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リグニン誘導体を用いた光電変換素子及び光電気化学電池 コモンズ

国内特許コード P04P001762
整理番号 A152P39
掲載日 2005年2月1日
出願番号 特願2003-032891
公開番号 特開2004-265622
登録番号 特許第3934068号
出願日 平成15年2月10日(2003.2.10)
公開日 平成16年9月24日(2004.9.24)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発明者
  • 舩岡 正光
  • 青柳 充
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 リグニン誘導体を用いた光電変換素子及び光電気化学電池 コモンズ
発明の概要 【課題】リグニン誘導体を利用した光電変換素子を提供する。
【解決手段】薄膜電極として(a)リグニン含有材料をフェノール化合物で溶媒和後、酸を添加し混合して得られるリグノフェノール誘導体、(b)リグノフェノール誘導体に対して、アセチル基、カルボキシル基、アミド基、架橋性基等の導入反応、またはアルカリ処理反応の反応を行って得られる二次誘導体、(c)リグノフェノール誘導体に対して、上記の導入反応またはアルカリ処理反応の2種以上の反応を行って得られる高次誘導体、(d)前記二次誘導体のうち架橋性基導入反応により得られる二次誘導体が架橋されている二次誘導体の架橋体、(e)前記高次誘導体のうち、架橋性基導入反応を経て得られる高次誘導体が架橋されている高次誘導体の架橋体、からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体によって増感された半導体層を有している光電変換素子。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


太陽電池は、光電エネルギー変換を目的とする光電池であり、現在、広く普及している。最も広く使用されているものは、半導体結晶又はアモルファス板の表面付近にpn接合を形成し、可視光線の照射によって接続する外部回路にpからnに向かって電流を発生するものである。ケイ素を代表としたこのような太陽電池は、製造工程で多くのエネルギーを消費し、かつ有害重金属な化学物質を使用するなど、エネルギー、環境保全上に問題を内包している。また、同時に製造コストも高かった。



近年、環境への負荷が小さい、製造コストが安い、高い変換効率があるなどの長所があることから色素増感光電変換セルが注目されるようになった。1991年にスイスのグレーツェル(Graetzel)らが、多孔質な酸化チタン薄膜表面にルテニウムビピリジンカルボン酸色素を吸着させた電極を用いて、10.0%の光電変換効率を達成している。この色素増感太陽電池としては、ルテニウム等の貴金属錯体、クロロフィル誘導体やポルフィリンの亜鉛錯体などが励起中心として提案されている。
しかし、励起中心となるルテニウムなどの貴金属には資源的制約が伴うと考えられる。さらに、色素のリガンド構造の合成原料は主に石油等の化学資源由来物質であり、今後、炭素資源的制約が伴うと考えられる。



また、シリコン系、有機金属錯体系の両太陽電池以外に有機物のみを用いた太陽電池が提供されている。有機物、又は有機色素で増感された酸化物半導体電極を含む太陽電池は、例えば、クマリン系色素を用いたものが発表されている(非特許文献1)。かかる有機色素増感型太陽電池の光電変換効率は6.0%という高いものであった。有機色素太陽電池は性能以外でも、材料、環境負荷、コストの面から見ると非常に有利なものであるといえる。しかし、他の太陽電池と同様に、合成原料は主に石油等の化学資源由来物質である。したがって、依然として炭素資源的制約が伴うことが予測される。



【非特許文献1】
Chem. Commun., (6), 569-570 (2001)

産業上の利用分野


本発明は、リグニンにフェノール化合物を導入して得られるリグニン誘導体の利用に関し、特に、半導体薄膜電極、光電変換素子及びこれを用いた太陽電池への利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)~(e)からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体によって増感された半導体膜を用いた光電変換素子。(a)リグニン含有材料をフェノール化合物で溶媒和後、酸を添加し混合して得られるリグニンのフェノール化合物であるリグノフェノール誘導体
(b)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される1種の反応を行って得られる二次誘導体
(c)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される2種以上の反応を行って得られる高次誘導体
(d)前記二次誘導体のうち架橋性基導入反応により得られる二次誘導体が架橋されている二次誘導体の架橋体
(e)前記高次誘導体のうち、架橋性基導入反応を経て得られる高次誘導体が架橋されている高次誘導体の架橋体

【請求項2】
光電変換素子であって、
前記半導体膜は、リグノフェノール誘導体で増感されている、請求項1記載の素子。

【請求項3】
前記フェノール化合物は、p-クレゾール、2,6-キシレノール、2,4-キシレノール、2-メトキシフェノール、2,6-ジメトキシフェノール、カテコール、レゾルシノール、ホモカテコール、ピロガロール、及びフロログルシノールから選択される1種あるいは2種以上である、請求項1又は2に記載の素子。

【請求項4】
前記フェノール化合物は、p-クレゾールである、請求項1又は2に記載の素子。

【請求項5】
前記半導体膜は、前記リグニン誘導体とともに有機材料及び/又は無機材料を含有するセルロース系材料、セラミックス系材料、金属系材料及びガラス系材料から選択される1種あるいは2種以上の材料を含有する、請求項1~4のいずれかに記載の素子。

【請求項6】
前記リグニン誘導体は、加熱、光照射、及び放射線照射から選択される1種あるいは2種以上のエネルギー照射がなされている、請求項1~5のいずれかに記載の素子。

【請求項7】
前記半導体膜は、前記リグニン誘導体とともに、セルロース系材料、リグニン系材料、及びポリフェノール系材料を含有するリグノセルロース系材料由来の有機材料又はその誘導体を含有する、請求項1~6のいずれかに記載の素子。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の光電変換素子を備える、光電気化学電池。

【請求項9】
以下の(a)~(e)からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体によって増感された半導体粒子。
(a)リグニン含有材料をフェノール化合物で溶媒和後、酸を添加し混合して得られるリグニンのフェノール化合物の誘導体
(b)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される1種の反応を行って得られる二次誘導体
(c)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される2種以上の反応を行って得られる高次誘導体
(d)前記二次誘導体のうち架橋性基導入反応により得られる二次誘導体が架橋されている二次誘導体の架橋体
(e)前記高次誘導体のうち、架橋性基導入反応を経て得られる高次誘導体が架橋されている高次誘導体の架橋体

【請求項10】
以下の(a)~(e)からなる群から選択される1種あるいは2種以上のリグニン誘導体である、光増感剤。
(a)リグニン含有材料をフェノール化合物で溶媒和後、酸を添加し混合して得られるリグニンのフェノール化合物の誘導体
(b)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される1種の反応を行って得られる二次誘導体
(c)リグノフェノール誘導体に対して、アシル基導入反応、カルボキシル基導入反応、アミド基導入反応、架橋性基導入反応及びアルカリ処理反応から選択される2種以上の反応を行って得られる高次誘導体
(d)前記二次誘導体のうち架橋性基導入反応により得られる二次誘導体が架橋されている二次誘導体の架橋体
(e)前記高次誘導体のうち、架橋性基導入反応を経て得られる高次誘導体が架橋されている高次誘導体の架橋体
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003032891thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 資源循環・エネルギーミニマム型システム技術 領域
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