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氷結晶成長阻害活性を有する担子菌の培養液 実績あり

国内特許コード P04A005923
整理番号 KANDAI-43
掲載日 2005年2月1日
出願番号 特願2003-066826
公開番号 特開2004-275008
登録番号 特許第3993521号
出願日 平成15年3月12日(2003.3.12)
公開日 平成16年10月7日(2004.10.7)
登録日 平成19年8月3日(2007.8.3)
発明者
  • 小幡 斉
  • 河原 秀久
出願人
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 氷結晶成長阻害活性を有する担子菌の培養液 実績あり
発明の概要

【課題】安全性の高い抗凍結活性を有する担子菌培養液を大量かつ安価に製造する方法、その方法により得られる培養液、ならびにその用途等を提供する。
【解決手段】担子菌を液体培地で培養して増殖させ、次いで、得られた菌体を上記増殖工程よりも低い温度にて液体培地で培養することを特徴とする抗凍結活性を有する培養液の製造方法、その方法により得られる培養液、その培養液を用いる食品および生体材料の凍結保存方法、ならびに上記方法に使用される南極エノキ等を提供する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要
種々の食品を冷凍にして保存したりすることは、日常的に行われているが、十分にそれら品質を保持できていない。保存中に氷結晶が再結晶化することによって、それらの組織を破壊し、鮮肉や鮮魚などの美味しさを低下させてしまうからである。また、アイスクリームなどの氷菓子などは、長期的保存によって、時間とともにザラザラな舌触りになってしまう。このような現象は、冷凍保存中における氷結晶の再結晶化(氷の拡大化)に起因している。このような現象を防止するためには氷結晶成長阻害活性を有する物質を添加することが必要である。
【0003】
種々の冷凍食品や食材を冷凍する際に、この再結晶化を阻害する活性を持った不凍タンパク質(antifreeze protein; AFP)を原材料に添加あるいは食材に凍み込ませる事によって、氷結晶の成長を阻害し、食品品質を向上させることが提案されている。
【0004】
AFPは多くの低温環境下で生息している生物種によって生産されるタンパク質である。その生物種とは、南極海や低温環境下に生息している魚、極寒地域で生息あるいは栽培されている植物、極寒の間、土壌中で越冬する甲虫の幼虫、低温に適応する微生物などである。これまでに植物由来のAFP(特許文献1および特許文献2参照、地衣類由来のAFP(特許文献2参照)、魚由来のAFP(特許文献3および特許文献4参照)、昆虫由来のAFP(特許文献5参照)などの報告がある。
【0005】
これら生物種由来のAFPは、様々な応用技術に利用できることが明らかにされている。このタンパク質の生産には、直接生物種より抽出して得る方法と、その遺伝子を大腸菌に組み込んで、組換え大腸菌をパイロットプラントにおいて大量生産する系が確立されている。組換えDNA技術により生成された不凍剤ペプチドが開示されており、これをアイスクリームのような食品に適用できるとの報告がある(特許文献6参照)。
【0006】
しかしながら、これまでに報告されている魚類や植物、細菌、昆虫のAFPは微量にしか発現していないものや多量に発現していても栽培あるいは漁獲量の問題やその発現が季節に影響されることで、工業化するのは非常に困難である。また、遺伝子組換え技術によって、人為的に製造することが容易になっているが、遺伝子組換え体を使用した食品は、消費者に受け入れ難いのが現状である。そこで、魚や植物などから直接大量に抽出して生産する系についても検討されているが、それらの生物は冬の低温下にしか組織ないに生産していないので、冬季に大量に確保しないと、1年中AFPを生産する系を確立することは不可能である。冬季にのみAFPを得ようとすれば、大量に魚や植物を採取しなければならず、生物資源保護の面からも問題を生じ、その確保はかなり困難であると考えられる。一方、微生物(組換え微生物も含む)由来のAFPであれば、パイロットプラントによって年中生産できるが、これまでに安全性の高い微生物由来のAFPは皆無であった。
【0007】
AFPのほかに氷結晶成長阻害活性を有するものとしては、機械類に使用される不凍液の成分であるエチレングリコール等が挙げられるが、食品や生体材料に使用することは安全性や毒性の面から問題がある。
【0008】
【特許文献1】
国際公開WO98/04148公報
【特許文献2】
国際公開WO99/37673公報
【特許文献3】
国際公開WO96/11586公報
【特許文献4】
国際公開WO97/02343公報
【特許文献5】
国際公開WO99/00493公報
【特許文献6】
国際公開WO90/13571公報
産業上の利用分野
本発明は、液体培地中で担子菌を培養することを特徴とする氷結晶成長阻害活性を有する培養液の製造方法、その方法により得られる培養液、その培養液を用いる食品および生体材料の凍結保存方法、ならびに本発明の方法に使用される南極エノキ等に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 下記工程:
(a)南極エノキFlammulina velutipes KUAF-1(独立行政法人産業技術総合研究所受託番号FERM P-19242)を15℃ないし30℃にて液体培地で培養して増殖させること、次いで
(b)工程(a)で得られた菌体を0℃ないし15℃未満にて液体培地で培養すること
を特徴とする、氷結晶成長阻害活性を有する培養液の製造方法。
【請求項2】 工程(a)を15℃ないし25℃で行ない、工程(b)を0℃ないし10℃で行なうことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 液体培地が酵母エキスとグルコースを含むYG培地、ペプトンと酵母エキスとデキストロース(グルコース)を含むPDY培地およびペプトンとデキストロース(グルコース)を含むPD培地からなる群より選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 工程(a)を16~20℃で6~8日間行ない、工程(b)を2~6℃で6~8日間行ない、液体培地が酵母エキスとグルコースを含むYG培地、ペプトンと酵母エキスとデキストロース(グルコース)を含むPDY培地およびペプトンとデキストロース(グルコース)を含むPD培地からなる群より選択されるものである、請求項1記載の方法。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法により得られる培養液。
【請求項6】 食品または生体材料の凍結保存における保護剤として使用される請求項5記載の培養液。
【請求項7】 請求項6記載の培養液を食品または生体材料に接触させることを特徴とする食品または生体材料の凍結保存方法、凍結保存における保護方法、あるいは氷結晶成長阻害方法。
【請求項8】 南極エノキFlammulina velutipes KUAF-1(独立行政法人産業技術総合研究所受託番号FERM P-19242)。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
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