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赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうる小型ウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、保存方法、および濃縮方法

国内特許コード P04A005999
整理番号 植物バイオ-143
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-027978
公開番号 特開2003-225086
登録番号 特許第3654522号
出願日 平成14年2月5日(2002.2.5)
公開日 平成15年8月12日(2003.8.12)
登録日 平成17年3月11日(2005.3.11)
発明者
  • 長崎 慶三
  • 山口 峰生
  • 樽谷 賢治
  • 外丸 裕司
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうる小型ウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、保存方法、および濃縮方法
発明の概要 【課題】 赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうる小型ウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、凍結保存方法、および濃縮方法の提供。
【解決手段】 ヘテロカプサ属の藻類に特異的に感染して増殖しうる、粒径0.1μm未満のウイルス。該ウイルスの単離方法は、ウイルスを含有する液体試料を0.1μm孔径のフィルターで濾過し、得られた濾液をヘテロカプサ属の藻類の培養液に接種して培養を行い、ヘテロカプサ属の藻類の溶藻が観察された培養液を限界希釈することにより前記ウイルスをクローニングする工程を含む。前記のウイルスを有効成分として含む赤潮防除剤。前記のウイルスを赤潮水域に散布することからなる赤潮防除方法。前記のウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、凍結保存方法、および濃縮方法。
従来技術、競合技術の概要


わが国の海面養殖業は、国内漁業生産額全体の約1/4を占めている。この振興にあたっては、とくに養殖漁場の環境保全を図ることが不可欠であり、なかでも深刻な被害を引き起こす赤潮に対する有効な対策の推進がきわめて重要である。



1980年代末にわが国に出現した赤潮原因藻ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマは、カキ、アサリ、真珠貝等の貝類を特異的に斃死させる性質を持ち、日本各地の二枚貝養殖産業に深刻な被害をもたらしてきた渦鞭毛藻の一種である。その損害額は1998年の広島カキへの被害だけで約39億円、累計では100億円を突破するものと思われる。世界で初めてのヘテロカプサ赤潮が発生した1988年当初は高知県浦ノ内湾でのみ本種細胞が確認されたが、ヘテロカプサは驚異的な速さでその分布域を広げてきており、現在では熊本県から福井県・静岡県までの西日本沿岸域に広く分布している。日本の周辺国への本種の移出は未だ確認されていないものの、貿易船舶のバラスト水を介した有害有毒プランクトンの国際間移送の事例も知られていることから、本種の分布動態には十分な監視体制が必要である。



こうした背景の下、貝類養殖業者ならびに彼らを抱える我が国各地の自治体からは、ヘテロカプサ赤潮に対する具体的対策の確立が強く望まれている。これまでのところ、ヘテロカプサ赤潮に対する具体的な対策は、「継続的なモニタリングによるヘテロカプサ発生状況の把握」および「養殖筏の赤潮域からの移動」以外には全くないのが現状である。しかしながら、赤潮発生域からの養殖筏の移動は、ヘテロカプサ細胞も同時に移植してしまう危険性を孕んでおり、養殖業者には筏移動についての慎重な対応が望まれている。



1999年にはヘテロカプサ・サーキュラリスカーマを宿主とする大型の2本鎖DNAウイルス(HcV: Heterocapsa circularisquama virus)が分離され、本種による赤潮の防除に向けた応用の可能性が現在も鋭意検討されているところである。

産業上の利用分野


本発明は、赤潮プランクトンに特異的に感染して増殖・溶藻しうる小型ウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、保存方法、および濃縮方法に関し、より詳細には、ヘテロカプサ属の藻類に特異的に感染して増殖しうる小型ウイルス、該ウイルスを利用する赤潮防除方法および赤潮防除剤、並びに該ウイルスの単離方法、抽出方法、継代培養方法、凍結保存方法、および濃縮方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルス

【請求項2】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを含有する液体試料を0.1μm孔径のフィルターで濾過し、得られた濾液をヘテロカプサ属の藻類の培養液に接種して培養を行い、ヘテロカプサ属の藻類の溶藻が観察された培養液を限界希釈することにより前記ウイルスをクローニングする工程を含む、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスの単離方法。

【請求項3】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを含有する海底泥を液体に懸濁させ、得られた懸濁液を遠心分離して上清を採取することを含む、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを海底泥から抽出する方法。

【請求項4】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスに感染して、溶藻が確認されたヘテロカプサ属の藻類の培養液を遠心処理し、得られた上清をヘテロカプサ属の藻類の培養液に接種して培養を行う操作を少なくとも1回繰り返す工程を含む、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを継代培養する方法。

【請求項5】
培養を、温度20~25℃、光強度40~200μmol photons m-2 s-1、明暗周期を与えた条件下で行う請求項載の方法。

【請求項6】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスに感染した宿主の培養液または該培養液を濃縮して得られた懸濁液を凍結保護剤と混合し、該混合物を凍結保存することを含む、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを保存する方法。

【請求項7】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスに感染した宿主の培養液を遠心分離により濃縮することを含む、ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを濃縮する方法。

【請求項8】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを有効成分として含む赤潮防除剤。

【請求項9】
ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマに特異的に感染して増殖しうるウイルスであって、尾部構造および外膜構造を欠き、粒径約2030 nmの球形であり、規則的な結晶構造をとらず、DAPI染色により染色されないウイルスを赤潮水域に散布することを含む赤潮防除方法。

【請求項10】
ウイルスを固定化剤に包埋して、貝類養殖筏に設置する請求項記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002027978thum.jpg
出願権利状態 登録


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