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カイコ卵へのポリヌクレオチドの効率的導入方法

国内特許コード P04A005312
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2001-284927
公開番号 特開2003-088273
登録番号 特許第4132760号
出願日 平成13年9月19日(2001.9.19)
公開日 平成15年3月25日(2003.3.25)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
発明者
  • 田村 俊樹
  • 神田 俊男
  • 全 国興
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 カイコ卵へのポリヌクレオチドの効率的導入方法
発明の概要 【課題】 効率的なカイコ卵へのポリヌクレオチドの導入方法および該ポリヌクレオチド導入方法を用いた効率的なトランスジェニックカイコの作製方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明者らは、これまで別々のマニュピュレーターで操作していたタングステン針とガラスキャピラリーを一体型のマニュピュレーターに固定することで、マニュピュレーターのレバー操作によってタングステン針で空けた卵表面の穴にガラスキャピラリーを容易に挿入できるDNA導入用の装置の構築を行った。さらに、卵の方向を揃えてスライドグラス上に固定する方法を開発した。上記の装置と方法を使用することで、カイコ卵内の目的の位置へのDNAの導入が著しく容易になり、トランスジェニックカイコの作出効率が従来の方法の10倍以上になることが明らかとなった。
従来技術、競合技術の概要


カイコ(Bombyx mori)に外来遺伝子を導入し、トランスジェニックカイコを作ることは長い間できなかった。2000年になってようやく、他の昆虫で見いだされたトランスポゾンを利用することによって、トランスジェニックカイコを作る方法が開発された(Tamura,T., Thibert,C., Royer,C., Kanda,T., Abraham, E., Kamba, M., Komoto, N., Thomas, J.-L., Mauchamp, B., Chavancy, G., Shirk, P., Fraser, M., Prudhomme, J.-C., and Couble, P. (2000). A piggyBac-derived vector efficiently promotes germ-line transformation in the silkworm Bombyx mori L. Nature Biotech., 18, 81-84.)。



これはDNA型のトランスポゾンを持つプラスミドに外来遺伝子を挿入し、得られたプラスミドを大腸菌中で増殖し、精製したものをカイコの卵に注射する方法である(図1)。この場合、カイコの卵殻が固いため卵への注射は2つのマニピュレーターに別々に固定したタングステン針とガラスキャピラリーを用い、タングステン針で空けた卵の穴に、ガラスキャピラリーを誘導して卵内に挿入し、DNAを注射する方法がとられていた。また、卵は産卵台紙に産卵したものをそのまま紙と共にスライドグラスに張り、注射に用いられている。しかし、この方法では卵へのDNAの注射に熟練が必要で、特にタングステン針で空けた卵表面の穴にガラスキャピラリーをガイドし、キャピラリーの先端を卵内に挿入するのが困難であった。さらに、卵へのキャピラリーの挿入角度を低くすることができず、卵内への注射部位を自由に設定することが困難であった。実際に、従来の方法でトランスジェニックカイコを作出した場合の出現率は約1%と低く、このことが上記トランスジェニックカイコの作出方法を利用する面での大きな障害となっていた。これに加え、トランスポゾンを利用して卵にDNAを注射しトランスジェニック個体を作る場合、別の外来遺伝子を挿入すると全体として挿入する遺伝子のサイズが大きくなり、このことによってトランスジェニック個体の出現率が著しく低下することが知られている。そのため、目的とする外来遺伝子が挿入されたトランスジェニックカイコを作出するためには、従来の方法では非常に多くの労力を必要とした。



トランスジェニックカイコは医薬品等のカイコでの生産や耐病性の品種の作製、新しい形質を付与した絹の生産等の多くの実用的な分野で利用できる。そのため、従来の技術を改良し、トランスジェニックカイコの作出効率を高める方法の開発が強く望まれていた。

産業上の利用分野


本発明は、効率的にトランスジェニックカイコを作出する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
トランスジェニックカイコの作製に利用するための、カイコ卵へのポリヌクレオチドの導入方法であって、該卵の背側の側面の位置にポリヌクレオチド注入用の管を、挿入角度が該卵の背側の側面に対して80°から90°となるように卵内に挿入し、卵の背側の卵表から0.01mm0.05mmの位置にポリヌクレオチドを注入することを特徴とする方法。

【請求項2】
以下の(a)および(b)の工程を含む、トランスジェニックカイコの作製に利用するための、カイコ卵へのポリヌクレオチドの導入方法。
(a)カイコ卵の背側の側面に針で穴を空ける工程
(b)ポリヌクレオチド注入用の管を、挿入角度が該卵に対して80°から90°となるように該穴から卵内に挿入し、卵の背側の卵表から0.01mm0.05mmの位置にポリヌクレオチドを注入する工程

【請求項3】
針とポリヌクレオチド注入用の管が一体型となったマニュピュレーターを使用する、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
カイコ卵が基板に固定されている、請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法により、カイコ卵にポリヌクレオチドを導入する工程を含むことを特徴とするトランスジェニックカイコの作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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