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釣り餌用昆虫由来の繭糸の分離方法、ならびにこの分離繭糸を用いた繊維製品およびその製造方法

国内特許コード P04A006102
整理番号 有機材料-67
掲載日 2005年2月16日
出願番号 特願2003-036883
公開番号 特開2004-244762
登録番号 特許第3837534号
出願日 平成15年2月14日(2003.2.14)
公開日 平成16年9月2日(2004.9.2)
登録日 平成18年8月11日(2006.8.11)
発明者
  • 塚田 益裕
  • 馬越 芳子
  • 於保 正弘
  • 神田 千鶴子
  • 岡部 孝幸
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 釣り餌用昆虫由来の繭糸の分離方法、ならびにこの分離繭糸を用いた繊維製品およびその製造方法
発明の概要 【課題】釣り餌用昆虫由来の繭糸の分離方法、分離繭糸を用いた繊維製品およびその製造方法の提供。
【解決手段】昆虫を飼育する過程で生ずる夾雑物が混じっている繭糸にタルクとデンプンとを含んだ粉末分離材を加え、第一の篩い段階および第一の篩より目の細かい篩を用いる第二の篩い段階により処理し、夾雑物を取り除いて繭糸を分離する。夾雑物は、蛹、餌カス、脱皮殻、幼虫の糞、水分等である。上記のようにして分離した繭糸をカーディングして得られたシルクウエブを紡績するか、この繭糸のシルクウエブと綿蚕等の第二繊維素材のシルクウエブとを複合して複合シルクウエブとし、次いでカーディングして複合紡績用シルクラップを得、その後紡績することにより紡績糸および紡績製品を得る。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、釣りの趣味にも多様性が求められるようになり、淡水魚の釣りも産業として成立している。釣り用の餌である昆虫には、ブドウスカシバ幼虫、ハチミツガ幼虫、赤虫、サシ、クリ虫等がある。なかでも、渓流釣り用の餌としてはブドウスカシバ幼虫およびハチミツガ幼虫が好まれる。



上記ブドウスカシバ幼虫(天然ブドウ虫)は、限られた季節にしか自然に発生しないので、入手可能な時期や供給量が限られており、幻の餌と呼ばれ珍重されている。必要なときに入手困難であるため、天然ブドウ虫の代わりに、疑似ブドウ虫(例えば、養殖ハチミツガ幼虫)が釣り用の生き餌として販売されている。このハチミツガ幼虫は、養殖できるため、需要に応じて生産量を増加することが容易である。そのため、現在では1年中いつでも手に入れることができ、従来の天然ブドウ虫よりも安価に提供されている。



ブドウ虫(以下、疑似ブドウ虫および天然ブドウ虫を総称してブドウ虫と称す。)がつくる繭糸は繊維状であり、飼育過程で生じる繭糸は夾雑物が混じっている状態で存在する。ブドウ虫が釣り餌として重宝されるようになった現時点においてさえ、これらの生育・増殖の過程で生ずる繭糸にはその価値が全く認められておらず、繭糸は全て廃棄され、利用されていない。これは、多くの夾雑物が強く付着した繭糸から、繭糸だけを分離することが困難であるためである。すなわち、人工飼料で生育されたブドウ虫は、成熟後又は飼育中に飼育環境下で吐糸し、この吐糸された繭糸には、飼育のために使用した人工飼料、幼虫の糞、飼料の一部である餌カス、蛹、脱皮殻、水分等の夾雑物が多量に付着している。この夾雑物を含む繭糸から繭糸だけを分離することは極めて困難であり、従来、簡単な分離方法はなかった。そのため、ブドウ虫由来の繭糸を資源として利用しようとする技術開発が遅れたのである。なお、夾雑物中に含まれる幼虫をこのまま放置すると蛹となり、しかるのち成虫となって羽化するため、上記夾雑物に加えて脱皮殻や、成虫が羽化後死亡するとその死骸が残留し、夾雑物量が更に増加するので、繭を作った後の蛹に熱を加えて乾燥・死滅させなくてはならないという問題もある。

産業上の利用分野


本発明は、釣り餌用昆虫由来の繭糸の分離方法、ならびにこの分離繭糸単独をまたはこの繭糸との複合素材を紡績した繊維製品およびその製造方法に関わる。この繊維製品とは紡績製品であり、紡績糸も含まれる。

特許請求の範囲 【請求項1】釣り餌用昆虫を飼育する過程で生ずる夾雑物が混じっている繭糸に粉末分離材を加え、これを篩処理し、該夾雑物を取り除いて繭糸を得ることを特徴とする繭糸の分離方法。
【請求項2】請求項1において、粉末分離材が、タルクとデンプンとを含んだものであることを特徴とする繭糸の分離方法。
【請求項3】請求項1または2において、篩処理が、目の粗い篩を用いる第一の篩い段階および第一の篩より目の細かい篩を用いる第二の篩い段階により行われることを特徴とする繭糸の分離方法。
【請求項4】請求項1~3のいずれかにおいて、釣り餌用昆虫がブドウ虫であることを特徴とする繭糸の分離方法。
【請求項5】請求項1~4のいずれかにおいて、夾雑物が、蛹、餌カス、脱皮殻、幼虫の糞、水分であることを特徴とする繭糸の分離方法。
【請求項6】請求項1~5のいずれかに記載の分離方法により分離された繭糸を単独で紡績してなるか、またはこの繭糸からなる第一繊維素材と第二繊維素材との複合素材を紡績してなることを特徴とする繊維製品。
【請求項7】請求項6において、第一繊維素材から得られた繭糸のシルクウエブを紡績してなるか、またはこの繭糸のシルクウェブと予め一方向に引き揃えられた第二繊維素材のシルクウエブとを混ぜて複合シルクウエブとし、この複合シルクウエブから製造された複合紡績用シルクラップを紡績してなることを特徴とする繊維製品。
【請求項8】請求項6または7において、第二繊維素材が、綿蚕および家蚕から選ばれた蚕の繭層、繭糸、選除繭糸、毛羽、もしくは屑糸由来の素材であるか、または天蚕、柞蚕、エリサン、ムガ蚕、ヨナグニサン、アナフェサン、およびクリキュラサンから選ばれた野蚕の繭層、繭糸、選除繭糸、毛羽、もしくは屑糸由来の素材であることを特徴とする繊維製品。
【請求項9】請求項1~5のいずれかに記載の分離方法により分離された繭糸からなる第一繊維素材を単独で紡績するか、またはこの第一繊維素材に第二繊維素材を複合して紡績し、繊維製品を得ることを特徴とする繊維製品の製造方法。
【請求項10】請求項9において、第一繊維素材をサンプルローラーカードにかけて繭糸のシルクウエブを得、このシルクウエブを紡績するか、またはこのシルクウエブに、ハンドカードおよび電動式カードにかけて予め一方向に引き揃えた第二繊維素材のシルクウエブを混ぜて複合シルクウエブを得、この複合シルクウエブを再度サンプルローラーカードにかけて複合紡績用シルクラップを製造し、この複合紡績用シルクラップを機織し、繊維製品を得ることを特徴とする繊維製品の製造方法。
【請求項11】請求項9または10において、第二繊維素材が、綿蚕および家蚕から選ばれた蚕の繭層、繭糸、選除繭糸、毛羽、もしくは屑糸由来の素材であるか、または天蚕、柞蚕、エリサン、ムガ蚕、ヨナグニサン、アナフェサン、およびクリキュラサンから選ばれた野蚕の繭層、繭糸、選除繭糸、毛羽、もしくは屑糸由来の素材であることを特徴とする繊維製品の製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2003036883thum.jpg
出願権利状態 登録


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