TOP > 国内特許検索 > 嵩高生糸の製造法及びその製造装置

嵩高生糸の製造法及びその製造装置

国内特許コード P04A005961
整理番号 機械・加工・装置-158
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-341027
公開番号 特開2004-176193
登録番号 特許第3950962号
出願日 平成14年11月25日(2002.11.25)
公開日 平成16年6月24日(2004.6.24)
登録日 平成19年5月11日(2007.5.11)
発明者
  • 高林 千幸
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 嵩高生糸の製造法及びその製造装置
発明の概要 【課題】濡れた状態で緊張させても通常の生糸と同様な形態の糸に戻るようなことがない、構造的に嵩高な生糸の製造方法及びその製造装置の提供。
【解決手段】煮熟繭から引き出した繭糸を上下1対の部材で構成された繰出手段の部材間に分繊したまま挿通して送り出し、その後にエアージェットノズル内で繭糸相互を交絡して嵩高性を持たせた生糸とし、これをノズルから吹き出し、糸条の内部応力をなくした状態で無張力で巻き取るか、又は撚糸を行いながら低張力で巻き取って嵩高生糸を得る。繰出手段のうちの少なくとも下方の部材として、繭糸を挿通する正面側から見てテーパをつけた形状のものを用い、繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるようにして挿通する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


従来から、繰糸中に生糸に嵩高性を持たせる方法として、煮熟繭から引き出した繭糸を回転する形成枠に綾を振り、網状になるように巻き付け、形成枠から引き出した「網状生糸(ネットロウシルク)」などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、煮熟繭から引き出した繭糸を収束させた後に緩速度で引き上げ、その後容器の中へ無張力状態で落とし込む「バルキーシルク」が知られている(例えば、非特許文献2参照)。



【非特許文献1】
高林千幸他(1996)、ネットロウシルク自動繰糸機構の開発、製糸絹研究会誌(5)p.26-31
【非特許文献2】
浦沢日出夫(1985)、バルキーシルクに関する試験、長野県繭検業報、60、57

産業上の利用分野


本発明は、嵩高生糸の製造法及びその製造装置に関し、特に、煮熟繭から引き出した繭糸により生糸を繰製する際に、嵩高性のある生糸を繰製する方法及びその繰製装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
煮熟繭から引き出した繭糸を熱風で乾燥することにより繭糸の分繊状態を進ませ、かつ繭糸間の乾燥程度を変え、次いでこの繭糸を上下1対の部材で構成された繰出手段の部材間に分繊したまま挿通して送り出し、この挿通の際に、分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるようにして挿通し、その後にエアージェットノズル内で繭糸相互を交絡して嵩高性を持たせた生糸とし、この嵩高生糸をエアージェットノズルから吹き出し、糸条の内部応力をなくした状態で繰枠に無張力で巻き取るか、又は撚糸を行いながらボビンに低張力で巻き取ることにより嵩高生糸を得る嵩高生糸の製造法であって、該上下1対の部材で構成された繰出手段のうちの少なくとも下方の部材として、繭糸を挿通する正面側から見て谷形若しくは円弧形にテーパをつけた形状又は一方向にテーパをつけた傾斜形の形状のものを用い、そこへ分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるようにして挿通することを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項2】
請求項1において、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通する際に、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御することを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項3】
請求項2において、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御する時に、収束幅を細くして交絡状態を少な目のストレート状の糸条とするか、逆に収束幅を広くして交絡状態を粗とした糸条とするか、又は節に類似した部分を繭糸の収束幅の周期やパターンで変化するようにしたことを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通した後、送り出した繭糸に対してエアージェットノズルで繭糸相互を交絡する際に、高温のエアーを用いることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、煮熟繭から繭糸を引き出す際に、それら繭糸の中心部へ繭糸以外の合成繊維を挿通し、繭糸と合成繊維とを複合しながら繰糸して、交絡嵩高低張力繰製複合生糸を得ることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項6】
煮熟繭から引き出した繭糸を熱風で乾燥することにより繭糸の分繊状態を進ませ、かつ繭糸間の乾燥程度を変え、次いでこの繭糸を上下1対の部材で構成された繰出手段の部材間に分繊したまま挿通して送り出し、この挿通の際に、分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるようにして挿通し、その後にエアージェットノズル内で繭糸相互を交絡して嵩高性を持たせた生糸とし、この嵩高生糸をエアージェットノズルから吹き出し、糸条の内部応力をなくした状態で繰枠に無張力で巻き取るか、又は撚糸を行いながらボビンに低張力で巻き取ることにより嵩高生糸を得る嵩高生糸の製造法であって、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通する際に、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御することを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項7】
請求項において、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御する時に、収束幅を細くして交絡状態を少な目のストレート状の糸条とするか、逆に収束幅を広くして交絡状態を粗とした糸条とするか、又は節に類似した部分を繭糸の収束幅の周期やパターンで変化するようにしたことを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項8】
請求項6又は7において、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通した後、送り出した繭糸に対してエアージェットノズルで繭糸相互を交絡する際に、高温のエアーを用いることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項9】
請求項6~8のいずれかにおいて、煮熟繭から繭糸を引き出す際に、それら繭糸の中心部へ繭糸以外の合成繊維を挿通し、繭糸と合成繊維とを複合しながら繰糸して、交絡嵩高低張力繰製複合生糸を得ることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項10】
煮熟繭から引き出した繭糸を熱風で乾燥することにより繭糸の分繊状態を進ませ、かつ繭糸間の乾燥程度を変え、次いでこの繭糸を上下1対の部材で構成された第1の繰出手段の部材間に分繊したまま挿通して送り出し、この挿通の際に、分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるように挿通し、その後に第1のエアージェットノズルで走行している繭糸条に対し直角方向にエアーを吹き付け、送り出しの多い弛んだ繭糸を親糸にあたかも巻き付けるようした糸条とし、次いで該第1の繰出手段と同期回転する上下一対の部材で構成された第2の繰出手段の部材間を挿通せしめて送り出し、さらに、第2のエアージェットノズルで走行している繭糸条に対し平行にエアーを吹き付けて糸条を送り出し、糸条の内部応力をなくした状態で繰枠に無張力で巻き取るか、又は撚糸を行いながらボビンに低張力で巻き取ることにより嵩高生糸を得る嵩高生糸の製造法であって、該上下1対の部材で構成された繰出手段のうちの少なくとも下方の部材として、繭糸を挿通する正面側から見て谷形若しくは円弧形にテーパをつけた形状又は一方向にテーパをつけた傾斜形の形状のものを用い、そこへ分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるように挿通することを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項11】
請求項10において、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通する際に、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御し、収束幅を細くして交絡状態を少な目のストレート状の糸条とするか、逆に収束幅を広くして交絡状態を粗とした糸条とするか、又は節に類似した部分を繭糸の収束幅の周期やパターンで変化するようにすることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項12】
請求項10又は11において、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通した後、送り出した繭糸に対して第1のエアージェットノズルで繭糸相互を交絡する際に、高温のエアーを用いることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項13】
請求項10~12のいずれかにおいて、煮熟繭から繭糸を引き出す際に、それら繭糸の中心部へ繭糸以外の合成繊維を挿通し、繭糸と合成繊維とを複合しながら繰糸して、交絡嵩高低張力繰製複合生糸を得ることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項14】
煮熟繭から引き出した繭糸を熱風で乾燥することにより繭糸の分繊状態を進ませ、かつ繭糸間の乾燥程度を変え、次いでこの繭糸を上下1対の部材で構成された第1の繰出手段の部材間に分繊したまま挿通して送り出し、この挿通の際に、分繊した繭糸を広げた形で挿通すると共に、引き出す繭糸の糸条の中でそれぞれの糸条の送出し率が異なるように挿通し、その後に第1のエアージェットノズルで走行している繭糸条に対し直角方向にエアーを吹き付け、送り出しの多い弛んだ繭糸を親糸にあたかも巻き付けるようした糸条とし、次いで該第1の繰出手段と同期回転する上下一対の部材で構成された第2の繰出手段の部材間を挿通せしめて送り出し、さらに、第2のエアージェットノズルで走行している繭糸条に対し平行にエアーを吹き付けて糸条を送り出し、糸条の内部応力をなくした状態で繰枠に無張力で巻き取るか、又は撚糸を行いながらボビンに低張力で巻き取ることにより嵩高生糸を得る嵩高生糸の製造法であって、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通する際に、分繊した繭糸の収束幅を予め設定した周期で制御し、収束幅を細くして交絡状態を少な目のストレート状の糸条とするか、逆に収束幅を広くして交絡状態を粗とした糸条とするか、又は節に類似した部分を繭糸の収束幅の周期やパターンで変化するようにすることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項15】
請求項14において、煮熟繭から引き出した繭糸を繰出手段の部材間に分繊したまま挿通した後、送り出した繭糸に対して第1のエアージェットノズルで繭糸相互を交絡する際に、高温のエアーを用いることを特徴とする嵩高生糸の製造法。

【請求項16】
請求項14又は15において、煮熟繭から繭糸を引き出す際に、それら繭糸の中心部へ繭糸以外の合成繊維を挿通し、繭糸と合成繊維とを複合しながら繰糸して、交絡嵩高低張力繰製複合生糸を得ることを特徴とする嵩高生糸の製造法

【請求項17】
繰解槽と、繭糸条乾燥手段と、繭糸を挿通するための上下1対の部材で構成された繰出手段と、繭糸相互を交絡して嵩高性を持たせた生糸とするためのエアージェットノズルと、エアージェットノズルから吹き出される嵩高生糸を巻き取るための部材とが、この順序で配置されてなる嵩高生糸製造装置であって、該繰出手段のうちの少なくとも下方部材が、繭糸を挿通する正面側から見て谷形若しくは円弧形にテーパをつけた形状又は一方向にテーパをつけた傾斜形の形状をしていることを特徴とする嵩高生糸製造装置。

【請求項18】
請求項17において、繭糸以外の繊維を混繊するために、繰解槽の中心部に貫通して通糸管を設け、この通糸管を挿通させた繭糸以外の繊維を繭糸と抱合させながら繰糸させ、繭糸条乾燥手段へ供給できるように構成したことを特徴とする嵩高生糸製造装置。

【請求項19】
繰解槽と、繭糸条乾燥手段と、乾燥された繭糸を挿通するための上下1対の部材で構成された第1の繰出手段と、この第1繰出手段から送り出された走行している繭糸条に対し直角方向にエアーを吹き付けて送り出すための第1のエアージェットノズルと、送り出された繭糸条を挿通するための、該第1の繰出手段と同期回転する上下1対の部材で構成された第2の繰出手段と、走行している繭糸条に対し平行にエアーを吹き付け、送り出すための第2のエアージェットノズルと、第2のエアージェットノズルから吹き出される嵩高生糸を巻き取るための部材とが、この順序で配置されてなる嵩高生糸製造装置であって、該第1の繰出手段のうちの少なくとも下方の部材が、繭糸を挿通する正面側から見て谷形若しくは円弧形にテーパをつけた形状又は一方向にテーパをつけた傾斜形の形状をしていることを特徴とする嵩高生糸製造装置。

【請求項20】
請求項19において、繭糸以外の繊維を混繊するために、繰解槽の中心部に貫通して通糸管を設け、この通糸管を挿通させた繭糸以外の繊維を繭糸と抱合させながら繰糸させ、繭糸条乾燥手段へ供給できるように構成したことを特徴とする嵩高生糸製造装置。
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2002341027thum.jpg
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close