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スフィンゴ糖脂質の判別法

国内特許コード P04A005948
整理番号 化学・薬品-120
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2003-063181
公開番号 特開2004-271358
登録番号 特許第3796527号
出願日 平成15年3月10日(2003.3.10)
公開日 平成16年9月30日(2004.9.30)
登録日 平成18年4月28日(2006.4.28)
発明者
  • 斎藤 勝一
  • 小田 有二
  • 高桑 直也
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 スフィンゴ糖脂質の判別法
発明の概要

【課題】スフィンゴ糖脂質をアニスアルデヒドなどの薬剤と接触後発色させる方法などにより、視覚的に構成糖成分を判別しスフィンゴ糖脂質の分子種を判別するスフィンゴ糖脂質の判別法の提供。
【解決手段】▲1▼スフィンゴ糖脂質を発色させ、視覚的に構成糖を判別するスフィンゴ糖脂質の判別法。▲2▼スフィンゴ糖脂質の発色が、スフィンゴ糖脂質とアニスアルデヒドとを接触させてなされる。▲3▼視覚的に判別する構成糖が、ガラクトース及びグルコースあるいはそれらの混合糖である。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要
スフィンゴ糖脂質は、脂肪酸とスフィンゴシンあるいはスフィンゴイド塩基、または長鎖塩基と呼ばれる長鎖アミノアルコールが結合したスフィンゴイド脂質にグルコース、ガラクトース、マンノース、ガラクトサミン、シアル酸などの糖類が単独または複数結合した複合糖脂質である。スフィンゴ糖脂質は動植物から微生物まで天然界に広く多種多様の分子種が存在し、それらは時としてセラミド、セレブロシドと呼ばれることがある。
【0003】
スフィンゴ糖脂質は、人間にも皮膚の角質層に多く存在し、水分保持物質としての役割を担っている。その効果を皮膚からの直接吸収作用により補助するため、化粧品や入浴剤の配合成分として使用されている。また、スフィンゴ糖脂質の経口摂取による水分保持機能も明らかになり(例えば、非特許文献1参照)、またその他様々な健康への機能性も期待されることから、機能性食品素材として多数の報告がある(例えば、特許文献1~3参照)。
【0004】
従来、これらスフィンゴ糖脂質の主な供給源は牛脳であったが狂牛病の発生以降、人体にとってより安全な供給源からの製造が切望され、コメ(例えば、特許文献4及び非特許文献2参照)、小麦(例えば、非特許文献3参照)、大豆(例えば、特許文献5及び非特許文献4参照)、コンニャク(例えば、特許文献6参照)などの植物原料や酵母(例えば、非特許文献5参照)などの微生物原料からの製造について検討されており、そのうちいくつかにおいては実用化されている。
【0005】
動物、植物あるいは微生物など起源の異なるスフィンゴ糖脂質間においては、脂肪酸やスフィンゴシン、糖の構成成分により分子種がある程度特定でき、特に構成糖成分について着目すると、牛脳を代表とする動物の場合はガラクトースが付加したガラクトシルセラミド(ガラクトシルセレブロシド)が、植物または微生物においてはグルコースが付加したグルコシルセラミド(グルコシルセレブロシド)が主たる分子種であるという特徴がある。
【0006】
一方、通常これまでこれら分子種の構造決定は、スフィンゴ糖脂質を単離精製後、脂肪酸、スフィンゴイド塩基、糖の各構成成分に化学的あるいは酵素的に分解し、再度それらを分離精製した後、各成分を専用の機器分析に供することにより決定されている。しかし、この方法では微量の分解した構成成分の取り扱いや各種専用分析機器の取り扱いに、熟練した経験と技術を要しかつ多大な時間と労力を必要とする。
【0007】
構成成分を分解することなく分析する方法として液体クロマトグラフィー(HPLC)による方法が試みられている。このHPLC法については、宮澤らの蒸発光散乱検出器を用いた方法(例えば、非特許文献6参照)により検出感度及び定量性の向上がなされたが、各分子種の分離の条件検討が必要なことに加え、1検体1時間程度の分析時間を要し、かつ蒸発光散乱検出器という高価な専用機器が必要である。
【0008】
HPLC法に比べ安価かつ多数検体を同時に分析する方法として古くより薄層クロマトグラフィー(TLC)法が用いられてきたが、分子種の判別には2次元展開TLCの必要があり、TLC法の利点である多数検体の同時分析という点が損なわれてしまう。これを改善する方法として、従来TLC上のスフィンゴ糖脂質の検出に汎用されてきた硫酸、アンスロン硫酸、モリブデン硫酸、オルシノール硫酸などの発色試薬に換えて、抗体を用いた免疫学的特異検出法(例えば、特許文献7及び8参照)が検討されているが、抗体が高価なことに加えその取り扱いに熟練を有する。
【0009】
【特許文献1】
特開平8-256729号公報
【特許文献2】
特開平11-113530号公報
【特許文献3】
特開2002-281936号公報
【特許文献4】
特開平11-279586号公報
【特許文献5】
特開平4-282317号公報
【特許文献6】
特開2002-281936号公報
【特許文献7】
特開2002-243737号公報
【特許文献8】
特開2002-296278号公報
【非特許文献1】
Fragrance Journal,23,81(1995)
【非特許文献2】
Agric.Biol.Chem.,49,2753(1985)
【非特許文献3】
Agric.Biol.Chem.,49,3609(1985)
【非特許文献4】
Chem.Pharm.Bull.,38(11),2933(1990)
【非特許文献5】
FEMS Yeast Research,2,533(2002)
【非特許文献6】
Lipid,34,1232(1999)
【0010】
以上のように、機能性食品素材としてのスフィンゴ糖脂質の供給が多大に期待されかつ一方で人体への安全な供給源の保証などが切望されているにもかかわらず、迅速、簡便な分析方法がない現状にあり、昨今問題となっている原料偽装などの問題を生じかねない懸念がある。各分子種での機能性の相違についても現在研究進展中であるが、現状では異なる分子種がセラミド、セレブロシド、スフィンゴ糖脂質などとして一様に扱われており、分子種に起因する機能性の相違が見出された場合においても、それらを迅速に区別する手立てがない現状にある。また、機能性解明の研究進展に際しても、簡易、簡便、迅速なスフィンゴ糖脂質の分析法の開発が望まれている。
【0011】
上記のように動物と植物、微生物由来のスフィンゴ糖脂質間で、構成糖により特徴を有しその起源が推定できる現状において、少なくとも構成糖の判別を可能とすることでスフィンゴ糖脂質の分子種や起源となる原料の判別、特定が可能となる。
産業上の利用分野
本発明は、スフィンゴ糖脂質の判別法に関し、詳しくは、スフィンゴ糖脂質をアニスアルデヒドなどの薬剤と接触後発色させる方法などにより、視覚的に構成糖成分を判別しスフィンゴ糖脂質の分子種を判別する方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 スフィンゴ糖脂質の構成糖を判別する方法であって、
前記スフィンゴ糖脂質の内、ガラクトシルセラミド,ラクトシルセラミド,グルコシルセラミドの3種類をそれぞれ含む判別対象物を、アニスアルデヒドを含む薬剤と接触させて異なる色に発色させ、前記ガラクトシルセラミド,ラクトシルセラミド,グルコシルセラミドのいずれを含む判別対象物であるかを色毎に視覚的に判別することで、前記スフィンゴ糖脂質の構成糖の判別を行うことを特徴とするスフィンゴ糖脂質の判別方法。
【請求項2】 前記グルコシルセラミドを含む判別対象物が小麦ふすま又は酵母であることを特徴とする請求項1記載のスフィンゴ糖脂質の判別方法。
【請求項3】 前記判別対象物を薄層クロマトグラフィ(TLC)展開後、前記判別対象物に前記薬剤を接触させることを特徴とする請求項1又は2記載のスフィンゴ糖脂質の判別方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003063181thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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