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アブラナ科植物根こぶ病に対する抵抗性遺伝子検出用マイクロサテライトマーカー、およびその利用

国内特許コード P04A006009
整理番号 植物バイオ-153
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-302280
公開番号 特開2004-135554
登録番号 特許第4366494号
出願日 平成14年10月16日(2002.10.16)
公開日 平成16年5月13日(2004.5.13)
登録日 平成21年9月4日(2009.9.4)
発明者
  • 松元 哲
  • 平井 正志
  • 布目 司
  • 塚崎 光
  • 諏訪部 圭太
  • 藤村 みゆき
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 アブラナ科植物根こぶ病に対する抵抗性遺伝子検出用マイクロサテライトマーカー、およびその利用
発明の概要

【課題】アブラナ科植物における根こぶ病抵抗性の新規QTLに連鎖するマイクロサテライトマーカーを提供し、このマーカーを用いた根こぶ病抵抗性個体の効率的な選抜方法を提供することにある。
【解決手段】多数のマイクロサテライトマーカーから罹病性個体と抵抗性個体との間で多型性を示すマーカーをまず選抜し、次いで、罹病性個体との抵抗性個体交配後代集団を用い、根こぶ病の病原菌に対する表現型の分離パターンと、マーカーの多型分布を調査した結果、4つのマーカーが、根こぶ病抵抗性QTLと連鎖していることを見出した。該マイクロサテライトマーカーを有するDNA断片を検出することにより、根こぶ病新規抵抗性遺伝子を有する個体を識別することができる。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要
根こぶ病はアブラナ科野菜における最も重要な土壌病害の1つである。根こぶ病に罹病した根には、特徴的なこぶが形成され、栄養分や水分の吸収が阻害され、最終的には生育阻害、収量減を引き起こす。根こぶ病菌は休眠胞子の形で土壌中に長期間生育が可能であり、一旦発生すると防除が甚だ困難である。そのため、抵抗性品種の利用が本病害の回避に極めて効果的と言える。しかし、根こぶ病菌に対する抵抗性は多因子(量的形質; Quantitative trait loci, QTL)による遺伝を示す。そのため、抵抗性の育種素材を用い、交配による経済品種育成を試みる場合、形質の集積が困難で、かつ長期に渡る。本QTLの主動遺伝子に連鎖するDNA断片は同定されているが(非特許文献1参照)、このDNA断片はヘテロ接合体を識別できない優性マーカーであるため、抵抗性個体の選抜に用いるDNAマーカーとしては必ずしも有効ではなかった。また根こぶ病菌には複数に分化したレースに対応した抵抗性、すなわち実用レベルでの抵抗性を発現させるまでには至っていない。したがって、本病害の抵抗性に関わる他のQTLの同定が抵抗性品種開発の上で強く望まれていた。
【0003】
一方、育種現場においては、形質に連鎖したDNAマーカーの利用が、作業の効率化において非常に有効である。DNAマーカーには、RFLP(Restriction fragment length polymorphism)、AFLP(Amplified fragment length polymorphism)、RAPD(Random amplified polymorphic DNA)、STS(Sequence-tagged sites)、マイクロサテライト(SSR; simple sequence repeat)マーカーなどが知られているが、RFLP、SSRマーカーのみが共優性マーカーであり、他は優性マーカーである。ダブルハプロイド系統を用いて、ブラシカ・ラパの根こぶ病抵抗性遺伝子に連鎖する優性マーカーであるRAPDマーカーについては、既に知られている(特許文献1参照)。共優性マーカーは、供試個体の遺伝子型(ホモ/ヘテロ)の判別が可能で、育種における導入形質の固定に非常に有効である。しかし、RFLPマーカーは、純度の高いDNAを単離する必要があり、また、その後の分析も煩雑であるなど、労働時間さらには設備等におけるコスト面からも問題が多い。一方、SSRマーカーは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)ベースのマーカーであることから、純度の高いDNAは必要とせず、また、操作が極めて簡便で、高度な設備も必要としない。さらに、運用コストも低く抑えることが可能であることから、育種現場で利用しうるマーカーとしては現時点で最も優れていると言える。しかしながら、根こぶ病抵抗性遺伝子と連鎖したSSRマーカーが開発された例はない。
【0004】
【特許文献1】
特許第2730670号公報
【0005】
【非特許文献1】
Kuginukiら著, 「Euphytica」, 1997年, Vol.98, p.149-154
産業上の利用分野
本発明は、アブラナ科植物の根こぶ病抵抗性個体の選抜に用いるDNAマーカー及び選抜法に関するものである。詳しくは特定のマイクロサテライト遺伝子座を検出しうる合成オリゴヌクレオチド並びに合成オリゴヌクレオチドを用いるDNA分析によって、根こぶ病抵抗性遺伝子を有するアブラナ科植物を識別し、根こぶ病抵抗性個体を選抜する方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 (a)配列番号:1に記載の塩基配列における、55~96位
のマイクロサテライト配列を含むマイクロサテライト座
(b)配列番号:2に記載の塩基配列における、150~164位または227~241位のマイクロサテライト配列を含むマイクロサテライト座
(c)配列番号:3に記載の塩基配列における、468~530位のマイクロサテライト配列を含むマイクロサテライト座
(d)配列番号:4に記載の塩基配列における、179~226位のマイクロサテライト配列を含むマイクロサテライト座
のいずれかのマイクロサテライト座の型を検出することによる、根こぶ病抵抗性遺伝子を有するアブラナ科植物個体の識別方法。
【請求項2】 以下の(i)~(iii)の工程を含む、請求項1に記載の識別方法。
(i)請求項1の(a)~(d)のいずれかに記載のマイクロサテライト座を含むDNA領域を増幅する工程
(ii)増幅したDNAをゲル上で分離する工程
(iii)分離したDNAのゲル上での移動度を対照と比較する工程
【請求項3】 請求項1または2記載の識別方法により、根こぶ病抵抗性遺伝子を有するアブラナ科植物個体を選抜する方法。
【請求項4】 アブラナ科植物がハクサイである、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】 根こぶ病抵抗性遺伝子を有するアブラナ科植物個体の識別方法に使用される、以下(1)~(4)のいずれかに記載のPCRプライマー対。
(1)配列番号:1に記載の塩基配列における、
- 55~96位のマイクロサテライト配列の5’側に位置する領域の塩基配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、及び、
- 55~96位のマイクロサテライト配列の3’側に位置する領域の核酸配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、
で構成されるPCRプライマー対
(2)配列番号:2に記載の塩基配列における、
- 150~164位のマイクロサテライト配列の5’側に位置する領域の塩基配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、
及び、
- 227~241位の3’側に位置する領域の核酸配列に基づいて設計される合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、
で構成されたPCRプライマー対
(3)配列番号:3に記載の塩基配列における、
- 468~530位のマイクロサテライト配列の5’側に位置する領域の塩基配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、及び、
- 468~530位のマイクロサテライト配列の3’側に位置する領域の核酸配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、
で構成されるPCRプライマー対
(4)配列番号:4に記載の塩基配列における、
- 179~226位のマイクロサテライト配列の5’側に位置する領域の塩基配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチドからなるPCRプライマー、及び、
- 179~226位のマイクロサテライト配列の3’側に位置する領域の核酸配列に基づいて設計された合成オリゴヌクレオチド、又は、配列番号:12の塩基配列からなる合成オリゴヌクレオチドのいずれかからなるPCRプライマー、
で構成されるPCRプライマー対
【請求項6】 以下(1)~(4)のいずれかである、請求項5に記載のPCRプライマー対。
(1)配列番号:5の塩基配列からなるPCRプライマー、及び、
配列番号:6の塩基配列からなるPCRプライマー、
で構成されるプライマー対
(2)配列番号:7の塩基配列からなるPCRプライマー、及び、
配列番号:8の塩基配列からなるPCRプライマー、
で構成されるプライマー対
(3)配列番号:9の塩基配列からなるPCRプライマー、及び、
配列番号:10の塩基配列からなるPCRプライマー、
で構成されるプライマー対
(4)配列番号:11の塩基配列からなるPCRプライマー、及び、
配列番号:12の塩基配列からなるPCRプライマー、
で構成されるプライマー対
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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25383_01SUM.gif
出願権利状態 権利存続中


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