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海藻発酵食品およびその製造方法

国内特許コード P04A005323
掲載日 2005年1月11日
出願番号 特願2001-191784
公開番号 特開2003-000201
登録番号 特許第3538641号
出願日 平成13年6月25日(2001.6.25)
公開日 平成15年1月7日(2003.1.7)
登録日 平成16年4月2日(2004.4.2)
発明者
  • 内田 基晴
  • 村田 昌一
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 海藻発酵食品およびその製造方法
発明の概要 【課題】 海藻を原料とする、健康機能性を有する海藻発酵食品およびその製造法。
【解決手段】 海藻類をセルラーゼを含む糖質分解酵素により分解し、単細胞性の粒子に変換するとともに,乳酸菌および酵母を加えたコンソーシアムにより発酵させることを特徴とする単細胞性の粒子よりなり、健康機能性を有する海藻発酵食品およびその製造方法。海藻発酵食品は、そのままでヨーグルトあるいはムースのような物性を有し、そのままあるいはごはんにのせて食する、あるいは野菜サラダ等にかけて食するあるいは、乾燥して粉チーズに似た風味と物性を有するため各種トッピング材としてなど様々な様式で食品として利用できる。血中中性脂質濃度および肝臓脂質含量を低下させる作用を有する。
従来技術、競合技術の概要


発酵食品は、長い人類の歴史のなかで、乳や糖質素材を放置した場合に、偶然それが発酵したことを観察したことが端緒となって作られるようになったといわれており、まさに発明による食品といえる。このような発酵食品は、今日の我々の台所にいろいろな食材を提供しており、豊かな食生活を送るうえで多大な貢献をしている。さらに最近では、発酵食品を食する習慣が長寿を育む原因であることを示唆する疫学調査や、発酵食品に含まれる乳酸菌が腸内細菌相に影響を与え健康維持の目的に好影響を及ぼすことを示唆する研究結果の蓄積がおこなわれ、健康な食生活を送るための食品素材として注目されている。特に現代社会においては、高脂血症、脂肪肝、糖尿病などの生活習慣病と呼ばれる症例が増加する傾向にあり、これらを予防する機能を有する食品は今後、益々重要な価値を有するものと考えられる。
発酵食品は、チーズ、ヨーグルト等のように動物性素材を基質として発酵させたものとみそ、大豆醤油、納豆等のように植物性素材を発酵させたものとの二つに大きく分けられる。食品素材を収穫する場所を陸系と水系(或いは海洋系)に分けて考えた場合、これまで陸系素材を原料とした発酵食品が、市場で大きな地位を占めているのに対し、水系素材を原料とした発酵食品は、魚醤油、塩から、くさや、鰹節等、数えるほどしかなく、市場に占める地位も限られている。しかも、これらはすべて魚介類という動物性素材を基質にした発酵食品ということができ、水系においては植物性素材を原料とした発酵食品はこれまでほとんどみられなかった。
水系における植物性素材としては、海藻と微細藻類とがあるが、海藻については、長い歴史をもって食品素材として親しまれてきた。特に日本人は、海藻を好んで食する習慣があり、海藻が健康に良いという認識が広く浸透している。従って、これに発酵という要素を付け加えた、全く新しい種類の食材が発明された場合、それが食材として受け入れられるための素地ができあがっているものと期待される。さらに、もしその食材に健康機能性が認められれば、日本型食生活に良くなじむ画期的な食品素材といえる。
海藻を発酵させる技術に関しては、これまでにいくつかの特許が出願されている。例えば、海藻酒および海藻酢の製造方法がみられる。前者は特公昭55-71475の「海藻抽出液による酒類製造法」であり、後者は特公平 10-304866の「海藻酢の製造方法」である。しかしこれら2つの発明は、いずれも加糖をして発酵をおこさせており、海藻は風味、色合い等を加える目的で副原料として使用されているに過ぎず、真の意味で海藻を主原料として発酵させて得られた食品とはいえない。
本発明では、発酵のための加糖をいっさいせず、海藻のみで発酵させている点が従来の技術と大きく異なる。また本発明では、海藻にセルラーゼを作用させ、海藻中の硬い成分であるセルロースを分解するとともに、海藻全体を直径約10μmの単細胞性の粒子に変換している点も大きな特徴である。この海藻を単細胞化する技術については、本発明者が特許第 2772772号「海藻デトリタスの製造法」および特願2000-300399号「海藻デトライタス発酵飼料の製造法」において独自に発明し、完成させた技術であるが、これら2件の発明では、利用の目的を水産初期餌飼料としての利用に限定した発明であった。本発明では、この発酵産物が微細粒子であることにより滑らかなヨーグルトに似た物性を有する点、あるいは条件により炭酸ガスを含有することによりムースのような物性を有する点、フルーティーな芳香臭を有する点、あるいは条件によりチーズのような特徴ある臭気を有する点、保存性に優れる点、健康性機能が知られている乳酸菌を含有する点などに着目し、新たな食品としての可能性を追求するため鋭意努力をおこなった結果、健康機能性を有する海藻発酵食品というまったく新しい食品素材あるいは食品を発明するに至った。

産業上の利用分野


本発明は、海藻発酵食品およびその製造方法に関する。本発明の海藻発酵食品は、食用に供され、食品素材あるいはそのまま飲食品 (以下、これらを食品ということがある) として使用することができる。例えば本発明の海藻発酵食品は、そのままで飲食したりあるいはご飯や野菜サラダにかけるなどして利用することができ、また魚類塩干品等を製造するための漬けだれとして、また乾燥処理することによりパスタ、お好み焼き等のトッピング素材としてなど様々な様式で食品として利用することができる。しかもこれらの食品は、血中中性脂質低減作用、肝臓脂質低減作用等さまざまな健康機能性を有する。

特許請求の範囲 【請求項1】
海藻類を、セルラーゼを含む糖質分解酵素により分解して単細胞の粒子に変換するとともに乳酸菌及び/又は酵母により発酵させて得られる、単細胞の粒子よりなり発酵されている海藻発酵食品。

【請求項2】
健康機能性を有する請求項1記載の海藻発酵食品。

【請求項3】
健康機能性が血中中性脂質(トリグリセライド)低減作用および肝臓脂質(トリグリセライド及びコレステロール)低減作用である請求項2記載の海藻発酵食品。

【請求項4】
海藻類をセルラーゼを含む糖質分解酵素により分解して単細胞性の粒子に変換するとともに乳酸菌及び/または酵母により発酵させることを特徴とする請求項1記載の海藻発酵食品の製造方法。

【請求項5】
海藻類がワカメである請求項4記載の海藻発酵食品の製造方法。

【請求項6】
乳酸菌がLactobacillus 属、酵母がDebaryomyces属、Candida 属およびSaccharomyces 属からなる群から選択される1種またはそれ以上である請求項4記載の海藻発酵食品の製造方法。

【請求項7】
乳酸菌が Lactobacillus brevis NRIFS B5201株(FERM BP-7301)、酵母がDebaryomyces hansenii NRIFS Y5201株 (FERM BP-7302) および Candida zeylanoides NRIFS Y5206 株(FERM BP-7303)である請求項6記載の海藻発酵食品の製造方法。

【請求項8】
海藻発酵食品が健康機能性を有するものである請求項4~7のいずれかに記載の海藻発酵食品の製造法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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08881_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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