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塩縮した天然繊維ならびにその製造方法

国内特許コード P04A006040
整理番号 繊維・紙-07
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-028090
公開番号 特開2003-227064
登録番号 特許第3696555号
出願日 平成14年2月5日(2002.2.5)
公開日 平成15年8月15日(2003.8.15)
登録日 平成17年7月8日(2005.7.8)
発明者
  • 加藤 弘
  • 塚田 益裕
  • 新居 孝之
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 塩縮した天然繊維ならびにその製造方法
発明の概要 【課題】 塩縮した野蚕絹糸や羊毛の提供、この塩縮野蚕絹糸や羊毛の製造方法の提供、また、この塩縮野蚕絹糸や羊毛を利用した抗菌性繊維素材や活性物質担持繊維素材の提供。
【解決手段】 野蚕絹糸または羊毛を中性塩水溶液中に浸漬した後、取り出した野蚕絹糸または羊毛を凝固浴中に浸漬して、塩縮・凝固した野蚕絹糸または羊毛を得る。羊毛として、尿素水溶液中で浸漬処理して分子間・分子内の水素結合を切断した羊毛を用いる。中性塩は、臭化リチウム、硝酸カルシウム等であり、凝固浴は、水単独または水/アルコールの混合水溶液からなる。塩縮した野蚕絹糸や羊毛に抗菌性金属イオンや活性物質を吸着せしめる。
従来技術、競合技術の概要


加熱した中性塩水溶液中に家蚕由来の絹糸を浸漬し、絹糸を塩縮して、新規な機能性を備えた家蚕絹糸を得ることは知られている。すなわち、家蚕絹糸を加熱した中性塩水溶液に浸漬すると、中性塩水溶液中に浸漬した初期の段階、通常20秒程度の短時間で、家蚕絹糸は膨潤し、繊維長が縮み、その結果、絹糸表面が不規則となり捲縮する。このような塩縮処理により、絹糸は柔らかくなり、また、糸嵩が増して、軽くソフトな肌ざわりになる。



家蚕絹糸を塩縮処理する方法として、例えば、硝酸カルシウム水溶液で処理する方法が知られている(加藤弘、日本蚕糸学雑誌、59,271-279,280-287,341-349(1990))。この場合、比重:1.410~1.420g/cmの硝酸カルシウム水溶液(80℃)中に家蚕絹糸を浸漬すると、中性塩水溶液中に約1分浸漬する塩縮過程の初期で塩縮率が40%に達する(上記日本蚕糸学雑誌参照)。なお、従来用いた硝酸カルシウム水溶液の濃度は本発明表示の濃度、約1.3g/mLに対応する。このように、家蚕絹糸は、中性塩水溶液中への浸漬工程で塩縮するという特徴を有し、柔らかく、且つ、バルキー性の増した絹糸として利用されている。

産業上の利用分野


本発明は、塩縮した天然繊維およびその製造方法、ならびにこの塩縮した天然繊維を利用した金属・活性物質担持天然繊維素材に関し、特に、塩縮した野蚕絹糸および羊毛である天然繊維、該天然繊維の製造方法、ならびに該天然繊維を利用した抗菌性繊維素材および活性物質担持繊維素材に関する。塩縮(以下、捲縮と呼ぶこともある)とは、一般に、中性塩水溶液中に蛋白質繊維を浸漬処理することにより繊維長が収縮する現象を意味する。

特許請求の範囲 【請求項1】
天然繊維として野蚕絹糸または羊毛を中性塩水溶液中に浸漬し、引き続いて、取り出した天然繊維を、野蚕絹糸または羊毛の蛋白質が凝固する条件で、水単独または水/アルコールの混合水溶液からなる凝固浴中に浸漬し、塩縮・凝固した天然繊維を製造することを特徴とする塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項2】
前記羊毛として、中性塩水溶液中に浸漬する前に尿素水溶液中に浸漬して分子間・分子内の水素結合を切断した羊毛を用いることを特徴とする請求項1記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項3】
前記中性塩が、臭化リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、チオシアン酸リチウム、硝酸カルシウム、または塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項4】
前記中性塩の濃度が0.8g/mLより高く6.0g/mL以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項5】
前記野蚕絹糸または羊毛が、グラフト重合用モノマーを用いて加工したグラフト加工野蚕絹糸もしくは羊毛、または反応性モノマーを用いて化学修飾加工した化学修飾加工野蚕絹糸もしくは羊毛であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項6】
前記グラフト重合用モノマーが疎水性または親水性ビニル化合物であり、また、前記反応性モノマーがエポキシ化合物または酸無水物であることを特徴とする請求項5記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項7】
前記疎水性ビニル化合物がメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルまたはスチレンであり、前記親水性ビニル化合物がメタクリルアミドまたはメタクリル酸2-ヒドロキシエチルであり、前記エポキシ化合物がエチレングリコールジグリシジルエーテル、またはグリセロールポリグリシジルエーテルであり、前記酸無水物が無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、または無水フタル酸であることを特徴とする請求項6記載の塩縮した天然繊維の製造方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の製造方法に従って得られた塩縮した天然繊維に付着した絹フィブロインを基質として、該基質中に酵素、医薬品、生理活性物質、生体触媒から選ばれた活性物質が含有されていることを特徴とする活性物質担持繊維素材
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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13527_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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