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医療用基材としての繭糸構造物及びその製造法

国内特許コード P04A006100
整理番号 有機材料-65
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2002-341026
公開番号 特開2004-173772
登録番号 特許第3840541号
出願日 平成14年11月25日(2002.11.25)
公開日 平成16年6月24日(2004.6.24)
登録日 平成18年8月18日(2006.8.18)
発明者
  • 高林 千幸
  • 竹澤 俊明
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 医療用基材としての繭糸構造物及びその製造法
発明の概要 【課題】人工血管等の医療用基材に利用可能な繭糸構造物及びその製造法の提供。
【解決手段】繭糸3又はこの繭糸と繭糸以外の合成繊維との混繊維が、組紐作製原理により編み込む動作を組み合わせることにより、又は左右に動く絡交により、隙間のないように所定の立体状の形態に巻かれ、かつ、繭糸相互や混繊維相互が繭糸表面に保有されているセリシンにより膠着されてなる構造物。芯棒11に繭糸3を巻き付けた後に加熱乾燥し、セリシンによって繭糸相互を膠着させ、巻き付けた繭糸12と芯棒11とを分離して、任意の形態の管状繭糸構造物を得る。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


絹糸は、グリシン・アラニン等のアミノ酸を主体とするフィブロインとセリン・アスパラギン酸・グルタミン酸等のアミノ酸を生体とするセリシンとの18種類のアミノ酸で構成されているので、生体親和性に優れ、古くより手術用縫合糸として利用され、ヒトへの移植に対する安全性が確認されている。しかしながら、従来、繭糸を人工血管や人工臓器等の医療用基材として用いる繭糸構造物の例は見当たらない。

産業上の利用分野


本発明は、医療用基材としての繭糸構造物及びその製造法に関し、特に、繭糸のみ、繭糸と他繊維との混繊維等を屈曲可能な平面状ないしは管状等の立体状の形態に加工し、繭糸の生体親和性を生かした人工血管や人工臓器等の医療用基材として利用できる繭糸構造物及びその製造法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
煮熟繭から引き出された繭糸単独又はこの繭糸と繭糸以外の合成繊維との混繊維が隙間のないように平面形状又は立体形状の形態に巻かれ、該繭糸単独又は混繊維が巻かれた形態が、組紐作製原理により編み込む動作を組み合わせることにより巻かれた管状の形態であるか、又は左右に動く絡交により巻かれた管状の形態であり、そして繭糸相互や混繊維相互が繭糸表面に保有されているセリシンにより膠着されてなる医療用基材としての繭糸構造物において、該繭糸単独が管状に巻かれ、かつ繭糸相互が繭糸表面に保有されているセリシンにより膠着された第1層と、この第1層の上に繭糸以外の合成繊維又は金属繊維が管状に巻かれてなる第2層と、この第2層の上に繭糸単独が管状に巻かれ、かつ繭糸相互が繭糸表面に保有されているセリシンにより膠着されてなる第3層とからなる管状累層構造を有することを特徴とする医療用基材としての繭糸構造物。

【請求項2】
請求項1において、繭糸構造物の表面がさらにフィブロイン又はセリシンのコーティング膜で被覆されていることを特徴とする繭糸構造物。

【請求項3】
請求項1又は2において、繭糸構造物の表面がさらに動物細胞の接着能を付与する材料で被覆されていることを特徴とする人工血管、人工腱又は人工靱帯用の繭糸構造物。

【請求項4】
請求項において、動物細胞の接着能を付与する材料が、細胞外マトリックス成分、細胞外マトリックス成分含有ハイドロゲル、ゼラチン、レクチン、イガイ由来の接着性蛋白質、ポリリジン、接着性オリゴペプチド、及びトロンボスポンジンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする繭糸構造物。

【請求項5】
請求項において、細胞外マトリックス成分がコラーゲンであることを特徴とする繭糸構造物。

【請求項6】
煮熟繭から引き出した繭糸単独を熱可塑性樹脂製芯棒に巻き付けて第1層を形成し、この第1層の上に繭糸以外の合成繊維又は形状記憶合金からなる金属繊維を巻き付けて第2層を形成し、次いで、この第2層の上に繭糸単独を巻き付けて第3層を形成することからなり、この第1層及び第3層を形成する工程のうち両工程において又は第3層を形成する工程において巻き付けた繭糸を加熱乾燥しながら、繭糸表面に保有されているセリシンにより繭糸相互を膠着させ、そして第3層を形成する工程において加熱により軟化した熱可塑性樹脂製芯棒を左右に牽引して細くし、この細くした芯棒を取り出して繭糸と他繊維との管状の累層構造を有する管状繭糸構造物を得ることを特徴とする繭糸構造物の製造法

【請求項7】
請求項6において、得られた繭糸構造物の表面をさらにフィブロイン又はセリシンの溶液でコーティング処理し、次いで加熱乾燥することを特徴とする繭糸構造物の製造法

【請求項8】
請求項6又は7において、熱可塑性樹脂製芯棒が、円筒形、角筒形、円錐形、角錐形、又はこれらの形状を組合せた形状を有するものであることを特徴とする繭糸構造物の製造法。

【請求項9】
請求項6~8のいずれかにおいて、芯棒として、熱可塑性樹脂製芯棒の代わりに、薄く細い板状の鋼材を螺旋状にして棒形状物としたものを用い、この芯棒を取り出す際に、この螺旋状の棒形状物を捻ることにより細くし、この細くした棒形状物を取り出して管状繭糸構造物を得ることを特徴とする繭糸構造物の製造法。

【請求項10】
請求項6~9のいずれかにおいて、得られた繭糸構造物の表面をさらに動物細胞の接着能を付与する材料で被覆することを特徴とする人工血管、人工腱又は人工靱帯用の繭糸構造物の製造法。

【請求項11】
請求項6~10のいずれかにおいて、煮熟繭から引き出した繭糸又は繭糸と繭糸以外の合成繊維との混繊維として、予め動物細胞の接着能を付与したものを用いることを特徴とする繭糸構造物の製造法。

【請求項12】
請求項6~11のいずれかにおいて、得られた繭糸構造物の表面をさらに細胞外マトリックス成分、細胞外マトリックス成分含有ハイドロゲル、ゼラチン、レクチン、イガイ由来の接着性蛋白質、ポリリジン、接着性オリゴペプチド、及びトロンボスポンジンから選ばれた少なくとも一種の材料で被覆し、表面に動物細胞の接着能を付与することを特徴とする繭糸構造物の製造法。

【請求項13】
請求項12において、細胞外マトリックス成分がコラーゲンであることを特徴とする繭糸構造物の製造法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002341026thum.jpg
出願権利状態 登録


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