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微生物固定化マイクロカプセルの製造方法

国内特許コード P04P001453
整理番号 Y2002-P485
掲載日 2005年1月18日
出願番号 特願2003-132626
公開番号 特開2004-329159
登録番号 特許第4133567号
出願日 平成15年5月12日(2003.5.12)
公開日 平成16年11月25日(2004.11.25)
登録日 平成20年6月6日(2008.6.6)
発明者
  • 幡手 泰雄
  • 吉田 昌弘
  • 永徳 圭一
  • 河野 恵宣
  • 上村 芳三
  • 樋之口 大作
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 微生物固定化マイクロカプセルの製造方法
発明の概要

【課題】安定な微生物固定化構造体を簡便に得ることのできる技術を提供する。
【解決手段】微生物および水中でゲル形成性を有する保護材ポリマーを含有する水溶液を、壁材ポリマーとなるポリマーを含有する有機溶媒であって壁材ポリマーを溶解する良溶媒である有機溶媒Aおよび該有機溶媒Aより高沸点で壁材ポリマーに対する溶解度の小さい貧溶媒である有機溶媒Bから成る有機相中に添加して乳化させることにより、微生物を内包する保護剤ポリマーを含有する水滴微粒子が有機相中に分散したW/Oエマルションを調製し、該W/Oエマルションを水相に添加して乳化させてW/O/Wエマルションを調製し、該W/O/Wエマルションから、加温または加温・減圧により、先ず有機溶媒Aを蒸発・除去し、次いで有機溶媒Bを蒸発・除去して壁材ポリマーを結晶化させる。種々の分野で有用な中空で多孔質の微生物固定化マイクロカプセルが得られる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
有用な微生物を一定の空間に保持し固定化することは、該微生物の機能を利用して所望の物質の合成、精製または分離等を行うのに不可欠の手段であるが、目的の有用微生物を安定且つ簡便に固定化し得るものとして確立された技術はあまり見当らない。
【0003】
特開平10-327700号公報(特許文献1)には、微生物(硝化菌)とポリビニルアルコールを凍結固化するなどの手段により、目的の微生物を高分子担体に包括固定化する微生物の固定化法が記述されている。しかし、この方法は、高分子担体と微生物が使用環境下に直接的に曝されるので担体材料の崩壊や微生物の漏出などを伴なうものと理解される。
【0004】
また、微生物を固定化した構造体は、使用環境下に安定であることに加えて、所望の合成や分離・精製に必要な反応に際してガス状または液状の反応物(基質、処理物質)や生成物が効果的に接触して出入できるようにしたものが好ましい。このために、外壁を耐久性で多孔質の材料で被覆し且つ内部が中空のカプセルから成る微小粒子も提案されている。例えば、特開平7-204495号公報(特許文献2)には、中空多孔性微小球体の製造法として、微生物のような粒子を分散させた組成物をノズルからガスで吹き出しながらカプセル形成する技術が記述されている。しかし、このカプセル化技術は、精巧なノズル手段を供える装置を用いる煩雑な操作を要する。
【0005】
本発明者らは、先に、液中乾燥法を用いて微生物固定化マイクロカプセルを製造する技術を開示した(特開2003-88747号公報:特許文献3)。これによれば、マイクロカプセルの外壁材となるポリマーを溶かした有機溶媒中に微生物(酵母)を内包した高分子(例えば、アルギン酸カルシウム)ビーズを乳化分散させ(S/Oエマルション)、これを水溶液中に移して有機溶媒を徐々に除去することによって、微生物内包芯物質が外壁材の皮膜に覆われたマイクロカプセルが得られる。この技術は、中空で且つ硬くて多孔質外壁を有する微生物固定化マイクロカプセルを比較的簡単な方法により製造することのできる数少ない例であるが、微生物を内包した高分子ビーズを調製するための固形化工程が別途必要であった。
【特許文献1】
特開平10-327700号公報
【特許文献2】
特開平7-204495号公報
【特許文献3】
特開2003-88747号公報
産業上の利用分野
本発明は、微生物を固定化するための技術分野に属し、特に、有用な微生物を失活させることなく固定化したマイクロカプセルを簡便に製造することのできる新規な技術に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】目的の有用微生物を内包した保護材ポリマーを壁材ポリマーから成る多孔質外壁が覆い、内部が中空であり、該内部の中空と前記多孔質外壁とが微細孔を通してつながっている構造を有する微生物固定化マイクロカプセルを製造する方法であって、
(i) 前記微生物および水中でゲル形成性を有する前記保護材ポリマーを含有する水溶液を、前記壁材ポリマーとなる疎水性ポリマーを含有する有機溶媒であって前記壁材ポリマーを溶解する良溶媒である有機溶媒Aおよび該有機溶媒Aより高沸点で且つ前記壁材ポリマーに対する溶解度の小さい貧溶媒である有機溶媒Bから成る有機相中に添加して乳化させることにより、前記微生物を内包する前記保護剤ポリマーを含有する水滴微粒子が前記有機相中に分散したW/Oエマルションを調製する工程、
(ii) 前記工程(i)で得られたW/Oエマルションを水相に添加して乳化させることによりW/O/Wエマルションを調製する工程、および
(iii) 前記工程(ii)で得られたW/O/Wエマルションから、加温または加温・減圧により、先ず前記有機溶媒Aを蒸発・除去し、次いで前記有機溶媒Bを蒸発・除去して前記壁材ポリマーを結晶化させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】保護材ポリマーが、アルギン酸ナトリウム、κ-カラギーナンまたはポリビニルアルコールから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項3】壁材ポリマーが、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリ乳酸、またはポリεカプロラクタムから選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項4】微生物が脱窒細菌であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項5】微生物が酵母であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項6】有機溶媒Aが、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたは酢酸エチルから選ばれ、有機溶媒Bが、イソオクタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカンまたはキシレンから選ばれることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項7】工程(i)および工程(ii)において乳化・分散安定剤を添加することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の微生物固定化マイクロカプセルの製造方法。
【請求項8】請求項1~7のいずれかの方法によって得られることを特徴とする微生物固定化マイクロカプセル。
【請求項9】請求項1~7のいずれかの方法によって得られることを特徴とするマイクロカプセルに固定化された微生物。
産業区分
  • 微生物工業
  • 処理操作
  • 高分子化合物
  • 衛生設備
  • 廃水処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2003132626thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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