイド)を再構築する新しい器官工学の方法を既に確立している(特開平11-164684号公報)。

また、子宮内膜の再構築技術に関しては、ヒトの子宮内膜上皮細胞と間質細胞とをコラーゲンゲル内に共培養すると、上皮細胞は子宮腺様構造を再構築することが報告されている[ Akoum, A. ら、J. Reprod. Med., 41, 555-561, (1996)]。





さらに、家兎では、再構成基底膜であるマトリゲル上に子宮内膜上皮細胞を培養した後、その上に着床直前の胞胚を置いて共培養した報告があり、共培養後48時間目にトロホブラスト(栄養膜細胞)と上皮細胞の細胞融合が起こるとの記載はある[富永敏朗,日本産婦人科学会雑誌,48,591-603,(1996)]が、胞胚由来の細胞が発育して原腸胚や神経胚の形成が起こるような初期胚様構造を有した三次元の構築体を形成したというような記載はない。

つまり、動物の受精卵を培養して、三次元的な発育を誘導するような培養担体もしくは共培養担体の報告は未だない。

産業上の利用分野



本発明は、動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体と、この担体を用いる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の培養方法とに関する。さらに詳しくは、本発明は、培養系において動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の接着及び三次元的発育を誘導するための担体であって、細胞組込型三次元組織再構築体からなる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体と、この担体を用いる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の培養方法に関するものである。





本発明によれば、培養系において受精卵を三次元的に発育させることが可能となり、生体内で着床した受精卵の初期発生胚子との相違点の解明、催奇形性物質の評価、もしくは受精卵より初期発生した胚子の移植等に有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵と共培養して受精卵の接着及び三次元的発育を誘導するための細胞組込型三次元組織再構築体からなる動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体であって、前記細胞組込型三次元組織再構築体が、動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵由来の三次元の組織を発育するための足場となるものであり、動物(但し、ヒトを除く。)由来の細胞、組織又は器官のいずれかより再構築され、少なくとも一種類以上の細胞を1又はそれ以上の細胞外マトリックス構成成分と共に培養することにより得られる、少なくとも一種類以上の細胞と1又はそれ以上の細胞外マトリックス構成成分とを含有するものである、動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の共培養担体。

【請求項2】
前記細胞組込型三次元組織再構築体が、さらに1又はそれ以上のメッシュ体と共に培養することにより得られる、さらに1又はそれ以上のメッシュ体を含有するものである、請求項1記載の共培養担体。

【請求項3】
細胞組込型三次元組織再構築体に組込まれている細胞が、受精卵と同種又は異種の動物(但し、ヒトを除く。)由来の細胞であることを特徴とする請求項1又は2記載の共培養担体。

【請求項4】
細胞組込型三次元組織再構築体に組込まれている細胞が、子宮内膜由来の細胞であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の共培養担体。

【請求項5】
細胞組込型三次元組織再構築体に組込まれている細胞が、予めマイトマイシンCで処理されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の共培養担体。

【請求項6】
細胞外マトリックス構成成分が、ゲル化していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の共培養担体。

【請求項7】
細胞外マトリックス構成成分が、コラーゲンゲルである請求項記載の共培養担体。

【請求項8】
メッシュ体が、天然又は合成の糸及び/又はその織成体からなることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の共培養担体。

【請求項9】
メッシュ体が、生体吸収性であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の共培養担体。

【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の共培養担体を培養容器に装入して動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵を培養することを特徴とする、動物(但し、ヒトを除く。)の受精卵の培養方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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13421_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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