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カイコ受精卵の保存法

国内特許コード P04A006089
整理番号 動物バイオ-90
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2003-057940
公開番号 特開2004-267007
登録番号 特許第4273225号
出願日 平成15年3月5日(2003.3.5)
公開日 平成16年9月30日(2004.9.30)
登録日 平成21年3月13日(2009.3.13)
発明者
  • 飯塚 哲也
  • 間瀬 啓介
  • 山本 俊雄
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 カイコ受精卵の保存法
発明の概要 【課題】カイコ受精卵を長期間保護しても高い孵化率を有する簡便なカイコ受精卵保存法の提供。
【解決手段】産卵したカイコ受精卵を所定の温度で冷蔵保存する際に、冷蔵中のカイコ受精卵の胚子の発育段階を進める中間手入れを、産卵後450日目から550日目が経過する前までの期間内に1回だけ施し、また、産卵直後からの高温(25℃)での保護期間を短くすると共に、この高温保護から冷蔵に至る期間を短くする。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


カイコには実用品種の他に、多くの保存系統と育種素材系統がある。我が国では大学や(独)農業生物資源研究所などを合わせると、遺伝資源として1000種を越える保存系統があるほか、500種余りの実用品種と育種素材が維持されている。それらの品種を系統保存するためには毎年一回飼育する必要がある。そのため、系統を維持・保存するためには、多大の労力、経費を要しており、その省力化が求められてきた。



休眠性卵(越年蚕種)は産卵後休眠に入り、翌年になって孵化してくるものである。この産卵直後から翌年孵化するまでの期間の蚕卵の取扱いを蚕種の保護と呼んでおり、この期間の保護の良否は、卵の孵化に重要な影響を与えるのみならず、交雑種では作柄や繭糸質にも影響するので、極めて重要な作業である。



従来の確立された蚕種保存技術としては、休眠を覚醒した活性卵の長期冷蔵法として、採種から15ヶ月間は保護できる複式冷蔵法(例えば、非特許文献1参照。)がある。複式冷蔵法とは、図1にそのプロセスを示すように、採卵後50~60日間25℃、30日間20℃、約150日間自然温度で受精卵を保護した後、90日間-2.5℃に置き、次いで保護中の卵をいったん高温に曝して胚子の発育段階を少し進める中間手入れを一回施し、その後2.5℃で出庫まで保護する方法であり、現在広く実用化されている。



卵の胚子の冷蔵に対する抵抗性は、発育段階によって異なり、最長期(丙B)の胚子が最も抵抗力が強いので、休眠から覚醒した卵を冷蔵し続けるためには、胚子の発育段階をこの丙Bの時期まで進め、再度冷蔵する方法を取るのが良いとされている。このように、冷蔵中の受精卵を所定の温度に一定期間接触させて、胚子の発育を丙B、好ましくは丙Bの少し前まで促進し、卵の冷蔵に対する抵抗性を増すため操作を中間手入れという。



また、いまだ研究段階ではあるが、第1代目の孵化から第2代目の孵化までが2カ年サイクルとなる受精卵の長期貯蔵で高い孵化率(交雑種1品種(宝鐘×春月)を得ることができるた方法(例えば、非特許文献2参照。)が提案されている。即ち、図2に示すように、産卵直後の高温(25℃)保護を90日間行い、20℃、15℃、10℃、5℃の各温度にそれぞれ5日間、段階的に移して保護し、次いで2.5℃で40日間保護し、その後-2.5℃で冷蔵する方法である。この方法では、次いで2.5℃に20日間、5℃に30日間置いた後、15℃で中間手入れを6回行う。この中間手入れの開始日は、保護開始日から430、470、510、550、590、610日目であり、これらの中間手入れの各段階とも、受精卵が破壊されないようにするために初めに各中間手入れ温度よりも低い温度で予備手入れを行っている。この手入れ後の冷蔵温度は、1回目及び2回目の手入れ後は-2.5℃、3回目及び4回目の手入れ後は0℃、5回目及び6回目の手入れ後は2.5℃である。なお、上記方法において、中間手入れを1回のみ施した場合での孵化率は、最高でも保護開始後550日目に1回施した場合の73.1%である。



【非特許文献1】
蚕種の保護取扱い指針、協同組合全国蚕種研究会発行、昭和52年11月10日、pp. 14-16
【非特許文献2】
清水・青木、蚕糸研究、1988年9月(142号)、pp. 45-51

産業上の利用分野


本発明は、カイコ受精卵の保存法に関し、特に孵化サイクルがほぼ2カ年となり、孵化率が高いカイコ受精卵保存法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
産卵したカイコ受精卵を25℃で30~60日間保護し、この受精卵を20~5℃の間で温度を複数回段階的に下げて各温度でそれぞれ2日間又は5日間の間段階的に保護し、その後さらに0℃で10日間保護し、次いで0~-2.5℃で308~410日間冷蔵した後、5℃で90日間保護して胚子を活性化させ、この胚子が活性化された受精卵に対して産卵後488日目から548日目までの期間が経過した後に、始め10℃次いで15℃の一連の中間手入れを1回だけ施し、その後0~-2.5℃で120~180日間再冷蔵し、最後に出庫、催青を行うことを特徴とするカイコ受精卵の保存法。

【請求項2】
請求項1記載のカイコ受精卵の保存法において、該再冷蔵後に、出庫のために温度を10℃に上げて3日間維持し、15℃の中間温度に2日間維持し、次いで25℃で11日間催青を行うことを特徴とするカイコ受精卵の保存方法。
国際特許分類(IPC)
  • A01K  67/04     
画像

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JP2003057940thum.jpg
出願権利状態 登録


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