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任意のペプチドを植物のタンパク顆粒で蓄積させる方法

国内特許コード P04A005979
整理番号 植物バイオ-122
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-139836
公開番号 特開2003-334080
登録番号 特許第3940793号
出願日 平成14年5月15日(2002.5.15)
公開日 平成15年11月25日(2003.11.25)
登録日 平成19年4月13日(2007.4.13)
発明者
  • 川越 靖
  • 高岩 文雄
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 任意のペプチドを植物のタンパク顆粒で蓄積させる方法
発明の概要 【課題】 任意のペプチドを植物の胚乳組織へ蓄積させる方法を提供することを課題とする。さらに、該方法に用いるためのキットを提供することをも課題とする。
【解決手段】 液胞由来のタンパク顆粒IIに蓄積するイネのグロブリンが液胞移行シグナルを有すると考え、該液胞移行シグナルの同定を試みた結果、グロブリンの72番目のロイシン残基から86番目のセリン残基までの15アミノ酸残基をGFPのC末端に付加した融合タンパク質の細胞内局在は、驚くべきことに、液胞由来のタンパク顆粒IIではなく、液胞由来ではないタンパク顆粒Iであった。また、該15アミノ酸残基の配列を基に、植物において保存されているQCCXQ(Xは任意のアミノ酸)配列を見いだした。任意のペプチドにQCCXQを付加することで、該ペプチドを植物の胚乳組織へ蓄積できることが示唆される。
従来技術、競合技術の概要


外来遺伝子産物をイネ胚乳組織で、登熟過程で分解を受けずに高度に発現・蓄積させる方法は、以下の3つの方法論がこれまでの知見から考えられ、また実際に行われている。一つ目は所望のタンパク質又はペプチドをイネ又は他種の種子貯蔵タンパク質の可変部位に挿入することによって、貯蔵タンパク質の一部として液胞由来のタンパク顆粒II(PB-II)にターゲットさせる方法である。二つ目の方法は所望のタンパク質が元々液胞移行シグナルを持っていない場合、所望のタンパク質にシグナルペプチドをN末端に付加し、細胞壁アポプラストに分泌させる方法である。三つ目の方法は所望のタンパク質のN末端にシグナルペプチドを付加し、C末端にはKDEL(配列番号:17)又はHDEL(配列番号:18)等の既知の小胞体局在化シグナルを付加し、所望のタンパク質を小胞体に蓄積させる方法である。



イネ胚乳には液胞由来でないタンパク顆粒PB-I が存在し、主にプロラミンが蓄積する。PB-I は直接小胞体から生成するため、液胞由来のタンパク顆粒PB-IIとはその生成過程が大きく異なる。プロラミンのPB-Iでの蓄積に関し、ワシントン州立大学のグループは、プロラミンのmRNA が3'の非翻訳領域を介してPB-I 上に輸送され、そこでプロラミンが翻訳されると報告している(Choi et al. Nature 2000, 407: 765-767)。

産業上の利用分野


本発明は、任意のペプチドを植物の胚乳組織へ蓄積させる方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)および(b)の工程を含む、任意のペプチドをイネの胚乳組織におけるタンパク顆粒Iへ蓄積させる方法。
(a)グロブリンプロモーターの3'下流側に、以下のDNAを有するベクターをイネ細胞に導入する工程
ダイズ種子貯蔵タンパク質グリシニンA1aB1bのシグナルペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、任意のペプチドのアミノ酸配列を有し、該任意のペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、以下の(1)から(4)のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する融合ペプチドをコードするDNA
(1)グロブリンのL72からS86のアミノ酸配列(配列番号:5に記載のアミノ酸配列)
(2)グロブリンのR68からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7の48番目から91番目までに記載のアミノ酸配列)
(3)グロブリンのG21からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7に記載のアミノ酸配列)
(4)グロブリンのG21からQ111の部分ペプチドであって、少なくとも配列番号:5に記載のアミノ酸配列を含むペプチドのアミノ酸配列
(b)該イネ細胞を植物体に再生させる工程

【請求項2】
以下の(1)から(4)のいずれかに記載のペプチドをコードするDNA。
(1)グロブリンのL72からS86のアミノ酸配列(配列番号:5に記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(2)グロブリンのR68からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7の48番目から91番目までに記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(3)グロブリンのG21からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7に記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(4)グロブリンのG21からQ111の部分ペプチドであって、少なくとも配列番号:5に記載のアミノ酸配列を含むペプチド

【請求項3】
ダイズ種子貯蔵タンパク質グリシニンA1aB1bのシグナルペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、任意のペプチドのアミノ酸配列を有し、該任意のペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、以下の(1)から(4)のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する融合ペプチドをコードするDNA。
(1)グロブリンのL72からS86のアミノ酸配列(配列番号:5に記載のアミノ酸配列)
(2)グロブリンのR68からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7の48番目から91番目までに記載のアミノ酸配列)
(3)グロブリンのG21からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7に記載のアミノ酸配列)
(4)グロブリンのG21からQ111の部分ペプチドであって、少なくとも配列番号:5に記載のアミノ酸配列を含むペプチドのアミノ酸配列

【請求項4】
請求項2または3に記載のDNAを含むベクター。

【請求項5】
請求項に記載のDNAを含むベクターが導入された形質転換イネ細胞。

【請求項6】
請求項に記載の形質転換イネ細胞を含む形質転換イネ

【請求項7】
請求項に記載の形質転換イネの子孫またはクローンである、形質転換イネ

【請求項8】
請求項6または7に記載の形質転換イネの繁殖材料。

【請求項9】
請求項1に記載の方法に用いるためのキットであって、下記(a)~(c)のいずれかを含むキット。
(a)ダイズ種子貯蔵タンパク質グリシニンA1aB1bのシグナルペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、任意のペプチドのアミノ酸配列を有し、該任意のペプチドのアミノ酸配列のC末端側に、以下の(1)から(4)のいずれかに記載のアミノ酸配列を有する融合ペプチドをコードするDNA
(1)グロブリンのL72からS86のアミノ酸配列(配列番号:5に記載のアミノ酸配列)
(2)グロブリンのR68からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7の48番目から91番目までに記載のアミノ酸配列)
(3)グロブリンのG21からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7に記載のアミノ酸配列)
(4)グロブリンのG21からQ111の部分ペプチドであって、少なくとも配列番号:5に記載のアミノ酸配列を含むペプチドのアミノ酸配列
(b)以下の(1)から(4)のいずれかに記載のペプチドをコードするDNA
(1)グロブリンのL72からS86のアミノ酸配列(配列番号:5に記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(2)グロブリンのR68からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7の48番目から91番目までに記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(3)グロブリンのG21からQ111のアミノ酸配列(配列番号:7に記載のアミノ酸配列)からなるペプチド
(4)グロブリンのG21からQ111の部分ペプチドであって、少なくとも配列番号:5に記載のアミノ酸配列を含むペプチド
(c)(a)または(b)のDNAを含むベクター
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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20348_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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