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疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒を用いた各種反応方法 コモンズ

国内特許コード P04P001609
整理番号 B14P12
掲載日 2005年2月1日
出願番号 特願2003-157036
公開番号 特開2004-358301
登録番号 特許第3845074号
出願日 平成15年6月2日(2003.6.2)
公開日 平成16年12月24日(2004.12.24)
登録日 平成18年8月25日(2006.8.25)
発明者
  • 小林 修
  • 眞鍋 敬
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒を用いた各種反応方法 コモンズ
発明の概要 【課題】水中において、高い収率と選択性でチオエステルの加水分解を行うための水中加水分解反応用触媒を提供する。
【解決手段】水中における有機反応用の触媒であって、次式(I)
【化1】



(ただし、黒丸はジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを表す)
で表される疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒とする。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


近年、環境や人体への配慮から、安価で安全な媒体として水が注目されている(非特許文献1および2)。とくに、有機反応を水中で行うことができれば、溶媒、基質、触媒等の乾燥が不要となり、反応工程の短縮やコスト削減につながるだけでなく、環境保全の観点からも利点が大きい。



これまでにも水媒体中で有機反応を行うための触媒が数多く報告されている(例えば、非特許文献3~4)が、このような触媒の多くは、使用後の回収や再利用が困難であるという問題があった。



一方、チオエステル化合物は、各種の求核試薬に対して高い反応性を示し、かつチオールやカルボン酸の保護基としても有用である(非特許文献5)ため、有機合成においてのみならず、生物学的にも重要な化合物群である。一般に、チオエステルの加水分解によるチオールやカルボン酸の合成は、塩基性条件下で行われるが、このような方法では、チオールの酸化によるジスルフィドの生成が起こりやすく、当量以上の試薬を要するという問題があった。また、酸触媒によるチオエステルの加水分解反応も知られているが、反応の活性化エネルギーが高い(非特許文献6~7)ため、6N HClのような強酸を過剰量使用しなければならないという問題があった(非特許文献8~10)。さらに、非水溶性のチオエステルを、有機溶媒を使用することなく、酸触媒により加水分解する方法は実現していなかった。



したがって、これまでチオエステルの加水分解反応を水媒体中で行うことは困難と考えられていたのが実情である。チオエステルの加水分解反応を、収率高くかつ選択的に水中で行う方法が提供されれば、環境負荷が小さく、安価な方法として有用になると期待される。



【特許文献1】
特開平11-244705
【特許文献2】
特願2001-075091
【非特許文献1】
Organic Synthesis in Water, Grieco, P.A., Ed.; Blackie Academic and Professional; London, 1998
【特許文献2】
Li, C.-J.; Chan. T.-H. Organic Reactions in Aqueous Media; John Wiley & Sons; New York, 1997
【非特許文献3】
Aqueous-Phase Organometallic Catalysis, Concepts and Applications; Cornils, B., Herrmann, W.A., Eds.; Wiley-VCH; Weinheim, 1998
【非特許文献4】
Kobayashi, S.; Manabe, K. Acc. Chem. Res. 2002, 35, 209
【非特許文献5】
Greene T. W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd ed.; John Wiley & Sons; New York, 1999
【非特許文献6】
Bruice, T.C. In Organic Sulphur Compounds; Kharasch, N. Ed; Pergamon Press; London, 1961; Vol. 1, p. 421 and references therein
【非特許文献7】
Iimura, S.; Manabe, K.; Kobayashi, S. Chem. Commun. 2002, 94
【非特許文献8】
Garbiras, B. J. et al. Synthesis 1999, 270
【非特許文献9】
Bergeron, RJ. et al. J. Med. Chem. 1999, 42, 95
【非特許文献10】
Effenberger, F. et al. Chem. Ber. 1989, 122, 553
【非特許文献11】
Kobayashi, S. Curr. Opin. Chem. Biol. 2000, 4, 338
【非特許文献12】
Ley, S. V. et al. J. Chem. Soc., Perkin Trans, 1, 2000, 3815
【非特許文献13】
Nagayama, S.; Kobayashi, S. Angew, Chem., Int. Ed. 2000, 39, 567
【非特許文献14】
Bergbreiter, D. E. et al. Tetrahedron Lett. 1997, 38, 7843
【非特許文献15】
Bergbreiter, D.E. et al. Macromolecules 1998, 31, 6053
【非特許文献16】
Chen. C.-W. et al. Chem. Commun. 1998, 831
【非特許文献17】
Danjo, H. et al. Tetrahedron 1999, 55, 14341
【非特許文献18】
Uozumi, Y. et al. J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 2919
【非特許文献19】
Sakamoto, T. et al. Tetrahedron Lett. 2000, 41, 10009
【非特許文献20】
Yamada, Y. M. A. et al. Org. Lett. 2001, 3, 1837
【非特許文献21】
Masaki, Y. et al. Synlett 2001, 1311
【非特許文献22】
Manabe, K.; Mori, Y.; Kobayashi, S. Synlett 1999, 1401
【非特許文献23】
Manabe, K.; Kobayashi, S. Org. Lett. 1999, 1, 1965
【非特許文献24】
Manabe, K.; Mori, Y.; Kobayashi, S. Tetrahedron 2001, 57, 2537
【非特許文献25】
Manabe, K.; Sun, X.-M; Kobayashi, S. J. Am. Chem. Soc. 2001, 124, 10101
【非特許文献26】
Kobayashi, S.; Iimura, S.; Manabe, K. Chem. Lett. 2002, 10
【非特許文献27】
Manabe, K.; Iimura, S.; Sun, X.-M.; Kobayashi, S. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 11971
【非特許文献28】
Patney, H. K. Synth. Commun. 1993, 23, 1829
【非特許文献29】
Tam-Chang, S.-W.; Mason, J. C. Tetrahedron 1999, 55, 13333
【非特許文献30】
Manabe, K.; Iimura, S.; Sun, X.-M.; Kobayashi, S. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 11971
【非特許文献31】
Ku, B.; Oh, D. Y. Synth. Commun. 1989, 19, 433



そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解決し、水中において、高収率でチオエステルの加水分解を行うための水中加水分解反応用触媒を用いた各種反応方法を提供することを課題としている。

産業上の利用分野


この出願の発明は、水中でチオエステルを加水分解するための疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒を用いた各種反応方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒を用いたチオエステルの水中加水分解反応方法およびチオールの水中保護基交換反応方法並びにカルボニル化合物の水中ジチオアセタール化反応方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(I)
【化1】


(ただし、黒丸は架橋度0.110 %のジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを表し、スルホン酸含有量は0.10.5 mmol/gである)で表される疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒の存在下、水中で、次式(II
RCOSR'II
(ただし、RおよびR'は、同一または別異に、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよいヘテロ環基からなる群より選択される有機基を示す)で表されるチオエステル化合物を加熱処理して、次式(III
RCOOH (III
(ただし、Rは前記と同じ有機基を示す)で表されるカルボン酸と、次式(IV
'SH (IV
(ただし、R'は前記と同じ有機基を示す)で表されるチオール化合物を得ることを特徴とするチオエステルの水中加水分解反応方法。

【請求項2】
次式(I)
【化1】


(ただし、黒丸は架橋度0.110 %のジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを表し、スルホン酸含有量は0.10.5 mmol/gである)で表される疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒と、次式(V)
1OH (V)
(ただし、R1は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよいヘテロ環基からなる群より選択される有機基を示す)で表されるアルコールの存在下、水中で、次式(VI
2SCOR3VI
(ただし、R2およびR3は、同一または別異に、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、および置換基を有していてもよいヘテロ環基からなる群より選択される有機基を示す)で表されるチオエステルを加熱処理し、次式(VII
1SR2VII
(ただし、R1およびR2は、前記と同じ有機基を示す)で表されるチオエーテルを得ることを特徴とするチオールの水中保護基交換反応方法。

【請求項3】
次式(I)
【化1】


(ただし、黒丸は架橋度0.110 %のジビニルベンゼン架橋ポリスチレンを表し、スルホン酸含有量は0.10.5 mmol/gである)で表される疎水性高分子固定化ブレンステッド酸触媒と、次式(VIII
4CHO (VIII
(ただし、R4は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基および置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基からなる群より選択される有機基を示す)
で表されるアルデヒドの存在下、水中で、次式(IX
AcS(CH2nSAc (IX
(ただし、nは2~5の整数を示す)で表されるジチオエステルを加熱処理し、次式(X)
【化2】


(ただし、R4は、前記と同じ有機基を示し、nは前記と同じ整数を示す)で表されるジチオアセタールを得ることを特徴とするカルボニル化合物の水中ジチオアセタール化反応方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成13年度採択課題
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